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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その十五

「大学とかそうした世界は」
「一生関りがないな」
「そうですよね、本当に」
「高校出たのが精々だからな」
 アブクールはハーディン以上に笑って言っていた。
「俺なんか特にな」
「そういえば軍曹さっき」
「ああ、とんでもない馬鹿高校出身って言ったな」
 自分から言うアブクールだった。
「これが本当に偏差値が低くてな」
「それで、ですか」
「俺はその中でも特に悪かったんだよ」
 その高校の中でもというのだ。
「高三のテストが小学校の問題でな」
「それ嘘ですよね」
「嘘じゃないさ、三年位の問題だったな」
「そんな学校あるんですか」
「俺が通ってた高校だよ」
 まさにそれだというのだ。
「本当にな」
「そうした高校あるんですね」
「凄いですね」
 ハーディンも話に入ってきた。
「俺はちょっとそうした高校は」
「俺もだよ」
「全然知らなくて」
「あるとかな」
「俺普通の高校で普通に高校の問題出てました」
「俺のところ結構な進学校だったからな」
 普通に大学に行くだけあってというのだ。
「高二で高三の問題やってたぜ」
「それは凄いですね」
「ああ、俺も国立目指してるしな」
「本当の進学校ですね、それだと」
「そうなるか?」
「そうですよ、まあ進学校はです」
 それはというと。
「何処でもそうですよ」
「オムダーマンでもか」
「国立行く位になりますと」
「それも普通にか」
「進学校ですよ」
 そう言っていいというのだ。
「やっぱり、実際上等兵行く大学は」
「ああ、国立な」
「そこお考えですね」
「実は入学は決まってるんだ」
 それはというのだ。
「入試合格してな」
「大学は休学で」
「入学式は出てな」
 それでというのだ。
「そこから休学届出してな」
「今ここにいるんですね」
「兵役が終わったらな」
 そうなればとだ、ハルークはハーディンに話した。
「大学に戻ってな」
「エンジニアですか」
「その資格取るな」
「もう合格してるんですか」
「そうなんだよ」
 まさにというのだ。
「まあ大学行ってというかな」
「今は休んでるんですね」
「そうだよ」
 そうなっているというのだ。
「兵役終わったら行くな」
「そっちも頑張って下さいね」
「そうするな、しかしな」
「しかしですね」
「生きられればだな」
 このことも笑ってだ、ハルークはハーディンに話した。
「全部な」
「まあそれはそうですね」
「兵役になって二年だよ」
「三年ですからね、兵役は」
「あと一年だな」
「その一年生きたら」
「大学だよ、この兵役のことはちゃんと活かすしな」
 兵役が終わってもというのだ。 
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