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新オズのつぎはぎ娘

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第七幕その十

「ですが長生き出来ないです」
「そうよね、けれどオズの国ではね」
「誰も死なないので」
「そうした蛇でもね」 
 長く生きられない様なものでもというのです、ドロシーはそのオズの国のお話をするのでした。それも真剣に。
「ずっと生きられるのよ」
「そのことが素敵ですね」
「あと色が白くて青い目の猫でも」
「そうした猫でもですか」
「普通に目が見えるし」
「そういう猫は確か」
「外の世界では目が見えないそうね」
 ドロシーはこう言いました。
「確か」
「そうでしたね」
「けれどね」
「そうした猫もですね」
「普通にね」
「目が見えますか」
「オズの国はお伽の国だから」
 それ故にというのです。
「だからよ」
「そうしたところもいいですね」
「雄の三毛猫も結構いるし」
「あっ、そういえばね」
 ここでつぎはぎ娘が言いました。
「ニホン猫もオズの国に結構多いけれど」
「あの猫で三毛猫は実はね」
「雌ばかりよね」
「それで雄はね」
「凄く少ないのよね」
「そうなんだ」
 外の世界ではとです、ジョージはつぎはぎ娘に答えました。
「実は」
「そうなのね」
「けれどオズの国だと」
「普通にいるわよ」
 雄の三毛猫もというのです。
「というかあたしとしてはね」
「オズの国の人だから」
「雄の三毛猫は普通だけれど」
 それでもというのです。
「そこは違うのね」
「外の世界はね」
「成程ね、まあそのあたしから見ても」
 ここでつぎはぎ娘はピーターを見て言いました。
「二つ頭のドラゴンははじめてよ」
「そうなんだね」
「僕みたいなドラゴンは」
「ええ、ただあんた本当に小さくなったわね」
 今のピーターを見て言いました。
「そうなれるのね」
「だから西の魔女の魔法でね」
「そうなったんだよ」
「そして念じれば元の大きさになれるから」
「何の問題もないよ」
「そうよね、そんなあんたを見てね」
 それでと言うつぎはぎ娘でした。
「歌って踊りたくなったわ」
「あっ、君は歌が好きだったね」
「踊りもね」 
 ピーターはつぎはぎ娘のこのことについて言及しました。
「君はオズの国一のダンサーでね」
「歌手としても有名だね」
「時々パソコンやスマホで観てるけれど」
「凄いね」
「その歌とダンスを今から披露するわよ」
 つぎはぎ娘はピーターに上機嫌でお話しました。
「いいかしら」
「うん、是非ね」
「宜しく頼むよ」
「君の歌とダンスはその目で見たことなかったし」
「それじゃあね」
「あんたの曲を歌って踊るわね」
 その場で作詞作曲をしてダンスの振り付けも考えて踊ってというのです。
 そして実際にでした、つぎはぎ娘は。
 ピーターの歌を歌って踊りました、いつも通り彼女にしか踊れないダンスで歌も明るいものでした。
 そしてです、歌の後でピーターに尋ねました。
「どうだったかしら」
「うん、素晴らしかったよ」
「歌もダンスもね」
 ピーターの返事は拍手をせんばかりのものでした。 
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