| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百七十八話 文化祭前夜その十

「その子孫となると」
「つまり末裔は」
「物凄い数になるから」
「本当に」
「その設定はないな」
 洪童もどうかと述べた。
「流石に誰かな」
「ええ、けれどそうした設定の組織が出た時もね」
「あったか」
「それで強かったのよ」
「そうだったんだな」
「他は世界征服を企む悪の組織だったり」
 特撮の悪役の定番である。
「チンギス=ハーン様の秘宝を狙う組織もね」
「あったんだな」
「世界を混乱に陥れるとかいう組織もあったし」
「色々だな」
「けれど舞台はいつも一緒よ」
 悪の組織の設定は色々でもというのだ。
「草原なのよ」
「モンゴルだからね」
 マルコは舞台がいつも一緒であることは納得した。
「そこは変わらないね」
「ええ、何があってもね」
「いつも同じ舞台で飽きないかな」
「草原を見てどうして飽きるの?」 
 ナンはマルコの今の言葉には目を瞬かせて言葉を返した、そうしてクミズを飲んでから彼にこう言った。
「草原程落ち着く場所ないでしょ」
「モンゴル人としては」
「ええ、飽きないわよ」
 草原を見ていればというのだ。
「それでね」
「そこはモンゴル人だからなんだ」
「草原は原風景よ」
「モンゴル人にとっては」
「本当にね」
「だからなんだ」
「見ていて飽きないっていうか街で戦う方が」 
 モンゴル人にとってはというのだ。
「落ち着かないわ」
「そうなんだね」
「ゴチャゴチャして」
 そう感じてというのだ。
「嫌なのよ」
「そういえばチンギス=ハーンも草原だな」
 洪童も言う、かなり飲んでいて顔がすっかり赤くなっている。
「そうだな」
「そう、本当に草原がね」
「モンゴル人は一番か」
「他の国の番組って街をあちこち移って」
 そしてというのだ。
「海とか山とかね」
「色々と場所を変えるな」
「それはかえってね」
 モンゴル人にとってはというのだ。
「落ち着かなくて」
「嫌になるか」
「そうなのよ」
 これがというのだ。
「ずっと草原が一番いいのよ」
「遊牧民だからか」
「別に街でも暮らしていけるけれど」
 それでもというのだ。
「草原の方がね」
「いいんだな」
「どうしてもね」
「そういうことか」
「それで特撮も歴史ドラマも」
 どちらもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧