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猫へのプレゼント

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第二章

 その猫の義足だった、その義足を見せて両親にさらに話した。
「これはな」
「そうなんだな」
「それじゃあ」
「くろとに買って付ければな」
 それでというのだ。
「普通に歩ける様になるよ」
「他の猫みたいにな」
「そうなるのね」
「ずっと他の猫みたいに動けなかったが」
「それが出来るのね」
「金は俺が出すから」
 こう言ってだ、息子は。
 実際にお札を出してきた、一万円札ばかりだ。両親にそれを見せてそのうえでさらに話した。
「これでな」
「お前が出すのか」
「そうしてくれるの」
「くろとを連れて来たのは俺だからな」
 それでというのだ。
「だからな」
「義足を買うか」
「そうするのね」
「そうしていいよな」
 両親の顔を見て問うた。
「俺が出して」
「ああ、そう言うならな」
「お願いするわね」
 両親は息子の意を汲んで頷いて応えた。
「それを買ってな」
「くろとを動ける様にしてあげてね」
「そうしてやってくれ」
「あんたがね」
「ああ、わかったよ」
 こう言ってそうしてだった。 
 彼が実際にだった、猫用の義足二本の前足のそれをネットで買ってだった。 
 くろとに付けた、するとだった。
 くろとは他の猫の様に歩ける様になった、両親はその彼を見て笑顔になって話した。
「こうして歩ける様になるなんてな」
「義足買ってよかったわね」
「全部講時のお陰だな」
「そうよね」
「家族だからな」
 それでとだ、息子は両親に答えた。
「そうしたんだよ、じゃあこれからもくろとの為にな」
「皆でな」
「助けていきましょうね」
「くろとは家族だからな」
「そうしてあげましょう」
「足がなくてもな」
 それでもというのだ。
「何とかなるんだ、だからな」
「これからも俺達がくろとを助けていこうな」
「三人でね」
「折角出会って家族になったんだ」
 それならとだ、息子はこうも言った。
「それじゃあな」
「最後までそうしていこうな」
「皆でね」
「くろともそれでいいよな」
 息子は今度はそのくろとに微笑んで声をかけた。
「俺達とずっと一緒で」
「ニャア~~~」
 くろとは彼の言葉に楽しそうに鳴いて応えた、そうしてだった。
 義足の足で彼のところに歩いてきて顔を摺り寄せてきた、息子はその彼の頭を優しく撫でて笑顔になった、両親もその彼等を見て笑顔になった。


猫へのプレゼント   完


                   2020・8・25 
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