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新オズのオジョ

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第二幕その十

「それでなのよ」
「だからですか」
「それで、ですか」
「モーツァルトさん作曲だけじゃないんですか」
「ピアノも弾くことが出来て」
「指揮も出来るんですね」
「そうよ、モーツァルトさんが作曲した作品をモーツァルトさん自身が指揮するの」
 そうするというのです。
「凄いことでしょ」
「夢みたいですね」
「物凄いお話ですね」
「そんなこともあるなんて」
「流石オズの国ですね」
「お伽の国ですね」
「そう、お伽の国だから」
 まさにそれが為にというのです。
「そうしたこともあるのよ」
「オズの国は外の世界とは全く違うっていうしね」
 オジョも五人に笑顔でお話します。
「だからね」
「こうしたこともですね」
「普通にあるんですね」
「オズの国だから」
「そういうことですね」
「外の世界と違うんですね」
「そういうことなんだ、だからその機会があったら」
 モーツァルトさん自身が指揮するモーツァルトさんの作品を聴くこともとです、オジョはお話しました。
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「夢みたいなお話ですよね」
「そんなことを見られるなんて」
「それじゃあその時は」
「心からそうさせてもらいます」
「是非共ね、じゃあさらに先に行こうね」
 オジョは皆の先頭に立ってでした。
 皆を案内してくれます、すると今度はです。
 前から四匹の虎が来ました、二匹は大きくて二匹は小さいです。神宝達五人はその彼等を見て一瞬驚きましたが。
 すぐにです、こう言いました。
「ああ、オズの国だから」
「別に襲われないね」
「例え虎でもね」
「だから別に怖がらなくてもいいわね」
「考えてみれば」
「はいーー驚かれるーーことはーーありまーーせん」
 チクタクも五人に言います。
「外の世界ーーではーーないですーーから」
「そうだよね、虎はね」
 神宝がチクタクにお話します。
「外の世界じゃ凄く怖いね」
「猛獣ーーですーーね」
「だからね」
 それでというのです。
「怖いって思ったけれど」
「襲われーーないーーので」
 オズの世界ではというのです。
「安心してーー下さい」
「腹ペコタイガーさんと同じだよ」
 見ればボタンも驚いていません。
「だからね」
「怖がらなくてだね」
「普通に進んでいけばいいよ」
「そうなんだね」
「僕虎もライオンも怖いと思ったことないよ」
「オズの国だからだね」
「外の世界のことは殆ど知らないけれど」
 それでもというのです。
「虎はね」
「怖がることはないね」
「そうだよ」 
 全く、というのです。
「だからこのまま行こう」
「それじゃあね」 
 神宝はボタンの言葉にも頷きました、そうしてです。
 前から来る虎達に向かいます、お互いに自然に道を開けます。ここでお互い左通行になりますがこの時もです。
 ふと五人は気付いたお顔になって言いました。 
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