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八条学園騒動記

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第五百八十三話 文化祭スタートその八

「私達が今飲んでるのじゃないわね」
「これはシヴァ家の人間が飲むもので」
「お店には出していないのね」
「出そうとしましたら先生に止められました」
 担任である彼女にというのだ。
「文化祭の喫茶店で出すには高価過ぎると」
「実際にこの味だとね」
 ウェンディは納得した顔で頷いた、そうしつつその特別な紅茶を飲んでそのうえでセーラに話した。
「もう王侯の味だから」
「それで、ですね」
「とてもね」
「文化祭の喫茶店には出せないですか」
「そいうか普通のお店にもね」 
 街の喫茶店にもというのだ。
「出せないわよ」
「そうですか」
「高価過ぎてね」
 その為にというのだ。
「とてもね」
「そうですか」
「ええ、それでシヴァ家が経営している企業のなのね」
「市販のティーパックとです」
「ミルクね」
「その二つをお出ししています」
「そうよね」
「はい、先生はです」
 マリア、彼女はというのだ。
「このお茶を飲んですぐに言われました」
「お店には出せないって」
「その様にです」
 まさにというのだ。
「言われました」
「私もそう言うわよ」
「お店には出せない味ですか」
「まず過ぎても駄目で」
 店に出す味はというのだ。
「美味し過ぎてもね」
「駄目ですか」
「こんなの一杯一テラじゃ済まないわよ」 
 この店の紅茶の金だ、ワンコインである。
「普通に百倍はね」
「百テラですか」
「もう百テラなんてね」
 それこそとうのだ。
「紅茶の値段じゃないわよ」
「成程、そうですか」
「ええ、というかセーラそのことは知らなかったのね」
 ウェンディはこのことを今実感した。
「そうなのね」
「連合の市場経済でしょうか」
「というか物価ね」
 これの話だというのだ。
「紅茶は街の喫茶店だと四テラ位で」
「こうしたお店では一テラですか」
「そうよ」 
 そんなものだというのだ。
「大体ね、というかマウリアの物価は」
「お嬢様はご自身でものを買われたことはありません」
 ラメダスが言ってきた。
「そうしたことはです」
「ラメダスさん達がするのね」
「家の者が」
 仕えている者達がというのだ。
「させて頂いています」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのだ。
「市場に出られたことはありますが」
「買ったことはなの」
「ありません」
 一度も、そうした言葉だった。
「ご自身でカードを持たれたことも」
「王族の方ならです」
 ベッキーも言ってきた。
「そうしたことは」
「ああ、しないわね」
「それは連合でもですね」
「王族は特別だからね」
 勿論皇室も同じだ。 
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