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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第十二幕その一

               第十二幕  水族館で幸せに
 先生は琵琶湖の水質と生態系についての論文を書き終えて学界に提出してから今度は比叡山についての論文の執筆に入りました。
 その先生のところに田中さんが来て先生にお話しました。
「今はどの生きもの達もです」
「無事にですね」
「暮らしています」
 先生の研究室にお邪魔して笑顔でお話するのでした。
「まだはじまったばかりですが」
「水族館での生活が」
「はい、ですが」
「今のところはですね」
「どの子もです」 
 皆がというのです。
「凄くです」
「幸せにですね」
「暮らしていまして」
 それでというのです。
「僕達も嬉しいです」
「それは何よりですね」
「水族館は水の生きもの達を飼育して」
「育てて研究して」
「そして種の保存もです」
「図ることが目的ですね」
「そうです、これは動物園や植物園も同じです」
 こうした場所もというのです。
「ただそこにいるだけではないです」
「飼育は」
「研究に種の保存もです」
「重要ですね」
「実際にこうした場所が種の保存に役立ってもいますし」
「その通りですね」
「ですから僕達もです」
 八条学園にある水族館で働いている人達もというのです、言うまでもなく田中さんもその中にいます。
「そのことを意識してです」
「働いておられますね」
「はい」
 まさにというのです。
「そうしています、立派な仕事だと自負しています」
「その通りです」 
 先生は田中さんに笑顔で答えました。
「水族館や動物園、植物園でのお仕事もです」
「立派なものですね」
「他のお仕事と同じく」
 まさにというのです。
「立派なお仕事です」
「そう言って頂き何よりです」
「そうですね、では」
「これからもですね」
「頑張っていきます」 
 田中さんは先生に微笑んで答えました。
「そうしていきます」
「そうされて下さい」
「はい、これからも」
「最近水族館や動物園を駄目だと言う人がいますが」 
 先生はどうかというお顔でお話します。
「僕は賛成出来ないです」
「狭い場所に閉じ込めて見世物にしてですね」
「虐待だとです」
「言う人がいますね」
「しかもこうした人はです」
 先生は今度は困ったお顔でお話します。
「声が大きいですね」
「少数派でも」
「それでも声は大きく」
 そしてというのです。
「活動的なので」
「厄介ですね」
「そうです、世界的に今は手を挙げた人が強いですが」
「意見として通りますね」
「特に日本では」
 先生が今暮らしているこの国ではというのです。
「もうです」
「手を挙げた人が強いですね」
「他の国よりも。それでです」
「水族館や動物園についても」
「そうした面を観ないで」
 飼育と研究そして種の保存つまり環境保護に貢献をしている場所であるということをというのです。 
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