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おぢばにおかえり

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第六十話 朝早くからその七

「スカートだとめくれるし」
「それはあるわね」
「だからおみちの人大抵ズボンじゃない」
 これは天理教の特徴の一つだと思います。
「もうすぐに動けるし」
「動きやすいしね」
「だから私もいつもズボンなのよ」
「それはいいけれどたまにはね」
「阿波野君と会う時とかは」
「そう、お洒落してね」
 そうしてというのです。
「スカートもいいわよ」
「そうなのね」
「本当に千里はおみちの娘だから」
 それでというのです。
「ズボンばかりね」
「だからひのきしんがあるし動きやすいから」
「それはいいことだけれど」
 お母さんは私にあくまで言います。
「そこはね」
「たまにはなのね」
「スカートも考えてね」
「信者の方からの頂きものが幾つかあるけれど」 
 それで持っていることは持っています、高校の時にも持って行きました。ですが。
 結局穿かないままででした、それでお母さんにも言いました。
「穿かないと思うわ」
「そうなのね」
「私はね、だから今も」
「穿かないの?」
「そのつもりだけれど」
「ミニスカートも持ってるでしょ」
「ミニスカートって」
 そう言われるとでした、私は。
 驚いてです、お母さんにすぐに言い返しました。
「絶対に駄目よ」
「穿かないのね」
「そんなの穿いたら」
 それこそです。 
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