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夢幻水滸伝

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第百四十六話 大戦艦その九

「受けてきた教育もだ」
「日本に留学するまでは貴族のものだった」
 アルギエーリがヘッセに応えた。
「ならばな」
「そうだ、貴族の生活を送る」
「そうなるな」
「あらゆることでな」
「教育は学校だけのことではない」
 ユゴーはコーヒーを飲みつつ話した、見れば彼の前にはコーヒー以外にもマカロンが置かれてコーヒーの友になっている。
「家庭でも行われる」
「今話したが我々は代々貴族だからな」
「それ故にだ」
 まさにその為にというのだ。
「家もだ」
「それぞれ貴族の家だからな」
 ただし爵位はそれぞれだ、ユゴーは伯爵家だが今のフランスに爵位は存在していないので厳密に言うとかつてはとなり家は事業で裕福なのだ。広大なワイン畑等を持ちその資産がかなりのものであるのだ。
 そしてその家の中で代々の教育を受けているのだ。
「受ける教育もな」
「貴族のものだ」
「そういうことだな」
「名前にも出ているしな」
 アルギエーリはヘッセに微笑んで述べた。
「私にしても」
「『デル』だな」
「そうだ、それが名前に入っているな」
 フランコ=デル=アルギエーリという名前から言うのだった。
「これこそがだ」
「貴族である証だな」
「卿と同じくな」
「私も名前に出ている」
 ヘッセも微笑んで話した。
「ジークフリート=フォン=ヘッセという名にな」
「『フォン』だな」
「まさにそれだ」
「そうだったな」
「やはり代々だ、貴族だからといって人間でありだ」
「能力なりが変わるものではないが」
「教育は受けている」
 貴族のそれをというのだ。
「ならばだ」
「貴族になるな」
「何もかもがな」
「貴族の考えや楽しみ方にな」
「そういうことだな、だから飲むにしてもだ」
 マロリーはまた話した。
「どうしてもだ」
「賑やかとはならないな」
「我々はな」
「そういうことだな、しかしだ」
 ヘッセはマロリーにあらためて述べた。
「今度だ」
「彼等と飲みたいか」
「少なくとも話をしたい」
「同じ神星の者としてだな」
「そして友人としてな」
 この世界でも起きた世界でもそうであるからの言葉だった。
「話をしたい」
「だから酒の場をもうけたいか」
「そう考えている、何でも紫君はかなりの酒豪と聞くが」
「彼女は酒豪というものではない」
 ユゴーはヘッセに答えた。
「あれはもうだ」
「大蛇、うわばみだな」
「日本で言うな」
「元々日本では酒の神は蛇神だったな」
 アルギエーリはこのことを話した。
「そうだったな」
「そうだ、奈良の三輪大社だ」
「あの社に祀られているな」
「この世界にもあるが」
 その社はだ、芥川達が関西を平定する時に芥川が狐に乗ってそのすぐ近くに行ったこともある場所だ。 
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