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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第7話『だったら殺すしかねぇじゃん!』

「キュゥべえ、確か資料によりますと、魔女の存在した世界で特定の少女の願いを叶えて魔女と戦う戦士、魔法少女を誕生させる魔法少女共通の相棒のはず。」
「あらあら、そのキュゥべえが私達に取引を申し込んできたのよ。」
「物わかりがよくて助かるよ。それじゃあ、この魔女を君たちにプレゼントするよ。」
「まさか、私達の仲間を増やしたいって考えにつけ込んで騙してくるとはね。」
「仮面ライダー、それから魔導師、魔女に関しては僕達もどうにかしたい。情報を共有できないか?」

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「この見滝原は、このさやかちゃんに任せなさい!」
さやかは剣を出現させて引き抜く。
「そういうわけにもいきません。ファントムは本来は僕達仮面ライダーの世界の怪人。その為にも僕はこの世界に来ているのですから。変身!」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
「キバって、ゴー!」
雅はディロードライバーをキバットベルトに変えてキバに変身する。
「今度は逃がさないぞ!」
キバはガルルフエッスルを取り出し、キバットに噛ませる。
「ガルルセイバー!」
キバットがガルルフエッスルの音色を奏でたことによりガルルセイバーが召喚されキバはそれを右手で握り、キバはガルルフォームに変身する。
「さやかさんが魔法少女になったのなら仕方ありません。ヴァンパイアの動きはこちらで抑えますので、さやかさんはトドメをお願いします。」
疾風の剣士とも呼ぶべきガルルフォーム、その速度はキバの最強フォーム、エンペラーフォームをも超え全フォーム中最速である。縦横無尽に駆け回るキバにヴァンパイアは翻弄され、その最中でもキバは着実に斬撃をヴァンパイアに放ってゆく。
「ガルルバイト!」
キバはガルルセイバーをキバットに噛ませて必殺技を発動。キバのエネルギーの源である魔皇力によって辺りは暗闇に変わり、三日月が浮かび上がる。
「えっ!?一体どういうこと!?」
さやかは驚くが、キバはガルルセイバーを咥えながら高く跳びあがり、急降下。必殺の斬撃、ガルル ハウリングスラッシュが放たれ、ヴァンパイアの喉と心臓を切り裂き、
「さやかさん、今です!」
「あっ、あんたに言われなくても!」
キバに呆気をとられていたさやかはキバの言葉にハッと我に返り、キバに悪態をつきながら無数の剣で斬撃を放ち、ヴァンパイアを撃破。その魔力によってさやかのソウルジェムの汚れは祓われる。
「ファントムを倒すのは、本来仮面ライダーが行わないと、歴史が大きく歪んでしまう。出来ることならこの件は僕に任せてほしい。これ以上歴史が改竄される前に。」
雅は変身を解除し、さやかに話す。
「あんたには関係ないでしょ!これは私達魔法少女の問題!あんたこそ関わってこないで!あんたとあの転校生が突っ込んでこなかったら、マミさんだって!」
「いつまでその事を引っ張るつもりですか。あれは彼女の慢心からおきた出来事です。現実から目を背けないでください。」
さやかの感情的な言葉に雅は冷静に話す。
「そうやって言い訳をして逃げているのはあんたたちでしょ!」
「言い訳なんてしていません。」
「いい加減にして!とにかく、もうあんたは出て来ないで!行こう、まどか。」
さやかはまどかを連れて去って行く。その様子を展望台の望遠鏡で除いている一人の少女がいた。
「ふ~ん、あれがあんたの言っていたイレギュラーに協力している危険な奴?」
ショートデニムを履き、ミントカラーのパーカーを着た少女、佐倉杏子はキュゥべえに聞く。
「ああ、彼はこの世界の人間では無い。この世界において、どれだけ被害を出すかまだ不明だ。被害が大きくなる前にイレギュラーな魔法少女と一気に倒してほしい。」
キュゥべえは杏子に言う。
「いいじゃんいいじゃん。イレギュラーまみれだけど、その方がやり甲斐があるってもんだ。楽しくなってきたよ!」
杏子はチョコレートをコーティングしたプレッツェルを食べながら楽しそうに雅を見ていた。

「ただいま。」
雅はほむらの家に戻る。
「それで、美樹さやかは?」
ほむらは気がかりになっていることを雅に尋ねる。
「やはりさやかさんは魔法少女になりました。無闇矢鱈と争って面倒事が増えるのは行動に支障を来すのでヴァンパイアの撃破を手伝っておきました。」
「そう。それで、もう一つのことだけど…」
ほむらはまるで結果が分かっていたかのように関心を示さず、雅に新たな質問を行おうとする。
「今から約十日後に来るとされている舞台装置の魔女、ワルプルギスの夜のことですね。それについてですが、索敵の魔法を発動しても、ファントムの反応があっても魔女の反応が一つも出ません。まるで、ワルプルギスの夜も仮面ライダーウィザードの世界に行ってしまっているみたいに…」
「そう。それならそれで対策を考えましょう。それより、まどかは美樹さやかから離れたかしら?」
「難しい話ですね。鹿目さんはさやかさんに守ってもらうつもりのようです。」
「なんで分かってくれないの、まどか…」
雅の言葉を聞いてほむらは呟く。
「とりあえず、索敵に引っかかったファントムを倒してきます。ほむらさんはワルプルギスの夜との戦いのために魔力を温存しておくのが得策でしょう。」
雅は一人出て行った。
「さて、この辺りのはずだが…」
雅が探していると、突然何者かが素早く近づいて来る。
「誰だ!」
雅は振るわれる槍を避けながら襲撃してきた敵を確認する。襲撃者は、
「ちっ、まあ簡単に避けてもらわないと、あたしもやる気にならないからいいけど。」
既に魔法少女の姿に変身した杏子であり、雅を相手に悪態をつく。
「あなたがどうして僕の命を?」
雅はディロードライバーを装着する。
「キュゥべえから頼まれたんだ。邪魔者には消えてもらうよ!」
杏子は雅の喉を狙うように突進する。
「槍使いに剣や銃は不利だな。」
【CHANGE RIDE-SENGOKU DRIVER VERSION BARON-】
雅はディロードライバーを戦極ドライバーに変える。
〈バ ナァナ!ロック オン!〉
雅はバナナロックシードを解錠し、戦極ドライバーにセット。ファンファーレが鳴り響き、
「変身!」
〈come on!バナァナアームズ!Knight of spear!〉
雅はカッティングブレードを倒して仮面ライダーバロンに変身し、バナスピアーを構える。
「悪いことは言わない。そのまま立ち去ってくれないか。」
「それは無理な相談だね!」
バロンは杏子の槍をバナスピアーで防ぐ。
「くっ!仕方がないか!」
〈come on!バナァナスカッシュ!〉
「くらえ!スピアビクトリー!」
バロンは必殺技を発動し、地面からバナナ型のエネルギーを放ち杏子を牽制しようとするが、杏子は五人に分身する。
「そうか、確か彼女には幻術を扱える力があったはず。だとしたら!」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION KNIGHT-】
雅は杏子の猛攻を避けながら変身を解除し、ディロードライバーをナイトのVバックルに変え、粗大ゴミとして廃棄されている鏡を使って仮面ライダーナイトに変身する。
【SWORD VENT】
ナイトはウィングランサーを召喚して振り回し、杏子と距離をとる。
「これならどうだ!」
【TRICK VENT】
ナイトはトリックベントを使い五人に分身する。
「やるじゃん。そうでなくちゃ!」
杏子はそれぞれナイトと交戦するが、ナイト自身に攻撃の意思自体は存在しないため、徐々に杏子に押されてゆく。
「このままだと危ない。なら!」
【NASTY VENT】
ナイトはナスティベントを使い、ダークウィングが超音波を発声し、杏子は苦しむ。
「ここは上手く撤退するか。」
【CHANGE RIDE-RENGEL BUCKLE-】
雅は変身を解除し、ディロードライバーをレンゲルバックルに変える。
「変身!」
[open up!]
雅は仮面ライダーレンゲルに変身する。
「悪いが、少し動かないでほしい。」
[blizzard]
レンゲルはブリザードを使い杏子の槍と、それを持つ右手を凍らせる。
「それでは、失礼。」
[screw]
レンゲルはスクリューを使って地中に逃げ、撤退に成功する。
「ちっ、なかなかやるじゃん。」
杏子は変身を解き凍りついた右手の氷も溶ける。
「ほむらさん、佐倉杏子が活動を始めました。」
帰還した雅は杏子の出現と襲撃をほむらに伝える。
「そう。そろそろだと思っていたわ。」
ほむらは読めていたかのような反応をする。
「そうですか。それで、今後はどのようにするつもりですか?」
「佐倉杏子は味方につけるつもりよ。彼女は最低限愚かではないわ。」
「そうですか。今までの傾向から考えますと、明日の夕方あたりに佐倉杏子がさやかさんと交戦を開始するでしょう。」
「わかったわ。明日向かいましょう。」
ほむらと雅は作戦を練る。

翌日の放課後、さやかは一体のファントムを追いかけていた。
「こら!待ちなさい!」
「誰が待つか!俺はゴルゴン様から使命を授かってこの世界に来たんだ。お前達魔法少女と仮面ライダーに仲間を殺されている中で俺も倒されたら誰がゲートをファントムにするんだ!」
この世界に初めて現れたファントム、リビングデッドはさやかから裏路地に入り逃走に成功する。
「あいつ、どこに行った?」
さやかが探していると、
「ファントム狩りもいいけれど、魔法少女の敵は魔法少女だってーの!」
上から杏子がさやかに向かって槍を突き刺すように攻撃を仕掛ける。
「危なっ!あんたもあの転校生や仮面ライダーの仲間?」
さやかも剣を向ける。
「あいつらもぶっ潰す対象だけど、あんたみたいな甘ちゃんなら、初心者のうちに倒してこの地域の縄張りを貰っちまう方が効率的ってやつ!」
杏子は自身満々に言う。
「ふざけるな!マミさんが守った見滝原をこれ以上好きにさせない!」
さやかは剣での猛攻を行うが、杏子は軽々と槍で受け止める。
「うっさいなぁ…っと!」
杏子はさやかをいなし、その首に槍で打撃を与え、その隙に更に右腕と左脚に打撃を与える。
「うぐっ!」
さやかは倒れるが、すぐに立ち上がる。
「あれ、おかしいなぁ?全治三か月はかかる骨折にしたはずなんだけどな?」
杏子は不思議に思う。
「さやかちゃん、どうして?」
まどかが疑問に思っていると、
「そこの外野、邪魔だなぁ。部外者は黙っていてくれない?」
杏子はまどかの存在を鬱陶しく思い格子状の結界を展開してまどかを隔離する。
「まどか、さやかの回復が早いのは彼女の願いが大切な人を癒すことだからさ。」
そこにキュゥべえが現れてまどかに説明する。
「へぇ、そんなくだらないことのために魔法少女になったんだ。」
杏子は笑いながら言う。
「何がくだらないのよ!」
「だって、叶えられる願いは一つなんだよ?なら、自分のために使わないと勿体ないじゃん!」
杏子は素早い動きでさやかを翻弄する。
「ふざけるな!」
さやかは剣を振るって杏子の槍を早いしようとするが、槍はチェーンで分割されて、棍のようになり、それを使って杏子はさやかを拘束する。
「やめて!これ以上やると、さやかちゃんが死んじゃう!」
まどかは叫ぶ。
「だから、殺すためにやってんの!言っても駄目。痛めつけても駄目。だったら殺すしかねぇじゃん!」
杏子は槍の切っ先をさやかの首に近付ける。
「お願い、二人を止めて!」
「君が魔法少女になれば、それも出来るかもしれない。」
まどかの叫びに、キュゥべえは淡々と答える。
「二人を止められるなら、私…」
まどかはキュゥべえとの契約に応じようとする。
to be continued.

次回予告
「ファントムにも立場ってものがある。このままキュゥべえにいいようやられっぱなしっていうのも癪に障る。次回『ドリームチーム』」 
 

 
後書き
新カード紹介
戦極ドライバー(バロン):ディロードライバーをバロンの戦極ドライバーに変え、仮面ライダーバロンに変身するためのカード
Vバックル(ナイト):ディロードライバーをナイトのVバックルに変え、仮面ライダーナイトに変身するためのカード
レンゲルバックル:ディロードライバーをレンゲルバックルに変え、仮面ライダーレンゲルに変身するためのカード 
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