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優しい犬と我儘な猫の思いやり

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第三章

「心配になってよ」
「来てくれたの、有り難うコロ」
「ワンワン」
「そのワンちゃん森さんの家の子なの?」
 ここでコロを見てだった。
 クラスの大人しい女の子達が集まった三人のグループが来た、そしてだった。
 茉奈にコロのことを何かと聞いてきて茉奈も話した、すると。
 三人はそれぞれ茉奈に言った。
「今度森さんのお家行っていい?」
「このワンちゃんもっと見ていい?」
「ワンちゃんのお話もっと聞かせてくれる?」
「うん、いいよ」
 茉奈はにこりと笑って答えた、このことがきっかけになってだった。
 茉奈はこのグループに入りそして他のクラスの子達とも話す様になった、そうして友達が出来ていった。
 茉奈はこのことに喜んだ、それで家でコロやミミと遊びながら母に友達が出来たのはコロのお陰と言うと。
 母は娘に笑顔でこう言った。
「コロは茉奈ちゃんが心配で学校に来てくれたわね」
「うん、お陰でね」
 娘はコロを撫でつつ応えた、膝の上ではミミが丸くなっている。
「私お友達一杯出来たわ」
「そうよね」
「あの時コロが来てくれて」 
 そのコロを見て言う。
「本当によかったわ、コロ有り難うね」
「ワンッ」
「けれどね」
 鳴いて応えるコロを見つつだ、母は娘にこうも言った。
「ミミもね」
「ミミも?」
「ずっとお家で茉奈ちゃんに遊べって催促してたでしょ」
「うん、この前までね」
「最近までお母さんにもお父さんにもしなかったわね」
「そうだったね、本当に」
「それは茉奈ちゃんがお友達が出来なくて寂しい思いをしているから」
 それでというのだ。
「心配してね」
「遊んでくれていたの」
「そうだったと思うわ」
「じゃあコロだけじゃなくてなのね」
「ミミもね」 
 猫である彼女もというのだ。
「心配していてくれていたのよ」
「そうなのね」
「お母さんはそう思うわ」
「そうなの。ミミ有り難うね」
 膝の上にいる猫にも声をかけた。
「心配してくれて遊んでくれて」
「ニャン」
 だがミミは顔を向けなかった、その代わりにだった。
 一声鳴くと欠伸をしてだった。
 コロが茉奈の左横に移って寝だしたのを見てか傍にあった猫用のおもちゃを見た、すると茉奈もわかって。
 ミミと遊んだ、その時の茉奈も見ている母も笑顔になっていた。


優しい犬と我儘な猫の思いやり   完


              2020・9・28 
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