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戦国異伝供書

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第百十一話 政宗の初陣その一

                第百十一話  政宗の初陣
 政宗の初陣の時が来た、ここで輝宗は彼に言った。
「よいか、くれぐれもな」
「軽挙な振る舞いはせぬことですな」
「初陣こそがじゃ」 
 まさにこの時がというのだ。
「最もよく死ぬ」
「だからですな」
「攻めるべきであるが」
 それでもというのだ。
「くれぐれもじゃ」
「軽挙な振る舞いはせず」
「そしてじゃ」
「退くべき時は退く」
「そうせよ、小十郎と時宗丸の言うことをよく聞き」
 共に出陣する彼等のというのだ。
「そしてな」
「慎重にですな」
「戦うのじゃ」
「承知しました」
「そしてであるな」
 輝宗は今度は我が子に問うた。
「あの者達を使うな」
「はい」
 政宗の返事は一言であった。
「まさにです」
「この時の為にじゃな」
「鍛えてきたので」
 それだけにというのだ。
「是非共」
「そうであるな」
「それで相馬家の軍勢を」
 敵である彼等をいうのだ。
「蹴散らしてみせましょう」
「そうするか」
「そして伊達家の武名をみちのくに知らしめ」
「さらにであるな」
「戦っていきまする」
「そうであるな」
「ただ、戦はしますが」
 それでもというのだ。
「それがしもです」
「戦ばかりではないな」
「戦をせずに済めば」
 それでというのだ。
「よいです」
「やはりそうだな」
「人は強い者とは戦いませぬ」 
 これはどうしてもというのだ。
「ですから」
「あの兵を使ってか」
「当家の武名を知らしめ」
「従わせる家を増やすか」
「そのつもりです」
「色々と考えておるな」
「百戦百勝は下策です」 
 政宗はこうも言った。
「一戦は仕方ないとしても」
「その一戦で、であるな」
「それを戦わずしての百勝につなげる」
「それがお主の考えか」
「はい」
 まさにというのだ。
「ですから」
「その様にじゃな」
「戦いまする」
「わかった、ではな」
「それではですな」
「戦って来るのじゃ」
 我が子にこう告げた。
「よいな」
「さすれば」
「わしが言ったことを忘れずにな」
「承知しています」
「それではな」
「父上、それでなのですが」 
 政宗はさらに言った。 
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