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魔法科高校の氷の異能者

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始まり

 四葉家。
 十師族の中で最強といっても過言じゃない。
 だが、彼らが住まう土地は、すら高名な土地神が住まう土地だ。
 その土地を守護せし、一族が存在する。
 その一族は氷川家。
 魔法師としての歴史は1000年近くの歴史を誇る名家だ。
 彼らが使用する魔法は水と氷を扱う。
 元より、水と氷を扱いこなせる異能力者を輩出している。
 俺は、その家の6男にして、父さんが認めた次期当主筆頭候補だ。
 何でも、父さんは、「彼こそが次期当主筆頭候補に相応しい」と、分家や兄さんたちの前で表明した。
 
 四葉家と氷川家の関係は対等で、四葉からの依頼を受けている魔法大家だ。
 氷川家は四葉の分家にも対応できない案件を依頼を受け、四葉家は氷川家にしかできない案件を依頼するという関係。
――――――――――――――――――――――

 そして、舞台は魔法大学附属第一高校から始まる。
 季節は春。
 入学式の日。
 俺は四葉家の次期当主となり得る司波深雪と彼の兄である司波達也と一緒に第一高校に入学する。
 本来なら、式が始まるのは2時間も後になるのだが、深雪は新入生総代であるため、かなり早めの登校をしている。
 あっ、忘れていた。
 俺の名は氷川蒼汰。
 氷川家の次期当主。
 深雪のガーディアン的に立ち位置にいる。
 まあ、深雪は、それを認めていないけど――。
 それよりも今は
「納得いきません」
 見目麗しいく愛らしい少女が兄である達也に不満げに口を開く。
「何故、お兄様が補欠なのですか? 入試の成績はお兄様がトップだったじゃないですか! 本来なら、私ではなくお兄様が総代に・・・・・・()()()()もそう思いますよね!?」
 俺に話を振るか。
「普通の高校だったら、そうだけど――。ここは()()()()()だ。入試はいわば、前提知識として捉えてもいい。本旨は実技に趣を置いている以上。今の方針では仕方ない。()の方針では――」
 俺は激しい口調で言う少女――深雪に冷静な口調で宥める。
 あと、なんで、俺に話を振る。
 兄妹なんだから。水入らずに話せよ。
 まあ、この2人を兄妹と判断するのは普通だったら、おかしいな。
 似ていないからな。この兄妹は――。
 妹の深雪の方は10人が見たら、10人が一目を置き、目を惹く可憐な少女だ。
 だが、兄――達也の方は取り立てても良いところがない平凡な容姿だ。
 それよりも、
「俺としては今の学校の方針でよく受かったのが不思議に思える」
「俺も合格通知が来たときは同じことを思ったよ」
 俺の意見に達也も同意する。
――――――――――――――――――――――

 あっ、言い忘れたが、俺の容姿は美少年だ。
 黒よりの藍色の髪の毛に女の子と思わせる容姿の少年だ。
 俗に言う男の娘。
 まあ、この容姿のせいで、深雪によく着せ替え人形をされたがな。
 あと、左もみ上げに銀色のメッシュをしている。
――――――――――――――――――――――

 おっと、話を戻して――。
「そんな覇気のないことでどうしますか! 勉学も体術も魔法知識もお兄様以上の者がいないというのに――! 魔法だって本当なら――」
 達也の弱気な発言に深雪が叱咤しようとするも
「深雪!」
 達也がそれ以上、言ってはいけないよう強い口調で名前を呼び、遮った。
 深雪も「ハッ」となり、口を閉ざした。
 俺も
「深雪。先も言ったろう。今の方針じゃあ、魔法技能基準じゃあ、誰がどう言っても評価されない」
「蒼汰くん・・・・・・」
 俺は深雪を諭すように言う。
 項垂れた頭にポンと手を置き、艶やかで癖のない長い黒髪を撫でる。
 俺の正論に返す言葉もなく、深雪は抱えた腕に無意識に力を込めた。
「だが、まあ、深雪の言い分もわかる。達也が二科生なのは、俺も仕方ないことだが、達也の技術は一高でもトップクラスだろう。十分に役立てるはずだ。人には分野ごとに得手不得手がある。俺や深雪にできない部分は達也が出来、逆に達也ができないのは俺たちにはできる。それだけの話。まあ、達也が出来るところで何かを成せば、変わるものがあるかもしれない」
「本当にそう思っているのか?」
「俺は幼馴染み、親友を無碍にしないし、過小評価しない」
「蒼汰は大概、俺に過大評価しすぎだ」
「達也はもう少し自信を持ってもいいんだと思うんだ。そう思わないか、深雪?」
 俺は深雪に話を振ると
「そうです!! お兄様はもう少し、自分に自信を持つべきです!!」
 見ろよ、深雪も俺に賛同している。
 これには達也もため息を吐いてしまう。
 まあ、それよりも
「それよりも、深雪。そろそろリハーサルの時間じゃないのか?」
「そうですね。それでは、蒼汰くん。お兄様のことをお願いします」
「ああ、任せておけ」
 なにをお願いするかは知らないけどな。
 深雪は俺の腕から離れて、俺にお願いを言ってから講堂に向かった。
 入学式のリハーサルを行っている講堂へ入っていった。 
 

 
後書き
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