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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第64話 スカさんアジトにて、シスコン次女登場

「ほら、クアットロ着いたぞ」

そう言って、トーレさんはおんぶをしていたクアットロを落とした。

「きゃ!?………もう少し優しくしてくださらない?」

そう言うとクアットロに向けてみんなが睨む。

「…………すみませんでした」

「分かれば良い」

そんなこんなで、みんなは中へ入って行った。


「アギト」

俺は肩に座っているアギトに声をかけた。

「ん、なんだ?」

「体は大丈夫か?」

「大丈夫だよ、あそこに居たときよりは全然マシさ!」

『それは私が応急処置をしたから幾分マシなだけで、かなり危険な状況なのは変わりないんですよ!!』

「大丈夫だって!ったく、心配性だな………」

『アギト!!』

「いいから俺達も行くぞ…………」

喧嘩しているデバイス二人の会話を聞きながら俺も中へ入って行った。







「みんなお疲れさま」

リビング入ってすぐにウーノさんに声をかけられた。
どうやら待っていてくれたみたいだ。

「みんな無事でよかったわ。…………あれ?その子は?」

「アタシはアギトって言うんだ、よろしくな!」

「融合騎?でも一体どうして?」

「これには事情があるんですが、スカさんどこにいますか?」

「ドクターなら今ラボにいますよ」

「分かりました、ウーノさんにも説明したいので一緒に来てもらえますか?」

「はい、分かりました。他のみんなはゆっくり休んでいてね」

ウーノさんはそう言ってリビングを出て行く俺と移動した…………








「お疲れ様、無事で何よりだよ」

「ありがとう、それよりも…………」

俺はスカさんに研究所での出来事を話始めた…………



「なるほど…………そして君の背中に隠れているのがアギト君かい?」

「そうだよ………ってアギト、隠れて無いで出てこいよ…………」

「い・や・だ!!いくら零治の頼みでもあんな変態の前に出るのだけは絶対に嫌だ!!」

ああ、スカさんが落ち込んでるぞ。

「そ、そんなこと言わずに………お前を見てもらうつもりなんだから………」

「絶対に嫌だ!!!」

何か平行線になりそうだな。
だけど検査だけでもしっかり受けてもらいたいんだが………

「ならウーノさんにも付いてもらうから。それに俺は心配なんだよ。お前、俺が助けるまでかなり酷い仕打ち受けてたろ?体に異常とかあったらどうするんだよ………」

「零治………」

『私も心配ですよ。これから私とあなたはマスターの力になるのですから………』

「ラグナル………分かった、アタシ受けるよ!!その代わりウーノって姉ちゃんも一緒にな」

そこは譲れないんだな………
それと俺の力になるのかはまだ未定な。

『でもマスターの一番のデバイスは私ですからね!!あなたには絶対に負けません!!』

「へん、それは諦めるんだな。アタシはいつでもこうやって零治に触れられるしな!!」

『………残念でしたね』

そう言うとラグナルが輝きだし、俺の指から離れる。

「これなら問題無いですよね?」

そこには20代位の銀髪の美人が現れた。
その姿を見たアギトを始め、スカさんもウーノさんも大いに驚いてる…………

「ほらほら見てください、この完璧なプロポーション。アギトみたいな残念な体型じゃ無いんですよ!」

「ううっ………」

「それに何ですかそのミニマムな身長は?それではマスターを満足させることなど……へぶっ!?」

これ以上暴走する前にラグナルに拳骨を与えておいた。

「何するんですかマスター…………」

「いいから元に戻れ」

「はぁい……」

残念そうにして指輪に戻るラグナル。
コイツをほうっておくのはウェンディに好きにしていいよって言う程危険極まりない。

「デバイスが人間になった…………」

「零治君、君のデバイスを見てみたいのだが、構わないかね?」

「いいけど、先にアギトの事が終わってからな」

『マ、マスター!!それだけは勘弁してください!!』

「あっ、ただメモリーだけは見るなよ」

「了解したよ。ふふ、人になれるデバイスとは心が躍る………」

『マスター!!!』

「俺の許可無しに変身した罰だ」

俺はそう言ってラグナルを指から外し、スカさんに渡した。

「それじゃあ終わったら呼んでください。アギト…………ってアギト?」

アギトは俺の肩に乗ったまま俯いていた。
どうしたんだ?

「なぁ零治……やっぱりナイスバディな女の方がいいのか?私みたいなちんちくりんはダメなのか?私だって人になれるけどあそこまでには………」

何だ、ラグナルに言われた事を気にしてるのか?

「ラグナルに言われた事は気にしなくていいぞ」

「…………だって」

そう言って再度落ち込むアギト。

「それに姿がどうだろうと俺は気にしない。アギトはアギトだからな。だからもう気にするな」

「………うん」

そう言って肩から離れるアギト。

「ありがとう………」

そう言い残して、ウーノさんの元へ向かった。

「………さて俺はリビングで待ってますかね」

俺は取り敢えずリビングへと向かった。






「おかえり、何か飲む?」

「ああ、じゃあお茶をくれ」

リビングに入るとみんな各自くつろいでいた。
ディエチはキッチンにいて何か作っている。その時に飲み物を何にするか質問されたから答えたが……

「何作ってるんだ?」

「ポップコーン」

「そんなのどこで………」

「普通にミッドに売ってるよ」

………知らなかった。
でもダブってても不思議じゃないか。

「はい」

「サンキュー」

コップに入ったお茶を受け取り、俺はソファーに座り込んだ。

「ふう………」

「お疲れだな」

「そう言うフェリアこそ」

フェリアの隣に座った俺だが、フェリアもソファーを背にダレていた。
結構家でもこんな姿を見ないので珍しいな。

「ああ、久しぶりだというのもあるが、ISの使いすぎもあるのかもな」

ああ、ボンバーマンな。
ナイフは投げないけど……

「ISもやっぱり疲れるんだな」

「それはそうだ。魔力でなくとも先天固有技能だからな。レアスキルの様なものだ」

まあそりゃそうか。
使い放題だったらあまりにも無敵過ぎる………

「そう言えばクアットロとトーレさん、ついでに桐谷は?」

「クアットロはトーレが部屋に放り込んでいた。トーレは恐らく自分の部屋で酒を飲んでいるのではないか?桐谷は風呂を堪能してくると風呂に入って行ったぞ」

放り込んだって………扱い酷すぎじゃないか?
それにトーレさん、仕事終わってすぐに酒って…………

桐谷は風呂が好きだから分かるけど。

「はい、チンク」

そこで大きな皿にポップコーンを乗せたディエチがやって来た。
ソファー前に置いてある机に皿を置き、向かい側のソファーに座る。

「ありがとう。………バター味か」

「そ。私はやっぱりこの味が好き」

その後、俺達は雑談をしながら過ごしていた。
彼女が来るまでは…………









さて、ドクターに言われて久しぶりに帰ってきたけど、何?このアジトの変わりよう………

まるでもぬけの殻じゃない…………
私がここを出るときはもっとごちゃごちゃしてた筈だけど。

まあ良いわ。
妹達にも会えるし、新しい妹達にも会えるのがとても楽しみ。

潜入任務が終わるまで帰ってこれるとは思わなかったからね。
バカな男の相手や脳みその世話なんてもうウンザリ。
早く妹分を補給しなくちゃ!!

そう思って私は扉を開けると………

「何よこれ!?」

私は大いに驚いた………










「何よこれ!?」

リビングの扉が開いたと思ったら、いきなり大声を聞いた。
その人物は長い金髪の凄い美人。ここにいるので戦闘機人には違いないだろうが、はて?金髪の戦闘機人なんていたっけ………?

「ドゥーエ………」
「ドゥーエ姉………」

あれ?フェリアとディエチが固まっているけど、どうしたのだろうか?
それにドゥーエって………

「ディエチ〜!!」

驚いていたと思ったら、二人の姿を見て、ディエチに襲いかかった。
いきなりの事でディエチは反応出来ないでいる。

「会いたかったわ〜!!」
「フガフガ(苦しい………)」

ああ、豊満な胸に顔を埋めて羨ましいこと。
でも当人は苦しそうだ。

「さあ、チンク!」

「ひぃ!!」

フェリアがマジで引いてる。

「チンク〜!!」

「きゃああああああ!!」

うわぁ…………
ぬいぐるみみたいに抱きかかえられてるよ。

「相変わらず髪がスベスベで羨ましいわね…………今度はチンクに変身していようかしら………」

「お、お願いだから………放して………」
「あ、あの………」
「あん?」

凄い睨みをきかせた顔で俺を睨んでくるドゥーエさん。
妹と俺への対応が大違いだ………

「良い子良い子………」

「ううっ………」

「しかし胸も中々成長してないわね………でもまたそれがいい!」

「やめっ、触るな………」

ちょっとエロい声になっているのは気にしないようにしよう。
しかし、膝の上にフェリアを乗せて好き放題触り、凄く満足そうな顔をするドゥーエさん。ちゃかり隣にディエチを置いて腰に手を回しておく事も忘れていない。

どちらも顔を赤くして我慢している。

「おお、帰ってたのかドゥーエ」

そんな時、赤い顔をしたトーレさんがやって来た。

「トーレ、久しぶりね。……ってアンタ顔赤いわよ」

「ああ、さっきまで酒を飲んでいたからな。確かこの辺りに………」

そう言いながらキッチンに行き、下から何かを取り出した。

「やはり下に隠していたか………それでは再び酒盛りをするかな」

そう言ってトーレさんは再び自分の部屋に帰っていく。

「トーレって酒なんて飲んだかしら………?」

確実に飲んでいないだろうな。
進めたのは俺なのでちょっと後悔しているんだけど………

「それにこの部屋って………」

やっと最初に戻った。

妹を愛でて、トーレさんが酒を飲んで部屋の異変に気づいたなんて………
この人どれだけ妹LOVEなんだ………

トーレさんは関係ないけどね。

「それにアンタ誰?」

「今更!?」

さっき俺に話しかけてたよなこの人!?
一体どういう目をしているんだよ………

「悪いわね、私男には興味無いの」

そんなの俺の知ったこっちゃ無い。

「それと質問に答えなさい。………あなたは何者?」

「俺は有栖零治、スカさんの親友って所かな」

「正直に言うつもりは無いみたいね………覚悟はいいかしら?」

そう言ってフェリアを撫でていた右腕を顔の前に出し、右手のグローブから親指、人差し指、中指から長い爪を出した。
それを俺に向けてくる。

しかしドゥーエさん、ちゃっかりスカさんに親友はいないって言ってるようなものだよね?

「あの………正直に言ってますし、間違って無いのでその物騒な右腕下ろしてくれませんかね?」

「い・や・よ」

もの凄いいい笑顔で言われました。
この人どうすればいいんだろう………

「ふぅ、いい湯だった………」

「ドゥーエさん、アイツこの前チンクに抱きついてましたよ」

「殺す!!」

「はぁ!?何言って………って誰だこの人!!」

「問答無用!!」

「危な!?っておい誰か止めてくれ!!」

振るった長い爪を避けて、俺に助けを求めるが、当然無視する。
当然、さっきまで捕まっていた2人は反応無し。

「………何をしてるのですかあなたは」

更に追撃しようとしたドゥーエさんをちょうどやって来たウーノさんが声をかけた。

「邪魔をしないでウーノ、私の可愛い可愛い妹に手を出したあの変態男を仕留めなきゃ………」
「はぁ………全くあなたは………」

一回ため息を吐き、

「そこに正座しなさい!!!」

ウーノさんの怒りが爆発した。






その後、正座を知らないドゥーエさんに怒りながら正座を教えて約2時間以上説教をしていた。
その間、俺と桐谷は放心状態になっているフェリアととても疲れた顔をしているディエチの面倒を見ていた。
ディエチはともかくフェリアのダメージがでかかったみたいだ。

ディエチ曰く、チンクはドゥーエのお気に入りで、消える前まではずっとチンクを抱いていたらしい。

取り敢えず、フェリアは桐谷に任せ、俺は説教中であるウーノさんに話しかけることにした。

「あの………ウーノさん?」

「なんでしょうか?今、説教中なので後にして欲しいのですが………」

「この部屋には何しに来たのでしょうか?」

「何しにって………あっ」








「零治ー!!」

ラボに戻ると、アギトが俺の顔にダイブしてきた。
じ、地味に鼻が痛い………

「私に全く慣れてくれなくてね………ハハッ、今度真面目に整形を考えるべきかな………?」

もう相当ショックだったようで、整形まで考えてる様子。
でも隠れるためにもしたほうが良いと思った事は言わないでおこう。
マジでやりそうだからな………

「それはウーノさんの為にやめたほうが良いと思う。それと、アギトはどうだった?」

「複数の薬物の摂取痕、他にも酷い実験後なんかがあったけど、一応治療しておいたよ。後遺症の心配も無し」

「まあ取り敢えずは安心だな」

いつまでも顔にひっついているアギトを肩に移し、座らせる。
それでも首に掴まってるけど、どんだけスカさんが怖いんだよ………

「こ、怖いんじゃねえ!!不気味なだけだ!!」

「ぶ、不気味………」

それを聞いて更に落ち込むスカさん。
今日何回心が折れたんだろうか?

頑張れスカさん…………

「それとこれ………」

そう言ってラグナルを俺に渡した。

『ううっ、汚されました………』

「良かったな」

『良くないです!!』

ギャーギャー騒ぐが、無視しとく。
我慢できなかったらまたスカさんに渡そう。

「そう言えばスカさん、ドゥーエさんがやって来て、場を荒らした後ウーノさんに説教されてますよ」

「ああ、そうだった、呼び出したの忘れてた………取り敢えず私もリビングに向かうよ」

取り敢えず俺達はリビングへ向かうのだった……… 
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