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八条学園騒動記

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第五百八十三話 文化祭スタートその三

「お願いします」
「わかりました」
「紅茶は色々ありますが」
 セーラは今度は紅茶の話をした。
「一番は」
「ミルクティーですね」
「何といっても」
「私にとっては」
 二人に笑顔で応えつつ飲む。
「紅茶の第一はこれです」
「特にロイヤルミルクティーですね」
「お嬢様がお好きな紅茶は」
「それで、ですね」
「今回もですね」
「ミルクティーはミルクティーですが」 
 セーラは二人に笑ってさらに述べた。
「ロイヤルミルクティーをです」
「わかりました」
「今よりお入れします」
「それでは」
 こうして二杯目はそのロイヤルミルクティーとなった、セーラはそのロイヤルミルクティーを飲みはじめたが。
 そこにウエンディが来てセーラに尋ねた。
「ちょっといいかしら」
「はい、何でしょうか」 
 セーラはウェンディに温和で上品な笑顔で応えた。
「お店で異変があったのでしょうか」
「あっ、お茶のことよ」
「それのことですか」
「ええ、どんな葉で」 
 今飲んでいる紅茶のそれはというのだ。
「それでミルクは」
「どちらも当家が経営しているお茶畑や牧場のものです」
「そうだったの」
「はい、そしてです」
 セーラはさらに話した。
「皇室にも献上させてもらっています」
「皇室って」
「日本の皇室です」
「そうよね」
「よく恐縮されます」
「日本の皇室に?」
「宮内省に。贅沢過ぎると」
 そう言われるというのだ。
「その様に」
「ああ、日本の皇室って質素だからね」
「その質素さは」
 セーラはウェンディにもロイヤルミルクティーを出しつつ話した。
「私としてはです」
「恐ろしいまでなのね」
「シヴァ家なぞ足元にも及ばない家柄といいますか」
 日本の皇室についてこうも言った。
「比較にすらです」
「ならないの」
「そうしたお家なのに」 
 それでもというのだ。
「あれだけ質素ですから」
「あれは伝統よね」
「皇居もです」
「あれね」
「シヴァ家の別荘よりも遥かにです」
「質素だっていうのね」
「伝統とはいえ極めて質素で」
 それでというのだ。
「私が見てもです」
「極端なのね」
「それで献上しましても」
「恐縮されるの」
「はい」
 そうだというのだ。
「これが」
「つくづく凄いお家ね」
「はい、謙虚でもありますね」
「それこそ紀元前から存在していて」
 この時代に使われている銀河歴以前の暦である。 
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