| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

高コスト

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六章

「北朝鮮はとんでもないし」
「そうした国ですね」
「テロも拉致も弾圧も虐殺もやってきた」
「悪の国と言っていいですね」
「皇室が駄目なら」
 大泉はさらに言った。
「あの国の世襲制の独裁はいいのか」
「しかも共産主義で」
「全く以ておかしいよ」
「その通りですね」
「自衛隊が駄目なら」
 極論ではその存在を否定するならというのだ。
「もうね」
「北朝鮮はそれ以上にですね」
「駄目となるよ」
「あちらの国民が支持しているとか」
「支持なんかある筈ないよ」 
 大泉は一言で切り捨てた。
「あそこに言論の自由なんてないから」
「このことは言うまでもないですね」
「それを言うと日本の方がね」
「支持されていますね」
「自衛隊も皇室もね」
「そして戦前の日本も」
「他の国民が支持していても自分が支持していないなら駄目なら」
 大泉はこうした人物がいると仮定して話した、これはあくまで仮定だが実は存在していることを知っている。
「もう民主主義じゃないよ」
「その人は」
「他人の意見を認めていないから」
「自衛隊を批判して北朝鮮がいいという人はどうも」
「そうしたタイプが多いよ」
「そうですね」
「というか子供でもわかるよ」
 大泉はここでまた首を傾げさせて松田に話した。
「北朝鮮がどんな国か」
「とんでもない国だと」
「そしてあの国の軍隊と自衛隊どっちがまともか」
「言うまでもないですね」
「本当にね、そして兵器も」
「自衛隊には必要で」
「問題は性能とね」
 肝心のこれと、というのだ。
「コストが釣り合うか」
「そこが問題ですね」
「そして僕が見たところ」
「釣り合っていないので」
「言うんだ、そしてどうして軽減出来るか」 
 そのコストをというのだ。
「それが問題だよ」
「ではですね」
「そう、どうしてコストを軽減するかは」 
 大泉は松田に考えている顔で話した。
「もうね」
「辿り着かれていますか」
「兵器の開発費ち設備への投資費も問題だけれど」
 それだけでなく、というのだ。
「日本の場合は生産の仕方に問題があってね」
「コストが高いですか」
「そう、だからね」
「そこをどうするかですか」
「生産の仕方をね」
 まさにそれをというのだ。
「どうするかなんだよ」
「問題は」
「そしてそれは」
 大泉はさらに言った。
「資本主義に答えはあったよ」
「資本主義といいますと」
「稀少品は高いね」
「はい、貴重になり」
「そうなるね、けれど多いと」
「安くなりますね」
「歯ブラシは大量に造られるから安い」
 大泉は言い切った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧