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ドリトル先生と牛女

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第一幕その一

               ドリトル先生と牛女
             第一幕  神戸の妖怪
 この日先生のお家にお静さんが来ていました、今も普通に着物を着て猫の姿で先生とちゃぶ台を囲んでお話しています。
 そこで、です。お静さんは先生に言いました。
「先生は妖怪にも詳しいわね」
「日本の妖怪にもだね」
「かく言う私も妖怪だしね」 
 その二本の尻尾を振りながら言います。
「猫又だしね」
「うん、それにイギリスはね」
 先生の生まれたお国はといいますと。
「妖精と幽霊の国でね」
「それでよね」
「そうしたお話にはよく触れていて」
「知ってるわね」
「よくね」
 そうだというのです。
「そのつもりだよ」
「そうね、日本の妖怪も多いでしょ」
「そうだね、幽霊のお話もかなり多いけれどね」
「妖怪もね」
「お静さんみたいな猫又もいるし」
 まずはお静さんを見て言います、一緒にお茶を飲んでお饅頭を食べながらお話をしている彼女をです。
「河童に一つ目小僧、塗り壁に一反木綿に」
「多いでしょ」
「から傘、砂かけ婆、子泣き爺に呼ぶ子とね」
「何か結構挙げていくわね」
「日本は妖怪のことを勉強しやすくて」
 それでというのです。
「すぐに知ることが出来たよ」
「妖怪の本も多いしね」
「幽霊の本もね、日本には」 
 先生はさらにお話しました。
「漫画家さんで凄い人がいたからね」
「ああ、あの人ね」
「うん、水木しげる先生がね」
 この人がというのです。
「本当に妖怪について凄かったから」
「先生が見てもなのね」
「日本だけじゃなくて世界の妖怪にも詳しくて」
「あの人はそうだったわね」
「世界一の妖怪学者と言ってもね」
「いいのね」
「そう思うよ、もう妖怪のことなら」 
 それこそというのです。
「誰にも負けていないよ」
「そこまでの人よね」
「うん、だから」 
 それでというのです。
「あの人の本を読んでね」
「妖怪のことを勉強しているのね」
「幽霊のこともね」
「それで先生も詳しくなって」
「それでね」 
 そのうえでというのです。
「今もね」
「勉強しているのね」
「勉強は一生だしね」
 そしてというのです。
「妖怪のことはこれからもね」
「学んでいくのね」
「そうしていくよ」
「そうなのね、じゃあね」
 お静さんは先生のそのお話を聞いてこう言いました。
「牛女のことは知っているわね」
「この神戸、六甲の方にいる妖怪だね」
「やっぱり知っているのね」
「いるとは聞いているけれど」
「実際にいるのよ」
「そうなんだ」
「ええ、そしてね」 
 お静さんは先生にさらにお話します。
「あそこで元気にしているわ」
「そうなんだね」
「よかったら会ってみる?」
 その牛女にもというのです。 
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