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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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11ーmodulation

 
前書き
ここ!から!転調!
 

 
次の日。僕、和人、明日奈、詩乃は雪宮病院とは違う病院…。脳医学に精通する病院に来ていた。
そこで色々な検査をして、診察室で待っていると担当医がやってきた。

「…詳しい事はデータを精査してみないと分かりませんが…。」

それからは断片的な話しか頭に入って来なかった。簡単に言えば、僕と明日奈のSAOの記憶を呼び起こして、そこを限定的に脳に記憶をスキャンされた事、そしてその事例は他のSAOサバイバーにも出ているという事。
すると和人が質問する。

「明日奈と佳…の記憶は…今よりさらに失う事があるということですか…?」
「分かりません…。ただ佳さんの症状の方が深刻です。」

担当医の人はそう言って椅子に座る僕を見る。

「おそらく…佳さんのSAOの記憶は違う記憶と深く結びついてるために連鎖的に記憶が欠落しています。
それが今の不安定さを生んでいると考えられます。」
「僕の記憶…。」

そこまでは覚えていたけど。後はどの話も頭に入ってこなかった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「2人とも大丈夫だよ。ちょっとSAOの事ド忘れしてそれを引き摺ってるだけだって。」

和人はまるでいつもの僕のように明るくさせようと明るくそう言う。僕は少しひきつりながらも笑顔で返す。

「そーだよね!ちょっと僕ド忘れしただけだよね!」

待合室で僕は詩乃の手を取って。

「帰ろ♪詩乃。僕は大丈夫!」
「佳……。」

僕は不安そうな詩乃の顔を見て、少しイラつく。強く手を引いて。

「大丈夫だって。えっと確か、転移結晶が…。」

僕はシステムウィンドウを出そうと手を出した所で。
あれ?ここは現実…。
見ると明日奈もシステムウィンドウを呼び出そうとして手を宙にかいていた。
そして僕はまた。目眩がした。

「佳!!」

目の前が真っ暗になる直前、詩乃の声が聞こえた様な気がした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それから何とか部屋に戻るとふと思った事があってアミュスフィアでALOにログインしていた。
理由は1つ。SAOの景色を見れば何か思い出すかと思ったからだ。
第一層から順に…。今の最新の階層まで。ほぼくまなく回った。

「…。」

最新の階層を回って。最後にキリト達のホームの22層に戻ってきても結果は一緒だった。
何もかも思い出せない。

「スノー。」

湖畔で僕は石を投げていると後ろから声がした。シノンの声だった。僕は振り向かずに話す。

「何?シノン。」
「スノー。大丈夫よ。きっと。さっきもキリトが言ってたけどちょっとド忘れしただけよ。」
「…うん。そうだね。」

最後の石をおもいっきり投げる。大きい石だったのでボチャンと大きな音を立てる。そして僕はシノンの方を振り向くと笑顔で笑いかける。

「大丈夫…。まだ残ってる。」
「え?」

僕はそう言ってシノンに近寄ると彼女を抱きしめる。

「大丈夫、まだシノンの事『好き』って気持ちが残ってる。だから心配しないで?
それに…。」

僕は抱きしめるのをやめて僕は正面から両肩を掴んで笑顔を貼り付ける。

「こんなに可愛い彼女を手放す訳ないでしょ?思い出はまた作ればいいんだし。
だから笑ってシノン♪」
「スノー…佳…。」

そうすると今度は逆にシノンの方から僕を抱きしめてきた。

「シノン…詩乃?」
「お願い…。笑顔を貼り付けないで。それじゃあ佳が壊れちゃうわよ…。」
「…。」

それを聞いて心にくるものがあった。僕は昨日みたいに泣くのは堪えて。シノンの頭を撫でる。

「ごめん、詩乃。まだ大丈夫だから。」

そう言って僕達はしばらくの間そのままの姿勢でいた。湖畔の水面が静かに僕達を写す。
何故か分からないけど昔聞いたバンドの曲が頭の中を流れていた。






















































私はALOからログアウトすると和人から連絡が来ていた。

『頼みがある。スノーとアスナに関することだ。今日のレイドバトル。東京ドームシティに来てくれ。』

それを見た瞬間、私は部屋を飛び出していた。 
 

 
後書き
さて次の話はスノー君出てきません。
たぶん!
俺の妄想の中では!
という訳で次回もよろしくお願いします! 
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