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夢幻水滸伝

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第百五十六話 戦を前にしての日常その一

                第百五十六話  戦を前にしての日常
 綾乃と中里、芥川の三人は食事としてすき焼きを囲んだ、三人共肉だけでなく葱や豆腐、茸、糸蒟蒻も楽しんでいる。
 綾乃は卵をとじて入れた碗の中に豆腐を入れつつ言った。
「すき焼きでええのはこれもあることやね」
「お肉だけやなくてか」
「お豆腐もあるから」
 それでというのだ。
「うち余計に好きやねん」
「そやねんな」
「お肉も大好きで」
 綾乃は中里に笑いながら話した。
「それでお豆腐もやねん」
「好きやねんな」
「そやから今もこうしてな」
「お豆腐も食べるねんな」
「そやで、熱いけど」
 それでもというのだ。
「その熱さがかえってな」
「ええねんな」
「そう思ってるで」
 実際にというのだ。
「うちは」
「成程な、綾乃ちゃんはお豆腐も好きか」
「お鍋に入ってるのも冷奴も」
「ほな湯豆腐もやな」
「好きやで」
 こちらもというのだ。
「実際に」
「お豆腐やったら何でもやねんな」
「別に火を通さんでもな」
「今みたいにやな」
「それでも好きやで」
「そやねんな」
「お豆腐は身体にええしな」
 芥川は糸蒟蒻を食べつつ述べた。
「悪いことやないで」
「お豆腐好きなんは」
「それはな」
「それで飲む時も」
「お豆腐も一緒にやな」
「食べること多いで」 
 実際にというのだ。
「うちは」
「そういえば綾乃ちゃんこっちの世界では戦がないと毎日飲んでるけどな」
「もうその時もやね」
「お豆腐よお食べてるな」
「お刺身に天婦羅、枝豆に卵焼きに」
 それにというのだ。
「冷奴は欠かせんわ」
「そやな」
「和食で飲む時は」
「そういうことやな」
「そやで、それですき焼きにはお豆腐もある」
 その熱い豆腐を食べつつ言う。
「このこともええわ」
「お肉だけやなくて」
「ほんまにな」
「このお肉も美味いしな」
 中里は肉も食べつつ言った。
「随分ええお肉やな」
「そやね、霜降りで」
「案外日本以外の国で霜降りって少ないけどな」
「すき焼きにはこれやね」
「そやな、起きた世界では高いけど」
「神戸牛にしても」
「うちおとんが好きで牛肉よお食べてるけど」
 それでもとだ、中里は卵にとじた肉でご飯を食べつつそのうえで言った。
「神戸牛なんてな」
「高くてやね」
「食べることなんてないわ」
 それこそというのだ。
「神戸におるのに」
「ほんまに高いからな、神戸牛って」
「っていうか和牛自体がな」
 神戸牛に限らずというのだ。
「高いな」
「そやね」
「そやからな」 
 それ故にというのだ。
「ほんまにな」
「霜降りはこっちの世界やないとな」
「食べられんわ」
「そこもちゃうね」
「それで食べたら」
 どうかとだ、中里は満面の笑みで言った。 
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