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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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沢田綱吉・ヴェルジネルート
  第9話A 鋼鉄の翼竜と戦場の女神

 
前書き
や、やっと最新話ができた……(^◇^;)

今回は話が長く、情報量が多いですが、閲覧よろしくお願いします(^◇^;) 

 
タスクモン・エアドラモン・モノクロモン、そしてオーガモンの襲撃を退け、タネモンの村で一夜を過ごしたツナ達はタネモン達に別れを告げ、再びファイル島内の冒険を再開した。

ツナ達は現在森の中を歩いていた。


マリア「結局翼達の情報は得られなかったわね」

アンジュ「タネモン達に聞いても見ていないと言うし、仕方ないわね」

アインス「暫くは島内を地道に探すしかないが……」

クリス「ただ闇雲に探すってのもな……」

フェイト「そうだね。何処かで手掛かりを得られれば良いんだけど……」


そう会話しながら歩いていると……


ツナ「ん? あれは……」

フェルト「ツナ君、どうかした?」

アニュー「何か見つけたの?」

ツナ「ええと、あそこに研究施設みたいな建物があるなぁと思って」

フェルト達『え?』


ツナが何かを見つけたらしく、彼が指差す方へ視線を向けると、そこには研究施設らしき建物があるのだった。


アニュー「確かにあるわね。何を研究してるところかしら?」

フェイト「わからないけど、ひとまず調べてみようか」

アインス「そうだね、何か手掛かりが得られるかもしれない」


ツナ達はひとまず研究施設のある方へと向かった。
















数分後、研究施設の前に到着したツナ達。

研究施設はまるで事故でもあったかのように壁等が破壊されており、寂れている状態であった。


アンジュ「酷い有り様ね。何か事故でもあったのかしら?」

クリス「だな。実験中の事故とかでこうなったのかもしんねえな」

マリア「こう言う研究施設に限って、ロクな研究をしていなさそうね」


マリア達が研究施設の様子を見て、そう推察する中……


ツナ「あ、ここに足跡がありますね。しかも、これはつい最近できたものみたいですね」

フェルト「本当だね。ほとんどデジモンの足跡……あれ? これって、靴跡……?」

ツナ・フェルト以外『えっ!?』


ツナとフェルトが研究施設の入口付近に足跡があるのを見つけ、その中に靴跡らしきものがあったのだ。


アニュー「靴跡ってことは、もしかして…… 」

フェイト「私達と同じ人間がここにいたってことなのかな?」

アインス「その可能性は高そうだな。この研究施設の中に入って調べてみよう」


アインスの言葉に賛同し、ツナ達は研究施設内へ入り込んだ。
















研究施設の中は機械の駆動音がしており、電気系統はまだ生きているようだ。

とは言え、研究施設内部もだいぶ荒らされた後であった。


アンジュ「……中も中で酷い有り様ね」

クリス「そうだな……」

マリア「そうね。一体ここで何があったのかしら?」

アインス「さあな……あくまで推察に過ぎないが、研究施設内で内乱があったのか、または野生のデジモン達に襲撃されてこうなったのか、あるいは……」

アニュー「あるいは?」

アインス「この研究施設が元々デジタルワールドにあったものでは無く異世界にあるもので、『次元震』に巻き込まれて転移した時の影響でこうなったのかもしれないな」

アニュー「なるほど……」

ツナ「あの〜、次元震って何ですか?」

フェルト「ええと、簡単に言うと次元世界レベルの地震のことで、何らかの要因で次元空間に影響を及ぼした時に発生する事象なの」

フェイト「次元震に巻き込まれて人や建物が元いた世界とは別の世界へ転移してしまうと言うのはよくあることだから珍しいことでは無いけど、もし次元震の規模が大きいものだと『次元災害』……次元世界レベルでの災害が発生して、次元世界が崩壊する可能性がある程の恐ろしい事象なんだよ」

ツナ「えええ……」


フェルトとフェイトから『次元震』と『次元災害』の説明を聞いたツナは顔を引きつらせるのだった。


アニュー「まあ、その次元災害を引き起こす原因の1つとして『ロストロギア』があって……あ、ロストロギアと言うのはオーバーテクノロジーの塊とも言って良い危険な遺産の総称のことで、私達時空管理局はそのロストロギアを回収して、然るべき管理・保管をするのが仕事なの」

ツナ「へえ〜……(あれ? そうなると、俺の世界にある死ぬ気の炎やリング、匣(ボックス)兵器もロストロギアとして扱われて、管理されるんじゃ……)」


アニューのロストロギアの説明を聞いたツナは自身の世界にあるオーバーテクノロジー……死ぬ気の炎やリング、『匣(ボックス)兵器』もロストロギアとして扱われ、アニュー達の所属する時空管理局が管理しようとするのでは無いかと内心焦るが……


フェイト「ツナ、もしかして自分の使ってる死ぬ気の炎やリングも管理局の管理対象として扱われるんじゃないかって思ってる?」

ツナ「(ぎくっ!)いや、あの、その……」

フェイト「ふふふ、やっぱりね。安心して、今の管理局はロストロギアを無理矢理管理することは無いから♪」

ツナ「よ、良かった……ん? 今のってことは、昔はそうだったんですか?」

アニュー「ええ。1年前までの管理局……特に上層部は腐敗していて、ロストロギアと定めたものであれば、例えそれがその世界の人達の大切なものであっても無理矢理回収しようとする、傲慢で一方的に自分達の正義を押し付ける過激派ばかりだったの……中にはロストロギアを取り返そうとした人達を抹消対象として殺害していた人達もいたわ……」

ツナ「酷い……!」


ツナは時空管理局の上層部の傲慢さに怒りを覚え、拳を握り締めていた。


フェルト「うん、そうだね……上層部は不正な取り引きでロストロギアを入手し、さらには回収したロストロギアで兵器開発まで行っていたの……自分達に逆らう者達を全て抹消する為に……」

フェイト「そして、上層部の過激行為はさらにエスカレートして行って、遂には私達が協力しているS.O.N.Gが管理している聖遺物や、アンジュやクリス達のシンフォギアまでロストロギアとして強引に奪おうとしたことがきっかけで、私達は上層部に対してクーデターを起こしたの」

ツナ「ふぇ、フェイトさん達がクーデターを!? だ、大丈夫だったんですか……?」

フェルト「クーデターと言っても、上層部みたいに無理矢理排除しようとした訳じゃないよ。ちゃんと上層部の汚職行為の証拠を掴んだ上で法的に追い詰め、上層部を始めとした過激派のメンバーを犯罪者として逮捕したから♪」

ツナ「な、なるほど……でも、よく汚職行為の証拠を掴めましたね。そう言うのって結構揉み消されてるイメージがあるんですけど……」

アインス「私達には心強い協力者が多くいたからね。彼らの力が無ければ、過激派連中を逮捕できなかったよ」

アニュー「ええ、特に『スカリエッティ博士』には本当に色々協力して貰って助かりました♪」

ツナ「スカリエッティ博士?」

フェイト「『ジェイル・スカリエッティ』……私達の仲間にギンガって娘がいて、その娘の母親クイントさんのお兄さん、つまりギンガの叔父に当たる人なの♪」

フェルト「優れた科学者で、正式なルートじゃ逮捕できない犯罪者を捕まえるのに色々力を貸して貰ってるの♪」

ツナ「へえ〜、凄い人なんですね。きっと正義感が強い立派な人なんだろうなぁ♪」


ツナが何気なく『ジェイル・スカリエッティ』をそう評価すると……突然フェイト達は苦笑の表情を浮かべる。


ツナ「あれ? どうかしたんですか?」

フェイト「ええと、確かに凄い人ではあるんだけど……」

フェルト「悪戯好きで、管理局にちょっかいを出しては小さな騒動を起こしてる愉快犯と言うか、自称『悪役』なマッドサイエンティストなところがあって……」

ツナ「正義感まったく無えーーー!? って言うか、その人犯罪者じゃないんですか!?」

アニュー「まあ、犯罪行為に至らない悪戯行為で収まっているから犯罪者扱いされていないわね……ギリギリだけど……」

ツナ「ギリギリなんですか……」

アインス「まあ今のミッドチルダは過激派連中が管理局から居なくなった影響なのか、昔に比べて平和だからな。管理局が平和ボケしない様にと、スカリエッティ博士なりに気を遣ってくれているのだろう……やり方はアレだが……」

ツナ「……要するに、スカリエッティ博士は変人なんですね……」

フェイト「あはは、否定できないかな……でも、妹のクイントさんやクイントさんの娘であるギンガ達、そして奥さんや娘さん達のことを大事にしてる良い人だから、皆スカリエッティ博士のことを憎めない人だなぁって見てるんだ♪」

フェルト「まあスカリエッティ博士の悪戯も最後は妹のクイントさんが鉄拳制裁&お説教で締まるから、お約束の光景として皆笑って許しちゃうんですよね♪」

ツナ(管理局の人達、心広いなぁ……)


犯罪一歩手前レベルの悪戯でちょっかいをかける愉快犯のスカリエッティを笑って許してしまう程、フェイト達今の管理局の面々は心が広いなぁとツナは内心思うのだった……組織としてそれで良いのかは置いといて……

ツナ達が研究施設の通路を進むこと数分後、道が途中で分かれていた。


アンジュ「ここから先の道が分かれてるわね」

クリス「どうする?」

マリア「二手に分かれて進みましょう。一応野生デジモンの襲撃があった場合の時を考えて、パートナーが進化できる私・ツナ・アインス・アニューの4人は1組2人ずつに分けて編成よ」

アインス「賛成だ。さて、編成はじゃんけんで決めるとしよう」


二手に分かれて進むことになり、万が一の野生デジモンの襲撃を考えてパートナーが進化できるツナ・マリア・アインス・アニューの4人は1組2人ずつ分かれることを前提に編成をじゃんけんで決めた。

その結果……

ツナ・フェイト・フェルト・アニュー

マリア・アインス・アンジュ・クリス

……以上の組み合わせとなり、ツナ達はそれぞれ分かれて研究施設内の探索を開始した。
















Side マリア・アインス・アンジュ・クリス


マリア達は移動途中にあった部屋に入って調べ、調べ終わったら部屋を出て通路を進むと言うのを繰り返しながら移動していた。


アンジュ「それにしてもこの研究施設、壊れてばかりで何も無いわね」

マリア「そうね。人っ子1人見当たらないところから見て、ここは既に廃棄されていたのかもしれないわね」

アインス「どうやら、そうらしいな。となると、ここで得られる物は何も無いかもしれないな」

クリス「マジかよ……もしそうなら、とんだ無駄骨じゃねえか……ん?」


ふとクリスの視線にあるものが目に入る。


アンジュ「どうしたの? クリス」

クリス「あ、いや、あそこにも部屋があるなと思ってな」

マリア「調べてみましょう。何か情報を得られるかもしれないわ」

アインス「そうだな」


マリア達はクリスの見つけた部屋へと入ると、そこには大量のカプセルが置かれており、その内の1つが叩き割られたかのようにガラス片が飛び散っており、装置自体も物の見事に大破しており、カプセルの中に入っていたであろう液体も周辺に溢れていた。

それを見たマリア達は……


クリス「あのさ……このカプセルの壊れようを見て、真っ先にあの馬鹿を頭に思い浮かべたあたしはおかしいのか?」

アンジュ「……大丈夫よ。私もこのカプセルを見て何故か響のことを思い浮かべたわ」

マリア「奇遇ね、私もよ……もしかして、このカプセルを壊したのって……」

クリス「い、いや、それは流石に無いだろ……」

アンジュ「そ、そうよね。あの娘がいくら脳筋だからって、いくらなんでも……」

マリア「そ、そうね、流石に彼女に失礼ね……でも」

マリア・アンジュ・クリス『完全に否定できないのは(何故かしら/何でだ)……?』


カプセルを壊したのが響なのでは無いかと何故か想像してしまうのだった。


アインス「あはは……まあこのカプセルを壊したのが誰なのかは置いとくとして、ここに人がいたのは間違い無いね。ほら、ここにも私達以外の靴跡があるよ」

マリア「あら、本当ね」


アインスの指差す方に視線を向けると複数の足跡があり、その中には入口で見つけた靴跡と同じものがあった。


アンジュ「それじゃあ、私達と同じようにこの研究施設に入った誰かがこのカプセルに入っていた何かを持ち出したってこと?」

アインス「恐らくな」

クリス「このカプセルの中、何が入ってたんだろうな……」

マリア「こうなってしまっている以上、わからないわね。兎に角、ツナ達と合流しましょう。この部屋が私達の進んだルートの最深部みたいだし、この部屋でこれ以上の情報は得られそうに無いわ」

アインス「ああ、そうだな」


マリア達は別ルートを進んでいるツナ達と合流する為、来た道を戻るのだった。
















Side ツナ・フェイト・フェルト・アニュー


マリア達とは別ルートを進んでいたツナ達は資料室へと来ていたが、中は荒らされた後の状態で、ほとんどの書類や棚等が大きく破損していた。

唯一無事なのが数枚の研究レポートと、1台の質素な黒いノートパソコンであった。

ノートパソコンの方はメンバーの中で1番機械に強いフェルトが調べているが……


フェイト「どう、フェルト? そのパソコン、動きそう?」

フェルト「はい、ハードの方は生きているので電源はつきますけど、データの方はハードディスクが初期化されているのかOS自体起動できないみたいです」

フェイト「そう……」

ツナ「アニューさん、見つけた研究レポートから何かわかりました?」

アニュー「ええ……どうやら、ここの研究者達は『合成複製体(キメラクローン)』の研究をしてたみたい」

フェイト「っ!」

ツナ「く、クローンって、SF映画とかで出てくる、遺伝子から同じ人間を人工的に生み出すあのクローン……!?」

フェイト「うん、そうだよ……アニュー、その合成複製体(キメラクローン)と言うのがどう言うものかわかる……?」

ツナ(フェイトさん……?)


研究レポートを解読するアニューの口から出た『合成複製体(キメラクローン)』と言う単語にフェイトは一瞬目を見開くがすぐに平静を装い、アニューに合成複製体(キメラクローン)について尋ねる……だが、そんなフェイトは何処か怒っている様に見えた。

ツナはそんなフェイトの様子が気になったが、ひとまずアニューの説明を聞くことにした。


アニュー「合成複製体(キメラクローン)……それは複数の遺伝子を合成させて生み出された特殊な人間のクローンのことで、組み合わせた遺伝子の相性が良い程身体能力等のポテンシャルが高くなり、組み合わせ次第ではオリジナルを超える可能性を秘めた存在になる……と言うのが、ここの研究者達の見解の様です」

ツナ「ここの研究者達は、その……合成複製体(キメラクローン)でしたっけ? そんな存在を何の為に生み出そうとしたんですか?」

アニュー「残念だけど、今ある研究レポートではその目的まではわからないわね……」

フェイト「……アニュー、その研究レポート私の方で預かるよ。もしかしたら、ここの研究者達の中に広域犯罪者がいるかもしれないから、元の世界に戻ったら調べてみるよ」

アニュー「わかりました。お願いします」

フェルト「じゃあ、私はこのノートパソコンを……」


フェルトがノートパソコンを回収しようとした……その時、突如フェルトのデジヴァイスが輝き出し、それに合わせてノートパソコンも光り出した。


フェルト「えっ!? 何っ!?」

フェイト「フェルトのデジヴァイスが光って……!?」

アニュー「し、しかもパソコンまで光ってる!?」

ツナ「い、一体何が……!?」


少しして光が治ると、ノートパソコンは鮮やかなピンク色のタブレット端末へと形を変えた。


フェルト「ぱ、パソコンの形が変わった……軽くて持ちやすい。それに……」


フェルトはタブレット端末のキーボードを素早いタッチで操作して行く。


フェルト「凄い……このタブレット端末、アダプターが無いのにバッテリーが無尽蔵で充電されてバッテリー切れの心配が無いし、ネットワーク通信もちゃんと出来てる……それにストレージ、メモリ、CPU等のハードもデスクトップPC以上にハイスペックだわ……」


フェルトはデジヴァイスの輝きによって変化したタブレットPCのハイスペックっぷりに驚いていた。


フェルト「! これって……」

フェイト「どうしたの?」

フェルト「これを見てください」

アニュー「これは、マップ……?」


フェルトはタブレット端末の画面をツナ達に見せると、そこには島のような形をしたマップデータが表示されていた。


ツナ「これ、もしかして……」

フェルト「ええ、ファイル島のマップよ。たぶんパソコンが変化したと同時にこの島全体をスキャンニングしたんだと思う。そして、これはこの研究施設内部のマップデータよ」


フェルトはそう言ってタブレット端末を操作し、研究施設内部のマップデータを表示させると、その構造データ内に8つの点……4つは一箇所に留まっており、残りの4つは固まって移動しているのがわかる。


アニュー「ここに表示されている8つの点って、もしかして……」

フェルト「はい、この研究施設の中にいる私達……正確に言うと、私達のデジヴァイスの反応を指しているんだと思います」

フェイト「じゃあ、この動いていない4つの点はこの部屋にいる私達で、移動している残りの4つの点はアインスやマリア達ってことだね」

フェルト「その通りです。そして、マップをファイル島全体に切り替えると……」


フェルトは再びファイル島のマップを表示させると、研究施設にいるツナ達以外のデジヴァイスの反応がファイル島内の他の場所にあることがわかるのだった。


フェイト「私達以外のデジヴァイスの反応が……っ! もしかして!」

フェルト「はい、なのはさん達も私達と同じようにデジタルワールドへ次元漂流する前にデジヴァイスを手にしてました。だから、この反応のほとんどはなのはさん達のものだと考えて良さそうです♪」

フェイト「そっか……デジヴァイスの反応があると言うことはなのは達は無事なんだね。良かった……♪」


フェイトは逸れた仲間達が無事であることに安堵するが……


アニュー「でも、それにしては数が少し多くないですか? なのはさん、はやてさん、翼さん、ギンガさん、響ちゃん、調ちゃん、切歌ちゃん……この7人以外にも反応があと4つありますよ」

フェイト・フェルト『え?』


アニューのその言葉にフェイトとフェルトはタブレット端末のファイル島のマップを見ると、アニューの言った逸れた仲間……なのは・はやて・翼・ギンガ・響・調・切歌の7人だと思われる反応以外にもあと4つ反応があるのだった。


フェイト「この4つの反応は一体……?」

フェルト「恐らくですけど私達以外にこのデジタルワールドへ転移された人間がいて、その内の1つは……」

ツナ「! もしかして、炎真……?」

アニュー「その子がツナ君と同じようにデジヴァイスとパートナーデジモンを得ているならその可能性は高いわね♪」

ツナ「そうですね。やっと炎真を見つけられる手掛かりを得られました♪」

フェイト「良かったね、ツナ♪」

ツナ「はい。フェイトさん達も逸れた仲間の皆さんを見つけられそうで良かったです♪」

フェイト「うん、本当に良かったよ♪ あ、そうだ。フェルト、その端末はフェルトの私物として使って」

フェルト「え? 良いんですか?」

フェイト「うん。元々データが入って無かったし、フェルトのデジヴァイスに反応して変化したみたいだから、フェルトに使って貰った方が私達にとって大きな助けになると思う♪」

フェルト「わかりました。それじゃあ御言葉に甘えて、この端末を使わせていただきます♪」


フェルトはそう言って、タブレット端末のロック解除のパスワード等最低限必要な設定を行った後、端末の電源を付けたまま蓋を閉じ、鞄に仕舞うのだった。


ツナ「俺達の進んだルートってこの部屋が最後でしたっけ?」

フェイト「そうだね。もうここで調べられることは無いし、アインス達と合流して外に出よう」

フェルト「はい」

アニュー「了解です」


資料室を調べ終わったツナ達は別ルートを進んでいたマリア達と合流すべく、資料室を後にした。
















資料室から出たツナ達が来た道を戻る中……


ツナ「あの、フェルトさん。ちょっと良いですか?」

フェルト「? 何?」


ツナは近くにいたフェルトに話しかける。


ツナ「フェイトさんのことで少し気になることがあって……」

フェルト「フェイト義姉さんがどうかしたの?」

ツナ「はい……さっきのフェイトさん、合成複製体(キメラクローン)のことで物凄く怒っている様に見えたんですけど、何かあったんですか?」


ツナは先程のフェイトが合成複製体(キメラクローン)のことで静かな怒りを露わにしていたことが気になり、フェイトの義妹であるフェルトにその理由を聞いてみたのだ。

ツナの質問にフェルトは一瞬目を見開くが、すぐに困ったような笑みを浮かべる。


フェルト「そっか、ツナ君にもそう見えたんだね……まあ、フェイト義姉さんが合成複製体(キメラクローン)のことで怒っている理由は大体想像がつくけど……ごめんなさい、これは私の口から軽々しく言えることじゃ無いし、フェイト義姉さん自身もあまり聞いて欲しくないと思うから、その質問に答えることはできないわ……」

ツナ「あ、いえ、謝ることじゃないんで、気にしないでください! 誰にも話したくないことの1つや2つはありますから……(実際、俺にもあまり人に話したく無い秘密はあるし……自身がマフィアの次期ボス候補であることとか……まあ、マフィアのボスになる気は無いけど……)」


ツナも自身がマフィアの次期ボス候補であること等人に話したくない秘密があるので、フェルトの謝罪の言葉に気にしないよう言うのだった。


ツナ「取り敢えず、フェイトさんのことは無理に聞くつもりはありません。きっと本人にとって何か辛いことがあったと思うから……だけど、もしフェイトさんが合成複製体(キメラクローン)のことで無茶をする様なことがあれば、その時は問答無用でフェイトさんを止めますし、助けたいと思います……フェイトさんは俺にとって大切な『仲間』ですから。あ、勿論フェルトさんやアインスさん達もそうです」

フェルト「ツナ君……ありがとう♪」


ツナの真剣なその言葉にフェルトは笑顔を浮かべて感謝の言葉を述べた後、フェルトはツナの顔をまじまじと見つめていた。


ツナ「あ、あの、フェルトさん、どうかしました? 俺の顔をまじまじと見ていますけど……///」

フェルト「あ、ごめんね。出会った時から思ってたんだけど……ツナ君とこうやって一緒にいると、まるで前から知っているみたいな、懐かしい感じになるの♪」

ツナ「そ、そうなんですか?///」

フェルト「うん♪ 私達、デジタルワールドに来るより前に何処かで会ったこと無いかな?」

ツナ「あ、いや、流石にそれは……」


残念ながらツナはフェルトと出会ったのはデジタルワールドが初めてなので、流石にそれは無いと否定しようとした……その時。


キィィィ……ッ!!

ツナ「っ! うっ、ぐうっ……!?」

フェルト「ツナ君!? どうしたの、大丈夫!?」


突如襲って来た激しい頭痛にツナは呻き、フェルトはそんなツナを心配する。


フェイト「フェルト、どうしたの!?」

フェルト「ね、義姉さん、ツナ君が急に頭を抱えて苦しそうにしていて……!」

フェイト「ツナが!?」

アニュー「ツナ君、大丈夫!? しっかりして!」

ツナ「うぐっ、がああ……っ!!」


ツナは今も尚正体不明の頭痛に襲われ、苦しそうに呻いており、そんなツナの瞳の色彩は……『金色』に輝いていた。

そして、ツナはそのまま……


ツナ「う……」

フェイト「っ! ツナ!?」

フェルト・アニュー『ツナ君!!』


意識を失って倒れるのだった……
















Side ??


俺は青いライダースーツのような服を身に纏い、見知らぬ通路の中を移動していた。

その通路は普通のと違って重力が無く、体が浮いているのを感じていた。

俺は通路の壁際にあるレバーに掴まりながら移動し、曲がり角まで行くと壁を蹴って慣性のまま次の通路を進む。

すると……


フェルト『○○……』

??『フェルト……?』


長いピンクの髪をポニテールにし、宇宙服のようなスーツを着用したフェルトさんがいた。

俺はいつもとは違う声でフェルトさんの名を呼び、彼女の前に着地した。


??『どうして、ここに?』

フェルト『ええと、その……これを……///』

??『花……?』


フェルトさんは少し頬を赤く染めながら、後ろに隠していたプラスチック製のケースの中に入れられた黄色の『花』を俺に渡して来た。


フェルト『リンダさんがラボで育ってたんだって……貴方に、あげたくて……///」

??『ありがとう、フェルト……』


リンダさんって誰だと思いながらも、俺はフェルトさんに感謝の言葉を述べながらケースに入った黄色の花を受け取り、それを手に持っていたスーツと同じ青色のヘルメットの中に入れた。

この時の俺は無愛想だなぁと内心自分に対して文句を言ったのは秘密である。


フェルト『マリナさんに怒られるかな……?///』


フェルトさんは両手を後ろに回してもじもじしていた……って言うか、マリナさんって誰? マリアさんの間違いかな? って言うか、もじもじしてるフェルトさんが凄い可愛い……///

そんなフェルトさんに対して、俺は……


??『彼女とはそんな関係じゃない。ガンダムに行く』


やはりと言うべきか、目の前のフェルトさんの可愛いさにデレなんてものを感じること無く、無愛想かつ淡々とそう返してフェルトさんから離れていた。

……何だろう、俺はこの時俺自身を凄く殴ってやりたいと物凄く感じていた。殴って良いよね? ってか、ガンダムって何だよ!?

そんな女心がわかっていない無愛想極まりない俺にフェルトさんは……


フェルト『あ……死なないでね、○○!』

??『……了解』


まるでこれから戦場へ向かおうとしている俺に対して、死なないでと見送りの言葉を送り、そんなフェルトさんに対して俺は相変わらず無愛想で淡々としてるけど、しっかりとフェルトさんの言葉に答えた。

俺の意識はそこで途切れた……
















ツナ「……ん……んん……あれ? ここは……?」

フェルト「あ! ツナ君!」

ブイモン「ツナ〜〜!!」

フェイト「目が覚めたんだね。良かった……♪」

アニュー「ええ、本当に良かったです♪」

アインス「ああ、フェイト達からいきなり倒れたと聞いた時は本当に驚いたよ」

マリア「そうね」


正体不明の頭痛により意識を失っていたツナが目を覚めたことに、ずっとツナを心配していたフェルトやブイモン、フェイト、アニュー、そして先程合流したアインスやマリア達が安堵の表情を浮かべていた。

ブイモンに至っては「ツナ〜!! ツナ〜!!」と泣きそうな表情でツナの胸にくっついていた。


ツナ「フェルトさんにブイモン、フェイトさん、アニューさん、それにアインスさんやマリアさん達も……一体、何が……?」

アンジュ「それはこっちの台詞よ」

クリス「お前、いきなり頭を抱えて苦しそうに呻いて、仕舞いには気絶したってもんだから、あたしらもお前に一体何があったのか聞かせて欲しいもんだぜ」

ツナ「あはは、心配かけてすみません……俺自身、自分でも何が起きたかよくわからないんです」

マリア「そうなのね……」

アニュー「取り敢えず、気休めにしかならないと思うけどこれを飲んで」


アニューはそう言って、綺麗に透き通った薄緑色の液体が入ったティーカップを渡す。


ツナ「これは?」

アニュー「私は医者だから薬品類や薬草は常に所持していて、これは頭痛に対して効果のある薬草とリラックス効果のあるハーブを調合して、飲みやすいようにハーブティー煎じたものよ♪」

ツナ「流石アニューさんですね。
いただきます……あ、全然苦くないし、寧ろ美味しいです♪」

アニュー「ふふふ、ありがとう♪」


ツナはアニューから貰ったハーブティーを飲み切ると、立ち上がるのだった。


ツナ「ご心配をおかけしてすみませんでした。俺はもう大丈夫なんで、そろそろここを出ましょう」

ブイモン「ツナ、本当に大丈夫なのか?」

フェルト「無理しなくて良いんだよ?」

ツナ「大丈夫です、アニューさんのハーブティーのおかげでだいぶ良くなりましたから♪」

アニュー「それは良かったわ♪ だけど、もし体調に何か変化があれば遠慮なく言ってね?」

ツナ「はい、ありがとうございます♪」

アンジュ「それじゃあツナも起きたことだし、さっさとここから出ましょう」

アインス「ああ」


ツナが正体不明の頭痛で倒れると言うトラブルがあったが、フェルトが手にしたハイスペックのタブレット端末により逸れた仲間達の居場所を突き止めたツナ達は研究施設から出ようとした……その時、突如何処からか大きな爆音が聞こえたと同時に、研究施設内が揺れ出したのだ。


ツナ「っ!?」

フェルト「きゃあっ!?」

アニュー「な、何!?」

クリス「な、何だよ、この揺れは!?」

フェイト「一体何が起きてるの……!?」

アインス「わからないが、野生デジモン達が研究施設の近くで暴れているか、もしくは……!」

アンジュ「デビモンって奴がオーガモンみたいな凶悪なデジモンを差し向けて、ここにいる私達に攻撃を仕掛けて来たのかもしれないわ!」

マリア「兎に角、この研究施設がデジモンの攻撃を受けていることは間違いないわ!」

クリス「ここが崩れる前に脱出だ!」

ツナ「わかりました! 急いで出ましょう!」

フェルト「うん!」

アニュー「ええ!」


ツナ達はデジモンの攻撃を受けて崩壊寸前の研究施設からの脱出を目指し、急ぎ足で通路を駆けるのだった。
















それから数分後、ツナ達は何とか研究施設の入口まで辿り着くと……


ツナ・アインス・クリス『うわぁっ!?』

フェルト・マリア・フェイト・アニュー・アンジュ『きゃあっ!?』


大量のミサイルがツナ達に向かって飛んできて、ツナ達は咄嗟に入口の壁に隠れて回避する。

壁に隠れながら入口付近を見ると、そこには戦車に似た姿をしたデジモンの大群が頭部の砲身からミサイルによる砲撃を放ち、研究施設を攻撃するのが目に映るのだった。


ツナ「あの戦車みたいなデジモンは……!?」

ブイモン「『タンクモン』だ! しかもかなりの数だ!」

ワームモン「成熟期の中でも火力の高いデジモンだよ!」

アインス「くっ! 明らかに私達を狙ってる……どうやらデビモンが差し向けたデジモン達のようだ!」

クリス「どうする!? このまま隠れていても、いつかはこの研究施設が崩れてペシャンコだぞ!」

ツナ「こうなったら……俺とブイモンが囮になってあいつらの注意を引きつけます。ライドラモンの機動力ならやれる」

ブイモン「おう! 任せろ!」

アインス「なら、私とワームモンも囮になろう。スティングモンも機動力ならライドラモンに劣らないからな」

ワームモン「うん、任せて!」

ツナ「マリアさん達は俺達があいつらの注意を引き付けている内に、ここから遠くへ避難してください」

マリア「わかったわ」

フェイト「2人とも無理しないでね」

ツナ「はい!」

アインス「ああ!」


マリア達の避難ルートを確保すべく、砲撃による攻撃を仕掛けて来る成熟期のサイボーグ型デジモンーー『タンクモン』達の注意を引き付ける陽動役を買って出たツナとアインスは……


《挿入歌:Break up!》

ツナ「デジメンタルアップ!」

ブイモン→ライドラモン「ブイモン、アーマー進化!! 轟く友情! ライドラモン!!」

アインス「ワームモン、進化だ!」

ワームモン→スティングモン「うん! ワームモン進化〜!! スティングモン!!」


ブイモンとワームモンをそれぞれライドラモンとスティングモンへと進化させた。

そして……


ライドラモン「サンダーボルト!!」


ライドラモンが全身から雷撃を放ち、タンクモン達の放ったミサイルを相殺する。

それにより爆煙が発生し、目標を視認出来なくなったタンクモン達の砲撃が一瞬止んだ。

タンクモン達のその隙を突いて……


ライドラモン「ライトニングブレード!!」

スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」


ツナを背中に乗せたライドラモンと、アインスを肩に乗せたスティングモンがそれぞれ雷撃刃とスパイクによる刺突をタンクモン達に繰り出し、撃破して行く。


アインス「今のうちだ!」

ツナ「早く避難を!」

マリア「ええ!」


ツナとアインスの指示を聞いたマリア達は研究施設の入口から飛び出し、森の中へと避難して行く。

それを確認したツナとライドラモン、アインスとスティングモンは……


ツナ「さてと……急いでこいつらを蹴散らすぞ!ライドラモン!」

ライドラモン「おう!」

アインス「行くぞ、スティングモン!」

スティングモン「ああ!」


猛スピードでタンクモンの群れに向かって行き、何とか態勢を立て直したタンクモン達は迫り来るライドラモンとスティングモンに対して頭部の砲身から超強力なミサイルを発射する『ハイパーキャノン』を連続で放つが、ライドラモンとスティングモンは高い機動力でその砲撃を躱して行く。


ライドラモン「サンダーボルト!!」


ライドラモンは口から雷撃弾を連射して放ち、タンクモン達を感電させて行く。

ライドラモンの得意技であるサンダーボルトは出力の調整次第では全身から雷撃を放って広範囲の敵を攻撃するだけでなく、ツナを背中に乗せた状態でも口から雷撃弾を連射して放つことが可能等、必殺技のブルーサンダーより威力は劣るが、使い勝手の良い技である。

さらにライドラモンは……


ライドラモン「ライトニングブレード!!」

ズバアアッ!!


サンダーボルトと同様ツナを背中に乗せた状態でも使用可能なライトニングブレードで複数のタンクモン達を斬り裂く。

一方、スティングモンは……


スティングモン「ムーンシューター!!」


光弾を連射してタンクモン達の砲身を潰しながら、猛スピードで接近し……


スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」


両腕からスパイクを展開し、2つのスパイクによる刺突を2体のタンクモンに直撃させ、そのまま後方にいる他のタンクモン達ごとまとめて串刺しにするのだった。


アインス「よし! 良いぞ、スティングモン!」

ツナ「この調子で蹴散らすぞ! ライドラモン!」

ライドラモン「おう!」

スティングモン「ああ!」


ライドラモンとスティングモンは陽動役をこなしつつも、順調にタンクモン達の数を減らすのだった。

一方、森の中に避難したマリア達は……
















グレイモン「メガフレイム!!」

フェアリモン「ブレッザ・ペタロ!!」

ダークティラノモン「グオオオオッ!!」

?「ガアアアアッ!!」


避難した先に待ち構えていた、かつてツナとフレイドラモンが交戦したことがあるダークティラノモンと、空にいる3体の真紅の複眼を持った黒い成熟期の邪竜型デジモンーー『デビドラモン』の襲撃に遭い、マリアとアニューはすぐさまアグモンとララモンをグレイモンとフェアリモンに進化させて迎撃する。

ダークティラノモンは同じパワータイプのグレイモンが押さえてくれるから良いものの、空にいるデビドラモン達は成熟期の中でも戦闘力が高く、それの相手をするフェアリモンにとって数は勿論パワーでも劣る為、フェアリモンだけでは3体を押さえ切れる筈も無かった。


フェアリモン「トルナード・ガンバ!!」

デビドラモン「グオオッ!? グルルルッ……ガアアアアッ!!!」

フェアリモン「きゃあっ!?」

アニュー「フェアリモン!!」


フェアリモンは必殺技のトルナード・ガンバをデビドラモンの1体に繰り出すがパワー不足で倒し切れず、逆にデビドラモンの反撃による一撃でぶっ飛ばされた。


グレイモン「フェアリモン!! くそっ、コイツ……!」

ダークティラノモン「グオオオオッ!!」

マリア「グレイモン! お願い、頑張って!」


ダークティラノモンとの押し合いを繰り広げるグレイモンはデビドラモンに押されているフェアリモンの加勢に向かいたいが、目の前のダークティラノモンも中々手強く、その相手をするだけで手一杯であった。

グレイモンとフェアリモンの包囲網を突破した2体のデビドラモン達がマリア達に向かう中……


ドルモン「メタルキャノン!!」

テリアモン「ブレイジングファイア!!」

パタモン「エアショット!!」


ドルモン達がパートナーを守るべく、向かって来るデビドラモン達に必殺技を連続で放つ。

しかし……


デビドラモン達『ガアアアアッ!!』

テリアモン・パタモン『うわあああっ!?』

クリス「テリアモン!!」

アンジュ「パタモン!!」


テリアモンとパタモンがデビドラモン達の攻撃で返り討ちに遭い、ぶっ飛ばされた。


ドルモン「くそっ! メタルキャノン!!」


辛うじてデビドラモン達の攻撃を避けたドルモンは諦めずにメタルキャノンを繰り出すも、やはり成長期と成熟期の差は大きいのか、デビドラモン達に蚊に刺された程度のダメージしか与えられずにいた。


プロットモン「ドルモン! 私がデビドラモン達の動きを止めるから、その隙を狙って!」

ドルモン「わかった!」

プロットモン「パピーハウリング!!」


プロットモンがパピーハウリングでデビドラモン達の動きを封じようとするが……


デビドラモン達『グ、グルルルッ……ガアアアアッ!!!』

ドルモン「なっ!?」

プロットモン「そ、そんな! パピーハウリングが効かない!?」


パピーハウリングで一瞬動きを封じられたデビドラモン達はすぐに金縛りを解くと……


デビドラモン達『ガアアアアッ!!』

ドルモン「うわあああっ!!」

プロットモン「きゃあああっ!!」

フェイト「ドルモン!!」

フェルト「プロットモン!!」


デビドラモン達は唖然とするドルモンとプロットモンを殴り飛ばした。

フェイトとフェルトはすぐさまデビドラモンに殴り飛ばされたドルモンとプロットモンの傍に駆け寄るが……


デビドラモン達『グルルル……ッ!!』

フェイト「っ!? か、体が……!」

フェルト「う、動かない……!?」


2体のデビドラモンは真紅の複眼ーー『レッド・アイ』でフェイトとフェルトを睨み付け、2人の動きを封じる。

そして、フェイトとフェルトにとどめを刺そうと、2体のデビドラモンは真紅の巨大な爪を構えながら2人に近く。


アニュー「フェイトさん!フェルトさん!」

マリア「2人とも逃げて!」

クリス「くそったれ!」

アンジュ「ダメ、間に合わない!」


アニュー達はフェイトとフェルトを助けようと駆け出すが、それよりも早くデビドラモン達の爪が2人に近付きつつあった。


フェイト「ふぇ、フェルト……!!」

フェルト「ふぇ、フェイト義姉さん……!!」


フェイトとフェルトは互いの名を呼びながら、フェイトは大事な妹であるフェルトを守ろうと、フェルトは敬愛する姉のフェイトを守ろうと、動けない体を必死に動かし、迫りくる死の恐怖に対して抗っていた……その時。


ドルモン「フェイトは……!」

プロットモン「フェルトは……!」

ドルモン・プロットモン『僕/私が、守るんだああああっ!!!』


痛む体を起こし、その体を微かに輝かせるドルモンとプロットモンが渾身の体当たりをデビドラモン達に食らわせる。


デビドラモン達『グオオオッ!?』


ドルモンとプロットモンの渾身の体当たりを受けたデビドラモンは予想外の威力に大きくぶっ飛んだ。


フェイト・フェルト『っ! はあ、はあ、はあ……う、動いた……!』


ドルモンとプロットモンのおかげで、デビドラモンのレッド・アイの拘束から解放されたフェイトとフェルトは荒い息をしながらも体が動くのを感じると……


フェイト「フェルト……!!」

フェルト「フェイト義姉さん……!!」


2人は互いに無事であることへの喜びから抱き合った。

例え実の姉妹でなくても、フェイトはフェルトを愛すべき『妹』として、フェルトもフェイトを敬愛する『姉』として、互いに大切な存在として想い合っているからこそ、互いに生きていることが嬉しいのだ。

そんな2人の『姉妹』の姉妹愛に反応してか……


ドクンッ……!

フェイト・フェルト『っ!』


2人は何かが鼓動するような感覚を感じた。

それはマリアやアインス、アニュー達がアグモンとワームモン、ララモン達が進化する前に感じたのと同じものであった。

それと同時に、フェイトとフェルトのデジヴァイスから眩い光が放たれる。


デビドラモン達『グオオオッ!?』

フェイト「私達のデジヴァイスが……!」

フェルト「輝いて……!」

ドルモン「力が……!」

プロットモン「漲って来る……!」


2人のデジヴァイスから放たれる光にデビドラモン達は思わず怯むのと同時に、ドルモンとプロットモンの体が輝き出し、痛む体が癒えて立ち上がる力が漲って来るのだった。

そして……


《挿入歌:brave heart / Be The Winners》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。
 
ドルモン→ラプタードラモン「ドルモン、進化ーーーー!! ラプタードラモン!!」

プロットモン→ダルクモン「プロットモン、進化ーーーー!! ダルクモン!!」


ドルモンは全身が『クロンデジゾイドメタル』と言うデジタルワールドにしか存在しない未知の金属でできた装甲で覆われた翼竜の姿をした成熟期のサイボーグ型デジモンーー『ラプタードラモン』に、プロットモンは『戦場の女神』と呼ばれる4枚の羽を持つ女性の天使の姿をした成熟期の天使型デジモンーー『ダルクモン』にそれぞれ進化するのだった。


フェイト「ドルモンが、進化した……!」

フェルト「プロットモンが、天使に……!」

デビドラモン達『グ、グオオ……グオオオオッ!!』


ドルモンとプロットモンが進化したラプタードラモンとダルクモンにフェイトとフェルトは見惚れる中、2体のデビドラモンは一瞬怯むもラプタードラモンとダルクモンに向かって行く。


ラプタードラモン「さっきはよくもフェイト達を……!」

ダルクモン「フェルト達の命を奪おうとしたその行為……万死に値する!」

ラプタードラモン「行くぞ、ダルクモン!」

ダルクモン「ええ!」


ラプタードラモンとダルクモンも2体のデビドラモンに向かって行き……


ラプタードラモン「くらえ!クラッシュチャージ!!」

ダルクモン「ラ・ピュセル!!」

デビドラモン達『ガアアアッ!?』


ラプタードラモンは鋭利なクロンデジゾイドメタルの装甲を生かした突撃、ダルクモンは細身剣『ラ・ピュセル』による斬撃でそれぞれ2体のデビドラモンにダメージを与えた。


アニュー「凄い!」

マリア「やっぱり進化すると違うわね!」

グレイモン「これは僕達も……!」

フェアリモン「負けてられないわ!」


ラプタードラモンとダルクモンの活躍を見て、グレイモンとフェアリモンも負けてられないと自身を鼓舞するのだった。


デビドラモン「ガアアアッ!!」


フェアリモンと対峙するデビドラモンが爪による攻撃を繰り出すが……


フェアリモン「甘いわよ! ブレッザ・ペタロ!!」

デビドラモン「グオオッ!?」


フェアリモンはブレッザ・ペタロでデビドラモンを怯ませた後で懐に入り込むと……


フェアリモン「トルナード・ガンバ!!」

デビドラモン「ガアアアアアッ!?」


高速の回転キックによる連続攻撃を浴びせ、さらには……


フェアリモン「ロゼオ・テンポラーレ!!」

デビドラモン「グオオオオッ!!?」


両足から交互に素早いキックを放ち、最後の蹴り上げでデビドラモンを大きく蹴り飛ばした。

一方、ダークティラノモンと対峙するグレイモンは……


グレイモン「うおおおおおっ!!」

ダークティラノモン「グオオオオッ!?」


爪や尻尾による肉弾戦でダークティラノモンを押していた。


グレイモン「グレートアントラー!!」

ダークティラノモン「ガアアアアアッ!?」


グレイモンの頭部の角による攻撃を受けたダークティラノモンは体を持ち上げられ、そのまま後ろへ大きく押し飛ばされた。

グレイモンの攻撃で押し飛ばされたダークティラノモンと、フェアリモンの連続で蹴り飛ばされたデビドラモンは……


ダークティラノモン・デビドラモン『ガアアアアアッ!?』


運悪く互いに衝突し、そのまま地面に倒れ伏した。

その隙を見逃すまいとグレイモンとフェアリモンは……


グレイモン「フェアリモン!」

フェアリモン「了解! ブレッザ・ペタロ!!」

グレイモン「メガフレイム!!」


グレイモンのメガフレイムによる火炎と、フェアリモンのブレッザ・ペタロによる竜巻が合わさって炎の竜巻と化し、その炎の竜巻による攻撃は……


ダークティラノモン・デビドラモン『ギャオオオオオオオオオオオッ!!?』


ダークティラノモンとデビドラモンを飲み込み、2体は断末魔の叫びを上げながら焼き尽くされ、そのままデータの粒子となって消滅した。

一方、2体のデビドラモンと激しい空中戦を繰り広げるラプタードラモンとダルクモンの方も決着を迎えようとしていた。


デビドラモン「グオオオオッ!!」

ラプタードラモン「うおおおおおっ!!」

フェイト「頑張って、ラプタードラモン!」


フェイトの声援を受けたラプタードラモンは猛スピードでデビドラモンに向かって行き……


ラプタードラモン「クラッシュチャージ!!」

デビドラモン「グオオオッ!?」


再びクラッシュチャージをデビドラモンに食らわせ、デビドラモンの態勢を崩させると同時に懐に入り……


ラプタードラモン「とどめだ! アンブッシュクランチ!!」

デビドラモン「ッ! ガ、ガアアア……ッ!!?」


鋭い歯で一瞬にしてデビドラモンの急所を噛み千切り、急所を噛み千切られたデビドラモンは断末魔の叫びをあげることさえ叶わず消滅した。

そして、もう1体のデビドラモンと交戦するダルクモンも……


フェルト「ダルクモン!」

ダルクモン「これで終わりよ! バテーム・デ・アムール!!」

デビドラモン「ギャオオオオオオオオオオオッ!!?」


ラ・ピュセルによる華麗なる剣技でデビドラモンを斬り刻み、その剣技を受けたデビドラモンは断末魔の叫びを上げながら消滅した。


フェルト「フェイト義姉さん!♪」

フェイト「やったね、フェルト!♪」

パシッ!♪


フェイトとフェルトは勝利のハイタッチを交わすのだった。


マリア「ふう〜、一時はどうなるかと思ったけど……何とかなって良かったわ……」

クリス「それにしても、ドルモンとプロットモンが進化するとはなぁ……」

テリアモン「僕達も頑張らないとね」

パタモン「うん、僕達も進化してアンジュ達を守れるようにならないと」

アンジュ「頼りにしてるわよ、パタモン♪」


ダークティラノモンとデビドラモン達の襲撃を乗り越えたマリア達は安堵していた。

そして、アニューは座り込んでいるフェイトとフェルトの元に駆け寄る。


アニュー「フェルトさん、フェイトさん、大丈夫ですか?」

フェイト「うん、大丈夫だよ。ただ……」

フェルト「ちょっと足に力が入らなくて、暫くは立てないかも……」

アニュー「まあ、危うくデビドラモンに殺されるところでしたから仕方ないですね」


アニューの言う通り、ドルモンとプロットモンの助けがあと1歩遅かったら、フェイトとフェルトは間違い無くデビドラモンに殺されていたので、死の恐怖から解放された2人が脱力してしまうのは仕方ないだろう。

アニューが立てないフェイトとフェルトを診ている中……


ラプタードラモン「っ! フェイト!!」

ダルクモン「フェルト!!」

フェアリモン「アニュー、後ろ!!」

フェイト・フェルト・アニュー『え?』


ラプタードラモン・ダルクモン・アニューの言葉にフェイト・フェルト・アニューの3人は後ろを見ると……


デビドラモン「グオオオオッ!!」

フェイト・フェルト・アニュー『なっ!?』

マリア「あれはデビドラモン!?」

クリス「もう1匹いたのかよ!?」

アンジュ「3人とも危ない!!」


先程倒した3体とは別のデビドラモンがフェイト・フェルト・アニューの3人に迫っており、爪による攻撃を仕掛けようとしていた。

3人は回避しようにも間に合いそうに無く、フェイトはフェルトを庇う為に彼女を抱き締め、アニューはフェイトとフェルトを庇う為2人の前に立つが、デビドラモンの前には意味を為さないだろう。

ラプタードラモン達もパートナーを守る為に猛スピードで移動するが、後一歩間に合いそうに無い。

デビドラモンの爪がフェイト達3人を今にも貫こうとしていた……その時、1つの影がデビドラモンとフェイト達の間に現れた。

その影は……


超ツナ「ナッツ! 形態変化・防御モード(カンビオ・フォルマ・モード・ディフェーザ)!!」

ナッツ『ガオオオオッ!!!』


陽動役でタンクモン達の相手をしていたツナであり、フェイト達の危機を超直感で察知した彼はハイパー化し、猛スピードで救援に駆けつけたのだ。

駆けつけたツナは大空のリングVer.Xの中にいるナッツに指示を出し、ナッツは左手のXグローブと合体し、輝きと共にその姿を変えていき……


超ツナ「I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!!」


ボンゴレI世ことジョットが使用していた大空の炎を灯した黒いマントーー『I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)』へと形態変化するのだった。

ツナは迫りくるデビドラモンの爪に対し、I世のマントで防御すると……


デビドラモン「ッ! ガアアアアッ!?」


デビドラモンの爪は疎か右腕が大空属性の特性である『調和』により石化し、そのまま崩れたのだ。

デビドラモンは自身の右腕が石化し、喪失したことに悲鳴を上げた。


フェイト・フェルト・アニュー『つ、ツナ(君)!』

超ツナ「3人とも、怪我は無いか?」

フェイト「う、うん」

アニュー「え、ええ」

フェルト「だ、大丈夫だよ」

超ツナ「そうか……間に合って良かった」

フェイト・フェルト・アニュー『っ!///』


フェイト達が無事であることに安堵の笑みを浮かべるツナ。

ハイパー化しているツナのその笑みがあまりに綺麗で、フェイト・フェルト・アニューの3人は思わずドキッとするのだった。

そんな中、フェルトはツナを見て……


フェルト(刹那……?///)


新暦世界へ次元漂流する前の、今は亡きかつての仲間にして家族の1人であった『刹那』と言う名の少年とハイパー化しているツナを重ね合わせるのだった。


デビドラモン「グ、グルルルッ! ガアアアアアッ!!!」


デビドラモンは右腕を失ったことに対して怒り狂い、残った左腕の爪による攻撃をツナに仕掛けるが……


超ツナ「怒りで周りが見えていない様だな。お前の相手は『後ろ』にもいるぞ?」

デビドラモン「ッ!」


ツナが不敵にそう言い放ったと同時に……


ライドラモン「ブルーサンダー!!」

アインス「スティングモン!」

スティングモン「スパイキングフィニッシュ!!」

デビドラモン「ッ!? ギャオオオオオオッ!!!」


タンクモン達を倒し終えたライドラモンと、アインスを肩に乗せたスティングモンがデビドラモンの背後に現れ、それぞれ必殺技をデビドラモンに向けて放つ。

2体の攻撃を受けたデビドラモンは断末魔の叫びをあげながら消滅した。


フェルト「アインスさん!」

アニュー「ライドラモンに、スティングモンも!」

アインス「皆、無事か?」

フェイト「うん、大丈夫だよ。アインス達も無事で良かった♪」

アインス「ああ♪ だが、まだ油断はできない。先程のように敵の増援があるかもしれないからな」

超ツナ「そうだな。このまま安全な場所まで移動しよう」

マリア「そうね、行きましょう」


マリアとグレイモンから退化したアグモンはライドラモンに、アインスとクリスとテリアモンはスティングモンに、フェイトとアンジュとパタモンはラプタードラモンにそれぞれ乗り、フェルトとアニューはそれぞれダルクモンとフェアリモンに抱き抱えられる形で、そしてツナはXグローブの炎で飛翔し、敵の増援が来る前に戦場だったその場所から離れる様に移動するのだった……
















全てが漆黒の闇で形成された空間の中に、1体の成熟期の堕天使型デジモンがいた。

そのデジモンの名はデビモン、『ムゲンマウンテン』と言うファイル島に存在する山の主で、ファイル島に存在する成熟期の中でも屈指の実力者である。

同時にオーガモンやダークティラノモン、タンクモン、デビドラモン等の凶悪なデジモンを従わせ、エアドラモンやモノクロモン達を黒い歯車で操り、ツナやフェルト達の命を狙う黒幕でもあった。

デビモンは黒い歯車に魔力を宿し、それを介して外の様子を鮮明に映し出した魔鏡で、先程のツナ達とタンクモン・ダークティラノモン・デビドラモン達の戦闘を見ていたが……


デビモン「己……!!」


デビモンは魔鏡に映るフェルトのダルクモンを見て怒りを露わにし、まるで地獄の底から響くような声で言葉を紡ぐ。


デビモン「プロットモンめ……遂に進化したか……!!」


ダルクモンを見るデビモンの目は憎悪を超えて、不倶戴天の敵を見るような激しい何かを宿していた。

それもその筈、デビモンのような堕天使型デジモンにとって、ダルクモンのような天使型デジモンは互いに相容れない宿敵同士で、最も警戒すべき存在なのだから。

最も警戒する宿敵に進化できる可能性を秘めた『2体』の内の1体ーープロットモンがダルクモンに進化したものだから、デジタルワールドの支配を企んでいるデビモンは自身の最も障害となる存在の出現に少しばかり焦っていた。

しかし……


デビモン「ふんっ、まあいい……ダルクモンだけであれば、何とかなるだろう……光の存在であるダルクモンが私の天敵であるように、闇の存在である私は奴の天敵でもあるからな。だが……」


すぐに平静を装い、ダルクモンに対してそう結論付けたデビモンの目はダルクモンからもう1体の警戒すべき存在へと移る。


デビモン「もう片方の奴も進化してしまった場合、流石の私も敵わん……早々に手を打たねばな……」


デビモンの目に映るのは……アンジュのパタモンであった。

アンジュとパタモンに、デビモンの魔の手が静かに迫りつつあった……


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