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曇天に哭く修羅

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第四部
  Aブロック 3

 
前書き
これ以上引っ張るのもあれなのでAブロックはここで終わらせます。 

 
橘花 翔(たちばなしょう)》が外装を解放する。


()(にじ)れ。【ギルミルキル】」


赤いスポーツシューズが変化して西洋鎧のパーツに見える、脛当(すねあて)の[グリープ]と靴の[サバトン]と化す。

色は相変わらず『赤』だ。


「解放したことで身体強化が増した。【魔晄機能/ゼロブレイク】も『超速移動』が追加されたから覚悟してもらうぞ」


翔が対抗手段として選んだのは特攻。

彼の防御なら暫くは《クリス・ネバーエンド》の攻撃を受け続けても問題ないので大丈夫な間に終わらせようというつもりらしい。

翔は【抑封規制(ストイック)】による強制停止を破るとクリスの人形から放たれる銃弾の雨を食らいながら彼女にストレートパンチ。

しかし思わぬ事態。


「馬、鹿な……!」


クリスは自分の胸に沈み、背中から突き抜けている翔の腕を掴みながら彼に伝える。


魔晄極致(サードブレイク)・【泥の魔王(ボルボロス)】」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


クリスの体が輪郭(りんかく)を失いながら、曖昧な形となって流動していく


(ネバーエンドは魔術師として一つの到達点に辿り着いたというのか。一度ならず二度までも、俺が読んだ先を行くとはな……!)


翔は頭の中から紫闇と春斗を消す。意識をクリスへと集中させる。でなければ勝てない。翔はクリスをそれほどの相手と判断した。


(問題はどう攻撃を当てるかだが)


今やクリスは人の形を成していない。

黒い泥で出来たスライムのよう。

その体が伸びて翔へと襲い掛かり、躱したところを外装の火器と絶対不可避ノ領域によるコンボで罠に嵌めるようにして攻める。


「あの泥の魔王とかいう異能で変えた体もミサイルやビーム程じゃないが、そこそこ攻撃力が有る。しかも流動性だけじゃなく粘着性まで有るから下手に近付くと捕獲されかねない」


どれだけ打撃を加えても、油を含んだヘドロのような滑らかさで受け流すクリスの体にはどんな攻撃が通じるのだろうか。


「異能を使うか。【紫電孤虐(しでんこぎゃく)】」


翔が紫電を纏いステータスを向上。

敵が触れれば感電する。


(水や空気も速く動けば手応えが出る。もっと速く、もっと鋭く攻撃しよう)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


クリスは押されていた。


(ショウの奴、一体どこまでパワーとスピードが上がるのよ……。勢いだけで私の液状化した体を切り裂いただけでなく、風圧と衝撃で吹っ飛ばしてくるだなんて……!)


クリスの体はバラバラになっても千切れた破片が集まって元に戻るし破片が残らないほど消されても、増殖で補うことが出来る。

しかしそれも魔晄(まこう)が尽きるまで。

激しい複数の外装召喚を行う【特質型】であることに加え、物量攻撃を得意とし、効果は大きいが異能も常時発動に近いものばかり。

魔晄の消費を考えると早いところで勝負を決めたいというのがクリスの本音。

おまけに翔が使う紫電孤虐の電撃は、100%ではないがクリスの流体ボディにも効く。


「一気に行きますか」


クリスは液状化した体を一気に広げ、そこから大量に触手のようなものを伸ばし、それらを尖らせてから固体にする。

武台の半分を覆う黒い沼と刃の波。


「勝負に出たか。なら此方(こちら)も」


翔が超能力【超人加速(オクロック)】でこれまでとは比較にならない爆発的な加速を見せ、超能力の【盛者必衰/ウィフォール】で間合いを調整しながら互いのステータスを増幅・減衰。


「俺と彼奴(あいつ)のラッシュ。どちらが上かな」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


クリスは変形させた体から生やした硬質の液状ブレードを重ねて波のようにする。

押し寄せた刃の波に、翔は幾つもの残像を出しながら殴り砕き、吹き飛ばす。

優勢なのは翔。

クリスの攻めと再生より、翔が攻めて押し返す方が有利に進んでいる。

しかしこれは計算の内。

こうなることは判っていた。

クリスの思い通りだ。

彼女のやろうとしていることは、彼女の近くに居るほどやり易いのだから。

そして黒い泥の波を跳ね飛ばしてきた翔が十分な位置までクリスに近付く。


(これで止めよ)


泥の魔王が反応すると、翔がいきなり自分の胸を押さえて膝を着いた。

口からは血が(こぼ)れる。


泥の魔王(ボルボロス)は自分の体を固体や液体だけじゃなく、『気体』にも出来る。本当はまだ隠しておきたかったんだけどね」

「……気体、に変えた体を……俺の体内に入れ、それを……ブレード、に……したのか」

「でも思ったより平気みたい。もしかして体内に魔晄防壁を張ったの?」


翔は膝を着いたままの状態から急にクリスの足を掴んで捕らえる。

彼女は液体になっており、手で掴むようなことは出来ない筈なのに。


魔晄神氣(セカンドレイク)・【深遠玄士(ディークロース)】、魔晄極致/サードブレイク・【破魔砕星(バサドーネ)】、使うのが間に合って良かったよ」

「え?」


クリスの能力が使えなくなった直後、跳ね起きた翔の一撃が意識を刈り取った。 
 

 
後書き
翔君は打撃メインで戦いますけど本来はインファイターじゃなくアウトボクサー。

深遠玄士(ディークロース)を使ったタイミングは体内からの気体ブレードを少し喰らった後。

血を吐くぐらいのダメージを受けることでクリスを油断させました。

破魔砕星(バサドーネ)は足を掴む直前に発動させました。効果範囲が広くないので。

泥の魔王(ボルボロス)はワールドトリガー《エネドラ》のあれそのままです。

深遠玄士は元ネタが解らないように名前を違うものに変えています。

破魔砕星の方はカタカナの読みが元ネタと同じで漢字もかなり元ネタに寄せました。

説明してない能力の紹介はこの作品が終わった後か、気が向いた時にするかもしれません。

クリスは原作だと魔晄極致が無い。

翔は運が良かった。今作クリスの持つ最後の能力が出たら負けてたかも。
(。-ω-) 
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