| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのケーキ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十幕その七

「どんなケーキでもよいが」
「ケーキを召し上がられたくなりましたか」
「うむ」
 そうだというのです。
「何かな」
「ではです」
「それではか」
「ケーキをお出ししますね」
「どんなケーキじゃ」
「苺のケーキもチーズケーキもチョコレートケーキもありますが」
 そうした色々なケーキがというのです。
「どれにしますか?」
「チョコレートケーキじゃな」
 そのケーキだとです、リンキティンク王は答えました。
「そのケーキにするか」
「それでは」
「ティラミスはありますか?」
 王子はケーキに尋ねました。
「ケーキとは少し違いますが」
「ありますよ」 
 ケーキは王子にもにこりと笑って答えました。
「そちらは」
「それでは」
「紅茶もコーヒーもありますし」
 飲みものもちゃんとあるというのです。
「ですから」
「今からですね」
「甘いものを食べましょう」
「それでは」
「丁度三時です」
 恵梨香が時間のことをお話しました。
「おやつの時間ですね」
「じゃあ皆で食べましょう」
 神宝もケーキ達に言ってきました。
「これから」
「お菓子に飲みものを出して」
 ジョージも乗り気になっています。
「それで楽しみましょう」
「ケーキがあるならですね」
 カルロスはケーキを食べようと今からにこにことしています。
「それだけで幸せな気持ちになれますね」
「そうね、スポンジのケーキは」
 本当にとです、ナターシャは四人に応えました。
「素敵な味よね」
「ナターシャのお国のケーキとは違うけれど」
「あのケーキは最高に素敵なお菓子の一つだよ」
「だからそのケーキを食べられるとなると」
「やっぱり嬉しくなるね」
「それだけでね。私もね」
 かく言うナターシャ自身もというのです。
「あのケーキ大好きだから」
「それじゃあね」
「皆で食べようね」
「それで飲みものも出して」
「そちらも楽しもうね」
「そうしましょう、飲みものは」
 ナターシャがこれから飲もうと思っているものはといいますと。
「ロシアンティーにするわ」
「あの紅茶ね」
「はい、そちらにします」 
 ナターシャはケーキににこりと笑って答えました。
「私は」
「ナターシャはあの紅茶よく飲むわね」
「ロシアではいつも飲んでいましたので」
「それでなのね」
「はい、今もです」
 来日してオズの国においてもというのです。
「よく飲んでいます」
「そうよね」
「美味しいですよね」
「ロシア式の煎れ方で」
「それで、です」
「ジャムを舐めながら飲むわね」
「あの飲み方が代¥好きなんです」
「確かに美味しいわね」
「ですから」
 それでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧