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八条学園騒動記

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第五百八十四話 何もない様にその四

「若しこうした人がクラスで不通に振舞っていたら」
「周りも酷いってこと?」
「ほら、類は友を呼ぶっていうね」
 同じレベルの人間で固まるということだ、高尚な人間は高尚な人間で集まるがその逆もまた然りなのだ。
「世の中って」
「それ言うわね」
「それでね」
「質の悪い人とはね」
「質の悪い人が付き合うから」
 そうなるからだというのだ。
「それでね」
「そうした人がクラスで普通だったら」
「そのクラス自体がね」
「酷いってことね」
「そうなるかもね」
「嫌なクラスね、そのクラス」
 アロアは中川の評判から言った。
「もう近寄りたくないわ」
「僕も同じだよ」
「ヤクザ屋さんはヤクザ屋さんだけで集まるけれど」
「そうした嫌われ者もね」
「嫌われ者で集まるのね」
「そうしたものなんだろうね」
 世の中はというのだ。
「実際ヤクザ屋さんってね」
「ヤクザ屋さんで集まるわね」
「質の悪い人達が」
 まさにというのだ。
「集まるから」
「そうした人と付き合えるのなら」
「同じ様なレベルの人だよ」
「そういうことね」
「まあB3組はそうしたクラスでなくて」
 質の悪い人間が多いクラスでなくてというのだ。
「よかったと思うよ」
「そうした人が普通に嫌われる」
「そうしたクラスでね」
「じゃあ吹奏楽部も」
「嫌な奴が嫌われないのなら」
 世間でそう言われる様な人間がというのだ。
「やっぱりおかしいよ」
「そういうことだね」
「そしてそうなったら」
「そうなったら?」
「その場所はおかしくなるよ」
 おかしいことがおかしくない、そうした場所はというのだ。
「世紀末な世界みたいに」
「ああ、核戦争の後とか」
「そうした世界だってね」 
 そこもというのだ。
「そうだね」
「もうモヒカンとかがバイクで暴れ回ってるけれど」
「それが普通になってるね」
「そうした世界は確かに」
「おかしいね」
「そうね」
 アロアも頷いた。
「もうね」
「おかしいことをおかしいと言える社会はいいんだ」
「おかしいことがあっても」
「それがおかしくなくなったら」
 その時はというのだ。
「もうね」
「その場所こそがおかしくて」
「もうそうしたところからは出来るだけね」 
 それこそというのだ。
「避けないとね」
「駄目なのね」
「僕はそう思うよ」
「成程ね」
「この学校も」 
 八条学園自体もというのだ。 
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