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八条学園騒動記

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第五百八十三話 文化祭スタートその五

「おかしなものを贈っては」
「ああ、お家としての格がね」
「疑われますし」
「変なものは贈れないのね」
「そうしたものですから」
「この味なのね」
「はい」
 セーラもそのロイヤルミルクティーを飲みつつ話した。
「そうです」
「質が違うのね」
 ウェンディの言葉はしみじみとしたものだった。
「成程ね」
「連合の紅茶もいいと思いますが」
「幾らよくてもね」
 それでもというのだ。
「庶民だからね」
「皇室とは違いますか」
「連合で二つしかないお家よ」
 皇室はというのだ。
「連合の並の市民なんて」
「格が違うと」
「日本とエチオピアの皇室は連合では凄く敬愛されているの」
 このことはマウリアでもサハラでもだ、ただしエウロパにおいてはあえてノーコメントという態度である。
「皇帝だからね」
「皇帝ということは確かに大きいですね」
「そうよね」
「マハラジャは王ですが」
 即ちシヴァ家はだ。
「王を任命出来ます」
「それが皇帝よね」
「王は皇帝に膝を屈するものです」
 そうした立場だというのだ。
「そうなのです」
「そうでしょ、じゃあ庶民なんてね」
「格式がですか」
「全く違うわ」
 そうだというのだ。
「もうね」
「それで今そう言われていますか」
「ええ、こんなものとても飲めないわ」
「ですか」
「全くね、しかし日本の皇室ってね」 
 ウェンディはまたこの国のことを話した。
「質素でも財産とかあるのよね」
「はい、おそらく人類屈指の資産家といいますか」
「言うレベルじゃないわね」
「国宝やそう言っていいものが」
 日本政府だけでなく連合中央政府が定めているものである。
「数えきれないものがあるので」
「だからよね」
「シヴァ家はそうしたことでも」
「比較にもならないの」
「お金で語れないものばかりあるので」
「資産家というには」
「もうおこがましい」
 そこまでというのだ。
「あのお家はです」
「そうした存在なのね」
「資産もまた」
「物差しで測れない家ってことね」
「そうなります」
「ううん、日本は恐ろしい国家元首を持っているわね」
「そうしたお家を」
 セーラも応えた。
「高名な芸術家も次々と自作品を贈呈していますね」
「それも資産になるのね」
「はい」
 日本の皇室にというのだ。
「なりますし」
「そのことも凄いわね」
「ですからもうその財産、資産は」
「計り知れないのね」
「連合千年の高名な芸術家の方々の贈呈がです」
 それこそというのだ。 
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