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おっちょこちょいのかよちゃん

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74 文化祭の緊急事態

 
前書き
《前回》
 三河口の提案により藤木と笹山は奏子の引率によってかよ子達と別れる。藤木と笹山は粘土の工作を体験して藤木は笹山と二人で楽しめたと実感する。一方、かよ子達は体育館で演劇部の演劇を鑑賞する。だがその後、三河口やすみ子などが胸騒ぎを覚える。かよ子達の前に石松が現れ、「敵」が来た事を知らされるのだった!! 

 
 かよ子は石松に聞く。
「その相手はどんなの?」
「まだわからぬ。だが、応援としてこちらからもこの者が来てくれた。名はエレーヌという」
「どうも、こんにちわ。私もお力になれるように頑張ります。どうかご共闘を・・・」
 エレーヌという西洋人のような女性が挨拶した。
「あ、はい」
「な、何が起きてるんだい!?」
 藤木は顔も唇も真っ青にして質問した。
「変な奴が攻めて来たかもしれねえんだ」
 大野が答えた。
「へ、変な奴!?」
「ああ、前に変な奴が学校に襲ってきたりしてただろ。そのような奴だよ」
「え、ええ!?」
 藤木は怖がった。
「そうだな、藤木君達は逃げた避難した方がいいな。ただし、藤木君。逃げる時はかず子ちゃんと一緒に逃げ給え。一人で逃げるなよ」
 三河口は藤木にそう告げる。
「え、どういう事だい?」
「君は、この笹山かず子ちゃんが好きなんだろ、彼女を精一杯守り抜けよ!」
「う・・・!」
 藤木は動揺した。
「俺達は叔母さん達や他の皆と合流しよう!策を立てねば!」
「う、うん!」
 かよ子はこの時に備えて杖を持っていておいてよかったと思った。そして、おっちょこちょいをしないようにと気を付けながら。
「奏子ちゃん、かず子ちゃんと藤木君達と一緒にいてあげられるかい?」
「え、うん、いいわ、あ、三河口君・・・」
「え?」
「怪我しないでね・・・」
「う、うん・・・」
 奏子は三河口が兄に暴行された現場を見ていた為、あと彼が好きな事もあったのか気を使いたかったのだ。
「北勢田、濃藤と合流しよう」
「そうだな」
 皆は濃藤とその妹のすみ子を捜した。
「私達はどうする?」
「そうね、一旦校舎の中に行こうか」
 奏子は笹山達を誘導した。
「では、某達も別行動を足らせていただく」
「うん!!」
 石松、エレーヌとも別れた。

 かよ子達はすみ子ら組織「義元」の面々を捜す。
(すみ子ちゃん達も大丈夫かな・・・)
 その時、奈美子達と遭遇した。その旦那や三河口の兄・響もいた。
「あ、隣のおばさん!!」
「まきちゃん、健ちゃん、かよちゃん達も!」
「奈美子ちゃん、大変よ!健君達によるとまた『敵』が来たらしいの!」
「は!?」
 だが響には言っている意味が通じない。
「お前、またくだらねえ事やってんじゃねえだろうな!?」
「じゃあ、お前は一人で文化祭楽しんでやがれ!」
「あ、てめえ!!」
「やめてよ、こんなところで兄弟喧嘩してる場合じゃないよ!!」
 かよ子は思わず制止に振り切った。
「かよちゃん・・・!!」
「お兄ちゃんはくだらない事なんかちっともやってないよ!!今までで何度か私達に協力してくれたし、助けて貰ったもん!三カ月前の大雨の時だって、赤軍の人とかと一緒に戦ってくれたし、東京にいる悪い人を一人でやっつけてたんだよ!!」
「ちっ、こいつめ・・・」
「かよ子、兎に角そのすみ子ちゃん達を捜しましょ」
 かよ子の母は娘に促す。
「うん」
「響、お前はどうする?俺達と『敵』を探すか、それとも下らん事としてほっとくか」
「じゃあ、一緒に探してやるよ、お前が一番危ないからな」
 響は弟に嫌味を言いながら一行に加わった。

 すみ子達もまた捜索に当たっていた。
「すみ子、何か感じるか?」
 山口が聞く。
「うん、とても息が苦しくなるくらい・・・」
「となると、もう近くに奴がいるって事か・・・」
 すみ子の兄はそう推測する。その時・・・。
「濃藤!!」
 濃藤は三河口達が近づいてくるのが見えた。
「ミカワ、北勢田・・・!!」
「今、俺達は異常な胸騒ぎがしているが、お前はどうだ!?」
 三河口は質問した。
「ああ、俺もめちゃくちゃしてる。妹も同じだ!!」
「やはり、『奴』は近くにいるんだな!」
 大野は確認をとる。
「ああ・・・」
 三河口は右の方に視線を向けた。そこに一人の男がいた。
(もしや・・・)
 かよ子は三河口に聞く。
「三河口のお兄ちゃん、もしかして・・・」
「ああ、間違いない、あの男だ・・・!!」
 三河口は作戦を考える。
「大野君と杉山君とブー太郎とまるちゃん、君達はあの男の後ろに回ってくれるかい?」
「あ、ああ・・・」
 杉山達は三河口に従いながらこちらに近づきそうな男性の裏に回った。
「北勢田、濃藤、俺達でゆっくり近づこう。そしてかよちゃん達、『武器』の用意を忘れるなよ」
「うん・・・!!」
 かよ子は杖を見られないように手を忍ばせた。あの男は日本赤軍のメンバーか、それとも異世界からの刺客なのか・・・。
「あの、そこのおじさん」
 三河口は一人の男性に声を掛けた。
「何だ?」
「ようこそ文化祭にお越しいただきありがとうございます。ところで俺は貴方に近づくと、胸騒ぎがするんですけど、この前は、たしか貴方オランダにいた筈じゃないですか?」
「お前こそ、俺がお前らとそこのガキどもを知らんとでも思ってんのか」
「いえ、だってアンタ日本赤軍でしょ?西川純(にしかわじゅん)って」
「てめえ、やっぱり!!東京で日高を襲った高校生だな!!」
 西川純と呼ばれた男は拳銃を突き出す。だが、急に巨大な蔓が現れ、西川を巻き付けた。
「ナイスだ、大野!」
 大野が草の石の能力(ちから)を行使した。
「さて、降参してもらおうか。出なきゃ、今度はその蔓に炎を付けてバーベキューにするぞ!」
「そ、それはどうかな・・・?」
「何?」
 その時、爆発音が聞こえた。多くの「ワーー!!」「キャーー!!」という悲鳴が聞こえた。かよ子は振り向いた。模擬店の調理用のコンロのガスボンベが急に爆発した。三河口のクラスの焼き鳥店も含まれている。
「ど、どういう事!?」
 かよ子はこれはただの事故ではないと察しがついた。その時、すみ子が更なる吐き気がするくらいの胸騒ぎがした。
「て、敵は、他にもいるわ・・・!!」
「何だって!?」
 かよ子は見回した。混乱となる模擬店コーナーの中でコソコソと逃げた男がいた。
「み、水はオイラが消すブー!」
 ブー太郎は動こうとする。
「だめだ!!あれはガスボンベを使った火だ。水じゃ消えないし、寧ろもっと燃え広がる!!」
 三河口が制止する。
「ど、どうしよう・・・!!」
 かよ子は焦る。
「水がだめなら土で消す!」
「そうだ、ヤス太郎、お前、土を使う玉あったよな!」
 川村がヤス太郎に確認する。
「ああ、そうだったでやんす!『土玉』行くでやんす」
 ヤス太郎は土玉をパチンコで放った。1個のみならず幾度も連発する。
「かよちゃん、ここに石がある!」
 三河口は石をかよ子に投げた。
「これで石の能力を得てヤス太郎を援護するんだ!」
「うん!!」
 かよ子は石に杖を向けた。ヤス太郎が土によって火を弱めた部分に向かい、かよ子も石や砂などを作り出して消火を急いだ。火は弱まっていった。
「それだけで『俺達』を止められると思うなよ・・・」
 西川は苦し紛れに笑った。
「何!?」
 かよ子達は他の客達、先程別れた笹山や藤木などの安否がより心配になった。

 校舎の窓から奏子達は模擬店コーナーの炎上を見ていた。
「山田さん達、大丈夫かしら・・・」
「大丈夫よ、私の友達もいるんだから・・・」
 その時、校内でも悲鳴が聞こえた。
「何!?」
「ひ、ひいい~!!」
 藤木は恐怖で震えた。笹山も恐怖で動けなくなる。
(まさか、こっちにも変な人が・・・!!)
 その時、銃弾のような物が遠くの壁に刺さった。奏子は確認して見ると尖った金属の破片だった、多くの人が逃げ、その後には男が一人いた。
「な、何、貴方は!?」
「俺は、日本赤軍だ。我々の計画を邪魔する奴等を抹殺しに来た。ほう、この娘、人質に良さそうだな」
「お、お姉さん!!」
(み、三河口君、助けて・・・!!)
 奏子も足がすくむ。男は手に仕込んだ金属の破片を奏子に投げて襲い掛かった。 
 

 
後書き
次回は・・・
「祭中のテロ」
 奏子、笹山、藤木を襲撃するもう一人の日本赤軍の構成員。模擬店コーナーの火災を消し止めたかよ子達は三河口が西川を尋問している間にもう一人の赤軍を追い、そして対峙する・・・。 
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