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ドリトル先生と牛女

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第五幕その八

「当時チョコレートを使ったお菓子なんて高価だったけれど」
「かなりお好きでね」
「あの時は今位歯を磨かなかったし」
「それじゃあね」
「虫歯になられたのも当然」
「そうだね」
「残念ながらね」
 先生はこうお話しました。
「そういうことだよ」
「そうだね」
「何というかね」
「あの方も虫歯に苦しんでおられたなんて」
「虫歯も深刻ね」
「そうよね」
「だから虫歯が多い分だけね」
 エリザベス一世はというのです。
「あの方は健康でなかったよ」
「そうだよね」
「今だったら歯を磨くしね」
「虫歯の治療もしっかりしているけれど」
「昔はそうじゃなかったし」
「あの方も虫歯が多くて」
「それで大変だったんだ、ルイ十四世の王妃も」
 この方もというのです。
「チョコレートがお好きでね」
「虫歯だったの」
「その方も」
「そうだったの」
「そうだったんだ、とても明るい人だったそうだけれど」
 それでもというのです。
「虫歯にはね」
「苦しんでおられたのね」
「何か本当に虫歯のお話って尽きないね」
「一旦すると」
「そうだね、チョコレートっていうと」
 このお菓子のお話もしました。
「やっぱりお砂糖入れるね」
「そのままだと苦いだけよ」
「カカオだけだと」
「もうもの凄く苦くて」
「それこそお砂糖を入れないとね」
「中々食べられないかも」
「ヒトラーも好きでね」
 ナチス=ドイツの独裁者だったこの人もというのです。
「お肉もお魚も食べない菜食主義者でね」
「しかもお酒も飲まなくて」
「あと煙草も吸わない」
「そんな人だったね」
「それは有名よ」
「その代わりチョコレートが好きで」
 それでというのです。
「甘いもの全体が好きでね」
「じゃあやっぱり虫歯?」
「あの人も虫歯だったんだ」
「それで苦しんでいたの」
「あの人にしても」
「そうだよ」
 ヒトラーもというのです。
「あの人もね」
「独裁者も虫歯だった」
「そうなのね」
「何というかね」
「虫歯のお話って尽きないね」
「今お話した通りに」
「本当に」
 まさにというのです。
「ヒトラーも人間だったんだね」
「虫歯に苦しむとか」
「あれだけ悪名高いけれど」
「それでも」
「まあヒトラーはその政策はともかくね」
 悪名高いそれは置いておいてというのです。 
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