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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ

作者:炎の剣製
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077話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その4

 
前書き
更新します。 

 


『初めまして、リン。私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』

少女のその挨拶でやっぱりこの子は小さいイリヤさんだというのはわかったけど、なんで今は大人の姿なのに、六、七年前までは少女の姿のまんまだったんだろ……?
と、このピンチになりそうな展開にたいしてわたしはすでに冷静にそう考えていた。
多分予想では士郎さんがかなーりグロイ事になるんだろうなと、考えておく。
そうすれば覚悟は決まっているってもんでしょ?
主人公が何度も痛い思いをして成長していくのは鉄板だからね。
そっとみんなを見回しても息を呑んでいる顔をしているし、わたしのように先を予想したのか長瀬さんなんか緊張とした顔で薄く目を開きながら「これは……」と呟いている。

『こんな挨拶でいいよね。どうせすぐに死んじゃうんだし。それじゃ……やっちゃえ! バーサーカー!!』

話し合いの余地もなくイリヤさんはすぐに巨人……バーサーカーに命令を下して、それを忠実に実行したのかバーサーカーはすぐさま士郎さん達に飛び掛かってきた。
セイバーさんがすぐさま迎撃していくが、バーサーカーはその巨体に似合わずとても素早い連続攻撃をセイバーさんに何度も仕掛けている。
というか、バーサーカーっていうのは文字通り狂戦士なんだから命令なんて聞かないもんじゃないの?それともイリヤさんの魔術師としてのレベルが高すぎて素直に従ってる感じかな?ここにもなにやらストーリーがあったりなかったりするんだろうな……。
最初は全然命令は聞かなかったけど、イリヤさんの健気な行動で次第に心開いていくって言うのはどこかのストーリーの回想とかでありそうだし。
……まぁ、回想するときってだいたい走馬灯とかが鉄板だから、イリヤさんが死にそうなときくらいしかないからたぶん、今の士郎さんの旅を一つのルートに例えるとそんな光景はないだろうし、そういうイリヤさんが死んでしまうルートも考えないといけないと考えると、なんだろ? わたしって結構ドライな気質だったのかな?
そりゃ創作には一切手は抜かないけど、まだ序盤の出会いなのに普通にここまで思考が展開できるものなのだろうか……?
わたし、誰かの考えている内容を勝手に受信している?いやいやまさかまさか。
感受性が高いだけだ、そういう事にしておこう。
考えすぎると毒になりそうだし……。

思考をすぐに終了させて戦闘を見ていく。
イリヤさんは無邪気に笑ってるし、どうやらセイバーさんはランサーさんにやられた傷がまだ痛むのか胸を抑えている。
凛さんもなにかの魔術弾を放っているけど、バーサーカーには一切通用していない。
そして、ついにセイバーさんの腹にまるで岩のような剣が炸裂してセイバーさんはかなりの血を流している。

「ランサーさんのときは、強そうだと思ったのに……それだけバーサーカーが強いんですか?」
「ええ。セイバーが最優のサーヴァントならバーサーカーは最強のサーヴァントなんだから。まだこの時は私もまだ狂化させていないし。それに……」

イリヤさんの言葉が切れたらタイミングよく回想のイリヤさんがかなりの情報を言い放っていた。

『勝てるわけないじゃない。だってバーサーカーはギリシャ最強の英雄なんだから』
『最強の英雄……』
『そう。そこにいるのはヘラクレスっていう魔物』

まさかの大物の名前が飛び出してきましたよ!?
ヘラクレスって十二の試練のあれ!?
夕映なんか詳しそうだしね。

「へ、ヘラクレスですか……イリヤさんはそんな桁違いな英雄を普通に使役していたのですか?」
「ま、私にかかればこの程度お手のモノよ」

ふふん!と言っているイリヤさんは昔は常識は通用しなかったのかもしれない。
名前の通り、ドイツの貴族みたいだし一般人より少し感覚がズレているのは当然かな?
それで回想の中でセイバーさんにとどめをさしてって命令をしている。
だけどそこで見ているだけだった士郎さんの様子がおかしい事に気づく。
身体が震えていて目は険しくなっていて、もしかしてここで士郎さんの人助け精神あるいは自己犠牲精神が悪く出てしまったのか振り下ろしているバーサーカーの剣をセイバーさんを庇って代わりにくらって胴を抉られて吹き飛ばされていた。
いったー…………。
こうなることは士郎さんの異常性を過去から見てきたからなんとなく予想していたけど、やっぱ見るのは辛いわ。
のどかとか夕映なんかはもう気絶しそうになっているし、ネギ君が「士郎さんッ!!」と悲痛そうに叫んでいる。

イリヤさんはつまらなさそうにしてそのまま帰ってしまうし、凜さんはもう死んでいるのではないかという感じの士郎さんに何かを言っているけど、いつものごとく視界は暗くなっていく。
思うに士郎さんは死にそうになる回数かなりあるんじゃないかな?
さっきの行動もそうだと思うし、ふと『バッドエンドその2』を思い起こすくらいにはわたしは意識をどこかに飛ばしているのかもしれない。
先ほどの行動で士郎さんがセイバーさんを庇わずにセイバーさんはやられてしまって、士郎さんの行動らしからぬ逃亡する選択をするけどそのまま凛さんとともに殺される、あるいは玩具にされるエンド。
ま、こういうのは主人公らしからぬ選択肢をしてバッドエンドを迎えていくもんだからジャンルはノベルゲーかギャルゲーな感じかな。








「ふむ……意識が暗転する光景にも慣れてきたでござるが……士郎殿。何回死ぬ思いをしているでござるか?」
《…………聞くな。》

間が長い反応ありがとうございます!
この先も結構あるということですね!最悪です!

「本屋ちゃんに夕映ちゃんも大丈夫……?」
「うっぷ……」
「は、はい……なんとか。のどか、しっかりするです。それと、そういうアスナさんは……?」
「あ、あはは……なんでだろうね。なぜか平気なのよね」

ふむ。アスナはグロ耐性があると……。

「やっぱ、遠慮しておけばよかった……」

千雨ちゃんもすでにグロッキーな感じである。

「むー。なんや一方的やからつまらんかったな」
「コタローは別の視点アルナ」

こた君はやっぱり戦闘狂なだけあって平気みたいね。
そんな態度にくーちゃんもさすがに苦笑い。

「この映像は確かに見るだけの方が良いね。写真にしちゃうと卒倒しちゃう人が後を絶たないだろうし」
『わ、わたしは涙目ですよー』

朝倉は冷静、幽霊ちゃんは涙を流していた。
最後に、

「その、士郎さん……言ってはなんですけど、よくくじけませんでしたね」
「兄貴の言う通りっすね。このあとに回復はするでしょーが心が折れてもいい感じっすよ」
《まぁ……それでも生きているなら町の被害をどうにかしないといって当時はそっちに意識が行っていたからな》
「士郎さんは強いですね」
《強い、か……いや、俺はただすでに壊れていたんだろうな》

士郎さんのその言葉にどこか哀愁が感じられる。
イリヤさんも「シロウ……」って呟いて心配そうな目をしていた。
このかも刹那さんもだけど。

「というか、パルはなんで黙ったっきりなのよ?逆に怖いんだけど……」
「ん?いやぁー、なんか神秘の扉が開きそうでね」
「なに言ってんの……??」





アスナの不思議そうな目はこの際無視だ。
わたしはわたしの道を往く!




そして意識が回復する士郎さん。
身体に包帯が巻かれているが、すでに治っていると言っても過言じゃない。
そのまま居間にいくと凛さんが待ち構えていて、士郎さんは思い出したかのように昨日の夜の事を思い出す。
凛さんの話によるとあれほど抉られた傷も時を得て勝手に治っていったのだという。
凛さんの推測だとセイバーさんには自然治癒力があるらしく、セイバーさんと繋がっているためにそれが流れ込んでいるのではないかという。

それから士郎さんは十年前の出来事をまた起こしたくはないから聖杯はいらないという話になったが、サーヴァントの前でそれを言ったら殺されてもおかしくないという。
サーヴァントもただ無償で従っているわけではなくて、聖杯が欲しいがために従っているという話だ。



そう考えると、あの士郎さん似のサーヴァントはなにを望んで召喚されたんだろう……?
あの人が士郎さんの未来の姿だと断定するとして、わざわざ過去に召喚されるなんてそれほどの理由がある…………いや、まさかね。
ちょっと違うけどタイムスリップ物で定番なのは『親殺しのパラドックス』というものがある。
狙ってこの世界に召喚される可能性もわずかなものであり、もしや……狙いは自分殺し……?
正義の味方になりたいという過去の自分を殺したいほど憎んでいたりしたら、あるいはって感じなのかな……?
うーむ……情報が少なすぎるわ。
もっとあの人に関しての情報が欲しいね!


そしてサーヴァントは人の魂を食う事によってより生前の力を発揮できるという。
まぁ、幽霊みたいなものだからね。魂食いも一つの手って感じなのね。
そういうマスターもいるかもって感じか。
凛さんはそれには該当し無さそう。真っ当な魔術師っぽいし。


そして、士郎さんもうまい方針がでないまま、凛さんは帰っていき、士郎さんも過去を思い出してか吐きそうになっていた。
そしてセイバーさんを探しに行くと、やっぱり普通一軒家に道場があるって豪華な感じだよね、そこにセイバーさんは目を瞑って正座をしていた。
少しして士郎さんに気づいたのか、士郎さんの心配をして次にはお叱りの言葉を言っていた。
あーいうのは私の仕事だ、と。

まぁ、分かるんだけど素直に士郎さんが納得するとも限らんしな。
まぁまだ始まったばかりのバディだし、これからどうにかなっていくんだろうな。



と、思ったらセイバーさんを護衛に付けずにそのまま一人で学校に行ってしまいましたよ、士郎さん!?
その日はなにもなく無事に帰ってこれていたけど、

「士郎さーん、さすがに不用心じゃないですか……?」
《耳が痛いな……分かってる、分かってるんだけど、この時はこれ以外に考えがなかったんでな》

それから士郎さんは桜さん達といつもの食事を摂っていた時に士郎さんはセイバーさんを除け者にしたくなかったのか、食事を中断してなんとセイバーさんを桜さん達に紹介してしまった。
それで混乱する場。
さらになぜか藤村さんと勝負する事になってしまっていた。
まぁ、勝てるわけないんだけどね。

『変なのに士郎取られた~』

結果は言うことなしだね。
それにしても、

「こた君的にはどうなの?」
「あん? まぁ、こんときの士郎の兄ちゃんはまだ未熟やし考えが甘いのは分かっとるから言うことないけど、やっぱ使い魔は使い魔やろ?」
「シロウはそこが許せなかったんでしょうね。今でもランサーの事を普通に人として扱ってるし」
「ま、それが士郎らしくていんじゃね?知らんけどな。でもな、セイバーは内心腹が煮えくりまくってただろうな。こんときの士郎はマスターとしてはマイナスな行動ばっかしてるしな」
「「「「「わかります」」」」」
《み、みんな……》

味方はいないんだよ、士郎さん。
女の子だから戦っちゃだめだっていうのは侮辱発言だしね。

そして翌日も士郎さんはセイバーさんを置いて行って学校に行こうとしていた。
セイバーさんも諦めたのか、一つ忠告をしていた。
いざとなれば令呪で“呼んでくれ”と……。
令呪の命令ならば次元を超えて助けに行けると……。

そして学校で出会ってしまう凛さん。
士郎さんは挨拶をするけど、無視されてた。

「ありゃあ怒ってんなー。士郎、おまえ人を怒らすのは天才か?」
《自覚がなかったのは重々承知している。今はこんなじゃないんだから過去は過去として見てもらえないか?》
「まぁでも今も抜けているところとかあるんじゃね?」
「あるわね」

イリヤさんにもそう言われてしまう士郎さんは実に尻に敷かれています。
それと、なんか美綴さんと慎二さんが行方不明だっていう。
なんか、匂うね……。
それで手掛かりもなしで放課後になり、ふと視線を感じるとそこには冷たい瞳をしている凛さんが階段の上で士郎さんを見下ろしていた。
それから始まる追いかけっこという名の逃避行。
掴まったら令呪を盗られるか、記憶を消されるかするんだろうなぁ……。
これも『バッドエンドその??』に入るのかな。
そして三秒待つという凜さん。
このまま戦闘に入るのかと思ったけど、そこで聞こえてくる女子の悲鳴。

「あ、なんか展開が変わってきた感じですか?」
「そうみたいね。なんか凛さん、お預けをくらった感じだけども」

どうやら新手らしい。
ここからなんやかんやあって凛さんと共闘に持ち込んでいくって感じなのかな?
なんせまだ士郎さんはまだまともに魔術が使えない。
だから師匠くらいいないと世界なんて出ていけないだろうしね。
とにかく悲鳴の方へと向かっていく士郎さんと凛さんであった。


 
 

 
後書き
今回はここまで。
次でライダーですかね。







あ、それとFGOサマキャン楽しかったですね。
エミヤとイリヤ(プリヤの方だけど)の供給が激しいシナリオでしたね。
良き良き。
ちなみに自分はあまり育てていないのでスキルマ勢はマーリン、スカディ、キャストリアしかいません。サポートだけでもって感じですね。伝承結晶が三つあればアルトリアもスキルマにはできますけどね。
レベルマ勢は狂ランスロット、槍ニキ、ヘラクレスですね。

聖杯戦線も119箱しか開けていませんね。(開けた方か…?) 
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