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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第12話『決戦の日』

「どうして自らソウルジェムに穢れを溜め込むのですか!」
「うるさい!あんたには関係ない!これは私の問題!」
「こうしていりゃあ、その変な術も使えないんだろう。」
「まどか、やっぱり、あいつの言うとおりだった。」
「ここは今や仮面ライダーの世界の一部となっているんだ。ここはこう言うべきかな。さあ、実験を始めよう。」
「美樹さやかの魂は死んだ。今の私はファントムのマーメイドだ!」
さやかの肉体はファントムのマーメイドに変貌する。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える。─

「皆さん、見つけました。おそらく、願いの魔女は近くに来ています。」
結界が無くなったことで、フェイトの索敵魔法は正常に機能し、願いの魔女の消息を探知した。
「行くか。」
晴人達はフェイトの案内について行き、願いの魔女の所にたどり着く。
「こいつを倒せば、全ての魔女を倒したことになるのね。」
「はい。」
「さあ、始めるか。」
晴人達は変身し、不死鳥のような巨大な怪物、願いの魔女に立ち向かう。
「キャハハッ!」
願いの魔女は使い魔を呼び出す。
「晴人さん達は使い魔を。魔女本体は私が対処します!」
[haken form]
フェイトはバルディッシュをハーケンフォームに変える。
[haken saber]
「ハーケン…セイバー!」
フェイトは斬撃魔法を放ち、使い魔達を蹴散らしながら願いの魔女に向かってゆく。
「おい、ズルいぞ!」
ビーストは文句を言う。しかし、
「仁藤、フェイトちゃんは俺達の為に本体を叩きに行った。魔女を倒したら次は朱雀とゴルゴンが待っている。」
ウィザードは冷静に説明する。
「あっ、そうか。頑張れよ!」
ビーストは納得し、魔力を使わない戦い方で使い魔達を倒してゆく。
「サンダーブレイド!」
フェイトはサンダーレイジの発展型の魔法を放つが、願いの魔女は軽々と避ける。
「行こう、バルディッシュ。ソニックフォーム!」
[sonic drive.get set.]
フェイトはバリアジャケットをソニックフォームに換装する。
「プラズマランサー!」
フェイトはプラズマランサーを放ち願いの魔女を攻撃しようとする。
「キャハハッ!」
しかし、願いの魔女は炎の竜巻を展開してプラズマランサーを焼き払ってしまう。
「向こうも苦戦しているみたいだ。仁藤、一気に片をつけるぞ!」
“コピー…プリーズ…”
ウィザードは分身して使い魔達の撃破に向かう。
「攻撃パターンは読めた。サンダーレイジ!」
フェイトはサンダーレイジを放ち、願いの魔女は避けることが出来ずに攻撃は直撃。飛翔していた願いの魔女は落下する。
「行こう、バルディッシュ。」
[zanber form.]
フェイトはバルディッシュをザンバーフォームに変える。
「雷光一閃!プラズマザンバー!」
フェイトは最大級の砲撃攻撃を願いの魔女に放ち、願いの魔女を撃破する。それと同時に結界は崩壊する。
「さて、これで邪魔な魔女は全て倒した。仮面ライダー、次はお前達だ。」
朱雀は大剣を出現させる。
「そうだな、そういう約束だった。」
“ドライバーオン…プリーズ…”
“ドライバーオォン!”
一度変身を解除していた晴人達は再びドライバーを出現させる。
「変身!」
“イィィンフィニティー!プリーズ!”
“ハァーイパー!ゴー!”
晴人はウィザード インフィニティースタイルに、仁藤はビーストハイパーに変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
「さあ、ランチタイムだ!」
ウィザードは朱雀と、ビーストハイパーはゴルゴンと交戦する。
「晴人さん、仁藤さん、幸運を祈ります。私は、今回の情報を調べてみます。」
「オッケー。頼んだぞ。」
フェイトは戦場を離れ、次元保護国警察庁に集めたデータのやりとりを始める。
「あらあら、ワイルドな男は好きだけど、ちょっとがっつきすぎよ!」
ビーストハイパーはミラージュマグナムから弾丸を放つがゴルゴンは槍、フォールダウンでその弾丸を弾き落としてゆく。
「それがどうした!キマイラも久しぶりの狩りで楽しんでいるんだ!」
それでもビーストハイパーは躊躇うこと無くミラージュマグナムを撃ち続ける。
“チョーイイネ!フィニッシュストライク!サイコー!”
ウィザードはフィニッシュストライクウィザードリングを使い、インフィニティードラゴンゴールドにスタイルチェンジする。
「これでどうだ!」
ウィザードはドラゴクローで朱雀を引き裂き、ドラゴテールでなぎ払い、朱雀をビルに叩きつける。
「魔法使いのくせに、随分と力技なんだな。」
朱雀は蹌踉めきながら立ち上がると炎でその身を焼き払って回復する。
「そういえば、それがお前の力だったな。」
ウィザードは朱雀と空中戦を繰り広げる。
「リンディ長官、これが今までの魔女の出現地です。何か解ることはありますか?」
フェイトはウィザードの世界に現れた魔女についての情報を纏めた資料をリンディに見せる。
『ありがとうフェイトさん。資料は解析班が総出で調べているわ。それで、一つ気になることがあるのよね。』
「気になることですか?」
『今まで現れた魔女の出現地点、その全てが海鳴市の付近なのよ。』
「海鳴市ですか?」
『そう。本来ならこの世界に存在していないはずの海鳴市。』
「どういうことですか?」
『海鳴市は、本来私達の世界の固有の土地で、他の世界には存在していないはずなの。』
「気付きませんでした。」
『仕方ないわ。自分達の世界にその地名があれば、他の世界にあっても疑問に思わないのが普通よ。』
「申し訳ありません。それにしても、海鳴市でないといけない理由…っ!リンディ長官、一つ気になることがあります。」
『何かしら?』
「私達、と言っても雅の世界から、何か無くなったものってありませんか。海鳴市や、海辺付近で。」
『フェイト刑事、ビンゴです。数日前、海鳴市の海底から闇の書の闇の残骸が何者かによって盗まれていました。』
『そう、わかったわ。フェイトさん、聞こえていたかしら。』
「はい。海鳴市と聞いて、もしかしたらと思いましたが、キュゥべえの狙いはおそらく闇の書の闇を復活させることかもしれません。」
『なんやて!?リンディ長官、私も現地入りします。リィンフォースを静かに眠らせてあげたいんです!』
モニター越しにはやてが言う。
『解りました。闇の書の対策なら、はやてさんが適任です。出動を許可します。』
『解りました。次元保護国警察庁警部、八神はやて、行きます!』
はやてはウィザードの世界に転送される。
「ほらほら坊や!さっきまでのがっつき具合はどこにいったのかしら!」
ビーストハイパーはゴルゴンの巧みな槍捌きに苦戦する。
「なめんなよ!」
“4!ハイパー!セイバーストライク!”
ビーストハイパーはダイスサーベルにハイパーウィザードリングをセットし、動物達を召喚してゴルゴンを攻撃するが、
「その程度じゃなめられても文句言えないわ!」
ゴルゴンは頭部の蛇を展開して動物達のエネルギーを破壊する。しかし、
「こっちが本目だ!さあ、メインディッシュだ!」
その隙にビーストハイパーはゴルゴンの懐に潜り込んでミラージュマグナムをゴルゴンの腹部につきつける。そして、
“ハァーイパー!マグナムストライク!”
ビーストハイパーは必殺砲撃のシューティングミラージュを放ち、ゴルゴンを撃破。ゴルゴンの魔力はビーストキマイラによって捕食される。
「あっちも片がついたみたいだな!」
ウィザードは胸部のドラゴスカルで朱雀の翼に噛みつき、朱雀は落下する。
「こいつでどうだ!」
“ハァイハァイハァイハァイハァイタッチ!プラズマシャイニングストライク!キラキラ~!”
ウィザードは下降しながらアックスカリバーを用いた必殺技を発動。アックスカリバーを魔力で遠隔操作して朱雀を切り裂こうとするが、朱雀も負けじと大剣、アポカリプスを用いてアックスカリバーを弾き落とす。
「これで、フィナーレだ!」
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
ウィザードはすかさずブリザードウィザードリングを発動。ドラゴスカルから放たれる冷凍光線によって朱雀は凍結し、ウィザードの切り返しのアックスカリバーによってその体は砕け散り、回復させることなく撃破される。
「フェイトちゃん、そっちはどう?」
晴人達は変身を解除し、フェイトと合流する。
「今、こちらから増援を呼びました。多分、近いうちに来ます。」
フェイトが話していると、
「フェイトちゃん、お久しぶりやな。」
はやてが手を振りながらやってくる。
「はやて、久しぶり!」
フェイトははやてを迎え入れる。
「その子がフェイトちゃんの言っていた増援?」
晴人は質問する。
「初めまして、次元保護国警察庁警部、八神はやてと申します。今の所は、フェイトちゃんの上司ってことになります。」
「今の所?」
「はい。フェイトちゃん、近いうちに検察官に転職するんです。」
はやては晴人の質問に答えると、すぐに表情を変える。
「それで、事情はテスタロッサ刑事から聞いています。キュゥべえは、この世界に存在しない海鳴市を作り出して海域に今から8年くらい前に倒した闇の書の闇の残骸を転送。その残骸で何か悪さを企んでいる。そこまでは情報が来ています。」
はやては事情を説明する。
「お見事。さすがはあの凪風雅が率いている次元保護国。そこまで調べたなら、わざわざ隠す必要も無いね。だけど、これには気付かなかったみたいだね。」
そこにキュゥべえが現れ、キュゥべえは公安0課で保管していた、既にキマイラが魔力を捕食しきり空っぽの器になっているグリーフシードを見せる。
「どういうことだ!何故お前がそれを!」
晴人はウィザーソードガンでキュゥべえを撃つが、新しいキュゥべえが現れる。
「グリーフシードは本来僕達の世界のものだ。回収させてもらったよ。それからありがとう、フェイト・テスタロッサ。君がこの世界に来てくれたおかげで、必要なものは回収出来た。」
キュゥべえはそう言うと、グリーフシードの中にフェイトが使った魔法の残留魔力を収集する。
「なるほど、最初からフェイトちゃんの魔力が狙いか。」
「別に、闇の書の闇に順応出来る魔力なら誰でもよかった。勿論、見滝原で雅が使った残留魔力も回収させてもらったよ。それだけなら、別に僕達の世界で事足りる。それで、ここからが本題だ。この世界にある闇の書の闇、魔女の力を残しているグリーフシード、そしてそろそろここにやってくるワルプルギスの夜。これらを使って最強のファントムを作り出す。」
「ファントムだと!?」
「それはあくまでも通過点さ。別に僕はそんな無駄だことに興味はない。僕達の目的は、そのファントムを使ってこの星を一つのエネルギー炉にすることさ。この星の感情のエネルギーを効率良く使えば、宇宙はあと数兆年は維持出来る。君達的に言えば、それだけ親孝行が出来るんだ。」
「そんなことのために、魔女も、ファントムも、俺達も利用していたのか!」
「一体何が問題なんだい?僕はただ、エネルギーにすら変えず、無駄に無くなる命をエネルギーに変えて宇宙の存続に死力を尽くしているんだ。批判される筋合いでは無いはずだ。とにかく、ワルプルギスの夜を倒せない君達では、この計画を止めることなんて、できないだろう。せいぜい頑張るんだ。」
キュゥべえはそう言うと去って行く。
「最初から、全部計算通りだったってことか…」
事件は、核心に迫ってゆく。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「お前、知っていたのか!」
「ああなったら、もう無理だ。」
「無駄遣いされるのは迷惑だ。」
「何が正しいか、ではありません。」
「独りぼっちは寂しいもんな…いいよ、一緒にいてやるよ。」
次回『君のしたいことを』 
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