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夢幻水滸伝

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第百四十四話 見えてきた勝利その九

「それはまず有り得ません」
「その通りだ、そうそう上手くいくものか」
 今度は室生が言ってきた、弓矢を放つとそれはさながらビームの様になりそのうえで敵軍を一直線に切り裂いていく。
 その矢を放ってからだ、彼は雅に話した。
「世界は人がどう動いてもだ」
「ある程度何とかなりますが」
「ある程度までだ」
 あくまでというのだ。
「そこから先は神仏の領分だ」
「神仏の力はどうにもなりません」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「人の考えて動くことがな」
「全てはですね」
「その通りにはならない、だが」
「それでもですね」
「自分と相手の状況とだぎゃ」
 坂口は槍を振るった、そこから出す衝撃波でこちらに来た敵の戦車隊を薙ぎ倒す。そうしてから言うのだった。
「そのある程度までをだぎゃ」
「出来ればだ」
「勝てるだがや」
「その通りだ、これでもだ」
「芥川の思い通りになっていない部分もあるだがや」
「そうだ、しかしだ」
 それでもとだ、室生はさらに話した。
「そこはだ」
「一人の力の及ばない部分はだがや」
「我々が埋めろ、それでも神仏の力には及ばないが」
「人の領分をかなり上げられるだがや」
「だからだ」
「わし等も戦っているだがや」
「その通りだな、ではだ」
「これからもだがや」
「攻める」 
 まさにというのだ。
「このままな」
「そうするだぎゃな」
「このままな、そして戦局だが」
「七割ですね」
 雅は冷静な言葉で言ってきた。
「今は」
「それだけか」
「はい、日本に傾いています」
「かなり押していると言えるが」
「しかしです」
「まだだな」
「軍勢同士の戦はかなり傾いています」
 日本に対してというのだ。
「ですが」
「一騎打ちか」
「星の方々同士のそれがです」
「まだ決まっていないな」
「ここで一勝でもして」
 そしてというのだ。
「その方が軍勢同士の戦に参戦されればです」
「それだけ傾くな」
「今は七割がです」
 それだけ日本有利な状況がというのだ。
「限度でしょうか」
「それ位か」
「はい、今は一騎打ちの結果待ちです」 
 そうした状況だというのだ。
「どうしても」
「まあそっちもだがや」
 坂口はその星の者達の一騎打ち、戦場で激しく行われているそれを見て雅に応えた。
「そろそろだがや」
「決着がついてきますね」
「そうなるだがや」
「そうだな、しかもだ」
 室生も一騎打ち、二十二のそれを見て述べた。
「中里とトウェイン、芥川とメルヴィルのそれはまだだが」
「それでもだがや」
「後の二十はだ」
 それだけの一騎打ち、即ち天地人のそれはというのだ。
「そろそろだ」
「決着がつくだがや」
「それも我々の勝利でな」
「やはりあれだぎゃ」
 坂口はエキドナを召喚した、そうして毒の嵐を出してそれで敵軍を攻め吹き荒れる猛毒の雨と暴風で倒しつつ言った。 
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