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夢幻水滸伝

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第百五十二話 さらなる優勢へその一

                第百五十二話  さらなる優勢へ
 横溝は美鈴と闘いつつ戦局を見た、そうして苦い顔で言った。
「兵達は健闘してくれていますが」
「それでもたいな」
「やはり我々がいないと」
「戦力が落ちるとよ」
「全くです」
 自分と闘っている美鈴に応えた、お互いに式神を出してそれで欧州を続けているその中で言うのだった。
「指揮を執り」
「軍勢に攻撃ばして」
「戦わないと」
「流石にたいな」
「我々が技術的にかなり落ちることは自覚していました」
 横溝にしてもだ。
「数は圧倒していても、そして」
「星の者の数もたいな」
「我々は覇権を争う諸勢力で最も数は多いですが」
 まずは長所を挙げた、横溝が出した鴉の姿の式神達は美鈴が出した鳩の式神達に相殺され一騎打ちは互角の様相であった。
「ですが」
「技術は一番下でたな」
「星の者の数もです」
 こちらもというのだ。
「例え優れた者達であっても」
「それもでたいな」
「そうです、数は」
「それでたいな」
「我々は軍勢同士の戦に入りたいですが」
「それをしたいならたい」
 美鈴は今度は術を使った、時魔術師の術である強重の術多くの動力波を放ちそれで敵を攻撃する術を放った、そのうえで横溝に言った。
「私を倒すとよ」
「そうせなあきませんね」
「そうたい、ただ私もたい」
「そう簡単にはですね」
「倒されんとよ」
 こう言うのだった、己の出した術を獣の術つまり青魔術師の術の一つである石嵐の術を使ってそれで相殺した横溝に対して。
「容易には。むしろ」
「勝たれますね」
「そのつもりたい」
 こう言ってだ、今度は。
 錬金術師の術である炎霧の術を使った、それで前から来た横溝が出した毒霧の毒を焼いて相殺して言った。
「何としても」
「そう言われますか、ですがわたくしもです」
「勝つつもりたいな」
「それに貴女は陰陽師です」
 横溝は美鈴のその職業の話もした。
「わたくしと同じ」
「同じ陰陽師としてたいな」
「負けるつもりはありません」
 一切と言うのだった。
「ですから」
「勝つたいな」
「そうさせて頂きます、必ず」
「言うたいな、しかしとよ」
「出番かな」 
 ここで八房が美鈴の横に出て来て主に言ってきた。
「そろそろ」
「そうたい」
 そうだとだ、美鈴はその八房に答えた。
「だからたい」
「ここはね」
「宜しく頼むとよ」
「ならね」
「一緒に戦うとよ」
「わかったよ、ご主人」
「犬ですか」
 その八房を見てだ、横溝も言った。
「貴女の頼りになる神具の一つである」
「いい友達たい」
 美鈴は横溝に言葉を返した。
「まっことに」
「左様ですね、犬も使える」
「私の武器の一つたい」
「神具だけに強い、ですが」 
 横溝は象のその顔を不敵に笑わせて言った。 
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