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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十話 鑑定の結果その七

「それこそ」
「そうだね、人を恨むってね」
 こうしたことをしてしまう人は多い、けれどこのこと程はいいことじゃない、むしろかなり悪いことだ。
 それでだ、僕もこう言った。
「悲しいことで嫌なことでね」
「そうでしょ、だからね」
「それでだね」
「私だって嫌だしね」
「詩織さんもだね」
「そうなの、だからね」
 それでというのだ。
「義和は恨まないから」
「じゃあ」
「選んでね」
「そうするね、言われてみれば」
 僕はここでこれまでのことを振り返った、そのうえで香織さんに言った。
「八条壮の皆とは色々あったけれど」
「それで仲良くなっていったわね」
「どの人も縁があってね」
 そうしてだ。
「交際をはじめていってるけれど」
「私と詩織はね」
「僕をだね」
「見ていたのよ」
「そうだったわね」
「それで最近になって気付いたの」
 僕を真剣な顔で見つつ言ってきた。
「自分の気持ちに」
「僕への感情が」
「友達と思っていたけれど」
 それがというのだ。
「実はね」
「違っていて」
「それでね」
「誘いをかけてくれたんだね」
「義和はどう思ってるかわからないけれど」
 それでもというのだ。
「嫌じゃなかったらね」
「うん、それじゃあ」
「選んでね。二人共嫌なら」
 その時はというと。
「義和がそうした気持ちがないなら」
「断れっていうんだね」
「やっぱりね、こうしたことって両方が想ってよね」
「うん、それはね」
 僕も思うことだ、お互いが想っていてこそ恋愛は実って育っていく。片思いからもう片方が応えることがあってもずっと片方だけだと実らないし育たない。
「僕もわかっているつもりだよ」
「だったらね」
 それならというのだ。
「お願いね」
「それじゃあね、あと僕は恋愛では遊ばないから」
「そうなのね」
「女の人自体とね」
 相手は一人でいたい、それが僕の考えだ。
「その辺りは親父と違うから」
「そうなの」
「親子だけれど」
 このことは少し笑って話した。
「そこはね」
「違うのね」
「親父は本当に特別だから」
 桁外れの女好きだからだ。
「だからね」
「義和は違うのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「そうしたことはね」
「しないのね」
「女の人と遊ぶことはしないし」
 女遊びというと言葉が悪いと思ってこの言葉を使った。
「それで浮気もね」
「しないのね」
「本当に好きな人と」
 その人とだけだ。
「交際していこうってね」
「考えているのね」
「そうなんだ」 
 こう香織さんに話した。 
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