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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第三幕その二

 そのうえでまずは田中さん達と一緒に琵琶湖の生きもの達のお話をしました、そうしてその後ででした。
 皆と一緒に大津宮の跡を見ました、ですが。
 皆はその跡地を見て言いました。
「ここに都があったの?」
「何ていうかね」
「別にね」
「ここはこれといってね」
「何もないよね」
「だから千数百年前だよ」
 都があったのはとです、先生は広場に見えるその場所を見て言う皆に答えました。
「ここにあっただけでね」
「それだけだから」
「だからなんだ」
「跡地ってだけで」
「ここには何もないんだ」
「そうだよ、何もないんだよ」
 こう言うのでした。
「あったのは千数百年前だよ、しかもね」
「しかも?」
「しかもっていうと」
「当時の都は平城京や平安京とは違っていたんだ」
 奈良や京都にあったそうした都と違うというのです。
「ああした都は宮殿に街があって城壁に囲まれていたね」
「そうそう、奈良や京都はね」
「そうした都だったね」
「城塞都市だったね」
「日本には少ない街だったけれどね」
「当時の日本は中国の長安、今の西安を模して都を造ってね」
 それでというのです。
「ああした街だったんだよ」
「奈良や京都にあった都はそうだったんだ」
「平城京や平安京は」
「それでだったんだ」
「そうした造りだったの」
「けれど平城京以前、飛鳥時代はね」 
 その頃の都はというのです。
「そうした造りじゃなくてね、宮殿はあっても」
「それだけだったんだ」
「街があってもなの」
「周りを壁で囲んでなくて」
「それでなの」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「大きくなくてただ宮殿つまり宮の跡地なんだ」
「そうなんだね」
「それだけのもので」
「跡地って言っても大きくなくて」
「広場位のものなんだね」
「平城京の跡地とはそこが違うよ」 
 奈良県にあるそちらとはというのです。
「どうしてもね」
「成程ね」
「そのことがわかったよ」
「当時の日本の都はそうしたもので」
「跡地もこうなのね」
「そういうことだよ、じゃあ次は近江神宮に行こうね」
 こう言ってでした、先生は皆を今度は近江神宮に連れて行きました、地図を見ながらその神宮に行くとです。
 皆は今度は目を瞠ってこう言いました。
「凄いね」
「立派な神社ね」
「まさに神宮って呼ぶに相応しいわ」
「何といってもね」
「ここはね」
「ここはさっき行った大津宮と関係があるんだ」
 先生は皆にこうお話しました。
「かなり由緒正しい神宮だよ」
「赤と黒がかなり印象的ね」
 ポリネシアは神宮の建物達を見ながら言いました。
「その色が」
「かなり奇麗だね」 
 ホワイティも目を瞠っています。
「足元もね」
「神社の中でも特に奇麗な方じゃないかな」 
 老馬もこう言います。 
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