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八条学園騒動記

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第五百八十話 これも役作りその四

「そこはね」
「色々だね」
「エウロパも同じで」
 ベンは今度は連合の敵の話をした。
「あの国もね」
「公用語はラテン語だね」
「それでね」
「各国の言語使ってるね」
「英語にしてもイタリア語にしてもね」
「そうだったね」
「けれど公用語は一つじゃなくて」
 かつての人類社会はというのだ。
「それでね」
「英語とイタリア語もね」
「それぞれの国で使っていて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「歌劇や戯曲でもね」
「言語が違っていたね」
「そうなっていたよ」
「それでだね」
「フォルスタッフも」
 マルティは自分が演じる役の話をさらにした。
「呼び方が違うね」
「歌劇とではね」
「そうだったね」
「まあね」
 ベンは飲みつつ言った。
「同じキャラだけれどね」
「そうだね」
「歌劇の方が賢者だけれど」
 つまりファルスタッフの方がというのだ。
「どうもね」
「ああ、それはね」
 マルティも言われて赤ワインを飲みつつ頷いて話した。
「僕も思うよ」
「そうだよね」
「シェークスピアの知性にかな」
「ヴェルディの知性も加わって」
「それでだね」
「歌劇の方がね」 
 そちらの方がというのだ。
「賢者なんだよ」
「そうなっているんだね」
「二人の知性が加わって」
 シェークスピアとヴェルディのというのだ。
「余計にね」
「賢くなっているね」
「ヴェルディも」
 この作曲家もというのだ、ワーグナーと同じ年に生まれそしてワーグナーよりもさらに生きて作曲した彼はというのだ。
「知性凄かったみたいだし」
「そうみたいだね」
「どうもね」 
 こうマルティに話した。
「色々あってね」
「人生と創作からだね」
「賢者になった人らしいから」
「人生経験だね」
「シェークスピアもどうも」
 原作を書いた彼もというのだ。
「やっぱりね」
「人生経験あったね」
「ないとね」
 それこそというのだ。
「あそこまでの作品書けないよ」
「多くの作品を残しているからね」
「それも悲劇も喜劇もね」
 両方のジャンルでというのだ。
「名作ばかりだよ、しかもね」
「しかも?」
「あの独特の表現ね」
 ベンはシェークスピアのそれの話もした、言うならばシェークスピア節と呼んでもいいそれだというのだ。
「あれはね」
「豊かな人生経験がないと書けないものだね」
「僕はそう思うよ」
「言われてみれば」 
 どうかとだ、マルティも答えた。 
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