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ドリトル先生の野球

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第八幕その三

「本当にね」
「そうそう、先生はね」
「間違ってもそんなことしないよ」
「そんな人じゃないよ」
「私達も保証するわ」
「先生はそうした人じゃないって」
「反面教師にしているよ」
 ああした人になってはいけないと思いつつ見ているというのです。
「本当にね」
「そこが先生だよ」
「悪い人には絶対になるまいとする」
「そして人のいい部分を見るとそうしようと思って」
「それで努力するからね」
「そうありたいね、ただね」
 先生はサンドイッチを食べつつ少し苦笑いになりました、甘いサンドイッチの味が口の中に一杯になっても。
「僕は自分がスポーツをするとなると」
「ああ、その場合はね」
「先生はね」
「ちょっと、ね」
「スポーツは不得意だから」
「どうしてもね」
「出来ないね、努力したら多少は変わるだろうけれど」 
 それでもというのです。
「そもそもが好きじゃないしね」
「やっぱり先生は学問の人ね」
「学問に努力しているわね」
「いつもそうしていて」
「それで励んでいるよね」
「学問は好きだしね、自分がやりたいそしてなりたいものを目指す為のものなら」
 そうしたものならというのです。
「努力すべきだよ」
「そうだよね」
「しっかりとね」
「あの人もそうしているし」
「それならね」
「是非ね、試しにね」 
 先生は紅茶を飲みつつまた言いました。
「今から野球部の室内練習場か室内グラウンドに行ってみようか」
「ああ、室内で走れる」
「鉄棒とかもある場所だね」
「サーキットがあってそこを走れる」
「いい場所だね」
「陸上部がよく使っているけれど」
 その室内グラウンドはというのです。
「彼も走っているかも知れないから」
「だからだね」
「今からなのね」
「ティ―タイムが終わったら」
「行ってみるのね」
「そうしようか、雨でも練習出来るなら努力する人は練習しているよ」
 先程お話した様にというのです。
「素振りをしてランニングをして」
「そうしてだね」
「汗をかいて」
「そこから結果を出す」
「そうする様にしているんだ」
「おそらくね、だから」
 それ故にというのです。
「いいね」
「うん、じゃあね」
「ティータイムの後で行きましょう」
「皆でね」
「そうしましょう」
 動物の皆は先生に応えてでした、そのうえで。
 先生と一緒にロイヤルミルクティーとティーセットを楽しんで、でした。そうして皆で室内グラウンドに行きました。
 するとそこで、です。彼が野球部のユニフォームと帽子、スパイク姿で走っています。それも汗をかいて。
 先生はその彼を見てにこりと笑って言いました。
「やっぱりそうしていたね」
「汗かいてるね」
「今寒いのに」
「それでもね」
「随分汗かいてるよ」
「それを見たら」
 その汗をというのです、走る速さもかなりのものです。 
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