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新オズのオジョ

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第六幕その七

「実は」
「そうなんですか」
「ええ、何でもお釈迦様みたいな方とか言ってね」
 こうオジョにお話します。
「それでなのよ」
「何もしないんですね」
「私達にはね」
 オズの国一の悪戯者でもというのです。
「不思議とね」
「そうですか」
「もういつも悪戯しているけれど」
 それでもというのです。
「しないわね、ただオズの国の人気者なのよね」
「大人気ですよね」
「そうよね」
「愛される人です」
「悪戯好きでも愛嬌があって気さくであっさりしていてね」
「好かれる性格ですね」
「だからね」
 そうした人だからだというのです。
「あの人はね」
「愛されていますね」
「大人気でね」
「本当にそうですね」
「それがしも実は嫌いではなく」
 悪戯をされる関羽さんにしてもです、
「友人として交流をしている」
「関羽さんもですね」
「左様、悪人ではなく親しいやすいので」
 そうした人だからだというのです。
「そうしている」
「そうですか」
「また会えばな」
 その時はといいますと。
「酒を酌み交わしたい」
「そうなのですね」
「あの御仁は特に桃が好きであるし」
「桃も食べてですし」
「話をしたいものだ」
 こうお話するのでした。
「機会があれば」
「その時はですね」
「またな」
「それでなのですが」
 神宝が関羽さんに声をかけました。
「関羽様これから予定がありますか」
「予定か」
「はい、何かありますか」
「これといってなくてな」
 それでとです、関羽さんは神宝に答えました。
「暫く学問と鍛錬に励もうと思っている」
「そうですか」
「しかし君達は中華街に行くのだな」
「カドリングの方の」
「あちらには孫悟空君達もよく来るし」
 それにというのです。
「梁山泊の諸君もだ」
「来るんですか」
「よくな」
 そうするというのです。
「だからな」
「それで、ですか」
「彼等に会いたくなった」
「それじゃあ」
「一緒に行かせてくれるか」
 中華街までの旅にというのです。
「そうさせてくれるか」
「是非共」」
 オズマはにこりと笑って関羽さんに答えました。
「関羽さんがそうしてくれるなら」
「それでは」
「ええ、ではね」
「宜しくお願いします」
 またです、関羽さんは胸の前で左手を拳にして右手の平に包みました。そうして頭を下げて言うのでした。
「これより」
「それじゃあね」
「うわ、関羽さんがご一緒されるなんて」
 カルロスも驚きました。 
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