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レーヴァティン

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第百六十九話 異形の武家その四

「領地にしている者は皆大名の家臣達で」
「忠誠心も高いか」
「ですから」
 その為にというのだ。
「あの国はでござる」
「戦でだな」
「攻め取ろうと」
 そうしようと、というのだ。
「皆で話してでござる」
「実際にだな」
「攻めるでござる」
 そうするというのだ。
「これより」
「こちらと事情は同じだな」
「信濃は全て手中に収めたと聞いているでござる」
「実際にそうした」
 英雄は一言で答えた。
「今な」
「そうでござるな」
「そしてこれよりだ」
「甲斐を攻めるでござるな」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ござるな」
「あの国を攻め取る」
「ではござるな」
「そちらは駿河を頼む」
 この国をというのだ。
「宜しく頼む」
「では」
「どちらが先になるかと思ったが」
「ほぼ同時でござるな」
「そうなるな、では駿河を頼む」
「それでは」
「そして民や田畑、町はな」  
 英雄は智にさらに話した。
「手出しはするな」
「承知しているでござる」
「俺達の領民、領地になるしだ」
「無駄な殺生や破壊はですな」
「しないことだ」
 絶対にというのだ。
「だからだ、いいな」
「それでは」
「そのこともいいな」
「承知したでござる」
「ではな」 
 ここまで話してだった。
 英雄は貝殻での智との連絡を終えた、そうしてからまた今共にいる仲間達に対して強い声で話した。
「ではだ」
「これよりね」
「甲斐に向かう」
 こう奈央に答えた。
「諏訪の方に兵を集めてな」
「そのうえでね」
「甲斐に兵を進める」
「そうするわね」
「既に甲斐との境には兵を置いているが」
「その兵とも合流して」
「一気にだ」
 まさにというのだ。
「甲斐の全てをな」
「制圧するわね」
「甲斐は南北が山で真ん中に川が流れ」
 そしてというのだ。
「そこに平地が拡がりな」
「その平地をだね」
「一気に制する」
「そうするわね」
「それが戦略だ、ではな」
「攻めるわね」
「そして甲斐も多くの水田を作るが」 
 英雄はこうも言った。 
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