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おぢばにおかえり

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第五十九話 先輩と神戸でその三十三

「話しかけもしない」
「そうした態度なのね」
「かなり露骨なんです」
「そうした癖性分ってことね」
「そうしたとこはなおしなさいっていつも言っています」
 それこそ何かあればです。
「阿波野君の為にもよくないですから」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「彼はちっちにはどうなのかしら」
 私に尋ねてきました。
「それで」
「いつも笑ってべたべたしてくる感じです」
 もう私が気付いていなくても近寄ってきて声をかけてきてです、それから本当に私のすぐ傍から離れないです。
「先輩先輩って」
「そうなのね、思った通りね」
 先輩は私の言葉に微笑みました、そうして言うのでした。
「いい感じね」
「いい感じですか?」
「とてもね」
 こう言うのでした。
「それは期待出来るわね」
「そうなんですか」
「ええ、私応援するから」
「応援ですか」
「ちっちと彼のことをね」
「応援って阿波野君先輩のことを」
 あれだけ酷いことを言っていましたし。
「それでもですか」
「ええ、それでもね」
 私に焼売を食べながら言いました。
「私はね」
「私と阿波野君のことをですか」
「応援するわ。頑張ってね」
「はい、同じ大教会の後輩ですし」
 私は先輩に笑顔で答えました。 
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