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母の心配

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第一章

                母の心配
 瀬戸優子は茶色の髪の毛を肩の高さでお洒落な感じで切っていて大きな明るい目と濃い眉を持っている、背は一六六程で胸は大きくウエストは引き締まり脚は長い。
 優子には妹がいて年齢は八歳離れている、名前は雅子といって黒髪を左右で縛っていてやや鋭い目であり細面だ。背は一六二位ですらりとしている。姉は父親似の外見だが妹は母親似だと言われている、そして。
 二人は性格等がかなり違っていた、姉は成績はぱっとしないがスポーツが出来て音楽が好きだった。妹は勉強が得意で漫画が好きだった。
 特に妹は絵も上手で母の真子もこう言う程だった。
「もっともっと描きなさい」
「そうしたらいいのね」
「ええ、絵は描けば描く程上手になるからね」
 それでというのだ。
「描いていけばいいわ」
「そうなのね」
「それとお勉強もね」
 彼女が得意なそちらもというのだ。
「どんどんしていけばね」
「よくなるのね」
「お姉ちゃんもいつも身体動かしてるからでしょ」
 姉のこのことも言うのだった。
「それで音楽の本とか読んでギターも持ってるから」
「お姉ちゃんスポーツと音楽がいいのね」
「だから雅子もね」
「絵を描いていけばいいの」
「漫画もね、そうしていけばいいわ」
「それじゃあね」
 雅子は幼い頃から母の言う通りに絵や漫画を勉強の合間に描いていった、そして漫画もよく読んだ。そうして成長していき。
 高校に入った時に入賞した、これには大学を卒業して就職したばかりの優子も驚いた、それで一人暮らしをはじめていたが実家に戻って妹に言った。
「入賞したの」
「うん、週刊少女エイティーンの特賞にね」
「八条出版が出してるあの女性の漫画週刊雑誌ね」
「それの賞に漫画送ったら」
「凄いわね、あんた昔から漫画好きで絵も上手だったけれど」
「ええ、けれどまずはね」
 妹は姉に落ち着いた声で言った。
「高校の三年間はしっかり学校のそれと漫画の勉強をして」
「それでなの」
「大学にも行って」
 そうしてというのだ。
「そうしてからね」
「デビューするのね」
「そうしたいわ」
「そこまで考えてるのね」
「少なくとも今はね」
「すぐにはデビューしないの」
「短編は描かせてもらっても」
 それでもというのだ。
「まだ高校生だし」
「そこまで考えてるのね」
「ええ、漫画部の部活もしてるし」
 このこともあってというのだ。
「今はね」
「しっかり勉強するのね」
「そうするわ」
「あんた真面目に考えてるわね」
「うん、けれど私やっぱり才能あるわね」 
 妹は姉に微笑んでこうも言った。
「高校生で特賞なんて」
「実際にあんたの漫画絵が上手でストーリーもキャラクターもいいし」
「面白いわよね」
「そう思うわ、じゃあ高校の間は勉強して」
「大学に入ったらね、大学は八条大学の芸術学部に行きたいわ」
「そこ私の出た大学じゃない」
 姉は即座に言った。
「私は経済学部だったけれど」
「そうだったわね」
「必死で勉強して入ったわ」
 勉強は苦手だったがそれでもだ。 
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