| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

外伝~異端の天使~



~レヴォリューション・ブリーフィングルーム~



「ふむふむ…………あたしがいた世界とは異なる世界である”ゼムリア大陸”…………そしてあたしを転位させた別次元の”零の至宝”………ふふふっ、その”別次元の零の至宝”とやらが何故あたしをこのゼムリア大陸に転位させたかについては非常に知りたいが、残念ながら今のあたしの知識では”並行世界”に移動してそのあたしを転位させた”零の至宝”とやらを見つける事は不可能だから、不本意ではあるがその件については諦めるにしても、その”零の至宝”とやらには感謝しなければならないな。」

「え……か、”感謝”ですか……?」

「自分が全く知らない世界に飛ばされた事について、怒ったりとかしないのかしら?」

説明を聞き終えた後に呟いたレジーニアの言葉を聞いたプリネは困惑し、レンは不思議そうな表情で訊ねた。

「そもそもその”零の至宝”とやらはこことは別次元の世界にいる存在との事なのだから、怒りを抱いた所で意味がない上非生産的な事だろう?それに”研究者”のあたしからしたら、今のあたしの状況はまさに”夢”のようなものだからね。何せ”研究対象が世界そのもの”なんだからね。」

レンの質問に対して答えた後意味ありげな笑みを浮かべたレジーニアの様子を見たリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「リィンさん達から話には聞いていましたが、”天使”として随分と変わった性格をされた方ですね……」

「うふふ、基本的に”魔族滅すべしが天使として一般的な考え”よりはよっぽど話がわかるから、レン達にとってはその方が都合がいいじゃない♪――――――ちなみにリィンお兄さん達が拾ってきたもう一人の天使―――ルシエルお姉さんだったかしら?そっちの方がどんな性格なのかしら?面識はあるのでしょう?」

我に返って苦笑しているプリネに小悪魔な笑みを浮かべて指摘したレンはレジーニアに訊ねた。

「ルシエルかい?彼女はそれこそ他の天使同様、君が今言ったような”天使として一般的な考えの持ち主”だよ。知と力を併せ持った戦闘型の天使で、階級に見合う戦闘能力もそうだがそれ以上に優れた智謀で状況に合った戦術を導き出して戦場を駆ける頭脳派だよ。しかも彼女が保有する部隊も強力な事もあって、魔族との戦いでも高い戦果を上げてきたからね。」

「へえ?まるでルファディエルお姉さんみたいな天使さんね。」

「問題は彼女が大半の天使としての一般的な考えである”魔族を忌み嫌っている”点ね……目を覚ました後、自分が今いる場所が自分にとっては”魔族”に分類される闇夜の眷属(わたしたち)の飛行艇の中だと知った瞬間、戦闘に発展しなければいいのだけど……」

レジーニアの答えを聞いたレンは興味ありげな表情を浮かべ、プリネは複雑そうな表情で呟いた。



「……今はエリゼとエリスに看病させていますが……レジーニアさん、ちなみにそのルシエルさんは”人間”についてはどういう考えの持ち主なんですか?」

「さて……そもそもあたし達がいた”イムニス山脈”は人間族の居住には適さない数々の高山から成る土地だから人間なんて滅多に姿を現さなかったからね。たださっきも言ったように彼女もそうだが”天使として一般的な考え”を持つ天使達は魔族に与している人間族以外の人間族に対しては敵対心等は抱いていないよ。それに頭脳派である彼女は幾ら自分が今いる場所が魔族達の拠点と知っても、その場で暴れるような事はせず冷静に状況を確認、判断してから行動に移すと思うよ。」

「なるほど……少なくても私達が闇夜の眷属と知った瞬間こちらの話を聞かずに暴れるような天使でない事は幸いね……」

「すぐに行動に移さずにこっちの状況を確認してから何らかの行動に移す方がレン達からすればある意味そっちの方が厄介でもあるのだけど……ま、その辺はリィンお兄さんに任せるしかないわね。」

リィンの質問に対して考え込みながら答えたレジーニアの推測を聞いたプリネは僅かに安堵の表情を浮かべ、疲れた表情で呟いたレンは意味ありげな笑みを浮かべてリィンに視線を向けた。



「え”。ま、まさかとは思いますがルシエルさんの事については自分が担当しろと……?」

レンに視線を向けられたリィンは表情を引き攣らせながら確認した。

「クスクス、当たり前じゃない。何せリィンお兄さんには”守護天使”がいる上、”女神”もいるんだから少なくてもレン達よりはリィンお兄さんの話にちゃんと耳を傾けてくれるでしょうし……それにリィンお兄さんだったら、お得意の”無自覚タラシ”で”ルシエルお姉さんも落として”リィンお兄さんのハーレムメンバーの一人になる可能性は十分に考えられるもの♪」

「レン、貴女ね………」

(うふふ、彼女の推測、当たる確率は非常に高いでしょうね♪)

(まあ、今までのリィン様を考えれば、そういう推測を考え付いてもおかしくありませんものね……)

(彼女の階級は今のこの身と同じ”能天使”との事ですから……もし、彼女まで我が主と”守護天使契約”を交わせば第5位の”力天使”に”昇格”するでしょうから、そうなった場合この身は彼女とどう付き合えばいいのでしょう……!?)

(そもそもまだ話すらしていない状況でそんな先のことまで心配するのは幾ら何でも早すぎると思うのだけど……まあ、リィンには”私達という実例”があるから、それこそ実際に話をするようになってから僅かな期間でその展開になる事もありえるかもしれないわね……)

レンの答えを聞いたリィンが再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中プリネは呆れた表情で溜息を吐き、状況を見守っていたベルフェゴールはからかいの表情を浮かべ、ベルフェゴールの言葉を聞いたメサイアは苦笑し、焦りの表情を浮かべているユリーシャの様子を見たアイドスは苦笑していた。



「……”女神”だって?そう言えば君の得物から凄まじい神力を感じ続けている事には気にはなっていたが……まさかその得物は”神の加護が与えられた武具”ではなく、”神自身が宿っている武具”なのかい?」

一方レンの話の中にあったある部分が気になったレジーニアは興味津々な様子でリィンの腰につけられている神剣アイドスに視線を向けた。

「うっ……そうです。――――――アイドス。」

レジーニアの問いかけに対して唸り声を上げたリィンはアイドスをその場に召喚した。

「フフ、初めまして、権天使レジーニア。私の名はアイドス。”慈悲”を司る女神にして古神(いにしえがみ)の一柱よ。」

「!ほう……!現神(うつつかみ)ではなく、古神(いにしえがみ)とは……!リィンだったか。ふふふふっ、君はあたしが今まで出会った人々の中で一番興味深い人物だね。”守護天使”がいる事もそうだが、人間の身でありながら”魔神”どころか”古神”とまで”契約”を交わし、更には”騎神”だったか?その人形の起動者(ライザー)という存在でもあるとは…………――――――決めた。まずは君を調べさせてもらう。本来ならば”あたしが自分で解剖して調べるから、喋る必要はないから生死は問わない”のだが……さすがにそれは先程の”魔神”もそうだがそちらの”女神”も許してくれないだろうからね。それにあたしはこれでも”天使”だ。君がこうして突然異世界に放り出された見ず知らずのあたしを自分達の拠点へと連れてきてくれてあたしの状況も説明してくれた”恩”もあるのだから、その”恩”を”仇”で返すような”天使として失格”な事はしないよ。」

アイドスが自己紹介をするとレジーニアは意味ありげな笑みを浮かべて興味津々な様子でリィンを見つめてある決意をし、レジーニアの決意とレジーニアの口から出た見た目とは裏腹の物騒過ぎる発言を聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



(うふふ、自分が”天使”じゃなかったらリィンお兄さんを解剖するつもりだったのかしら♪)

(というかそれ以前に”問答無用で解剖するという考え”は”天使として失格”だと思うのだけど……実際その証拠に、彼女の”天使としては異端過ぎる考え”が影響しているのか、彼女自身”堕天”しかかっているようだし……)

我に返ったレンは小悪魔な笑みを浮かべてレジーニアを見つめ、プリネは疲れた表情でレジーニアを見つめた。

「え、えっと……それよりも先程から気になっていたんですが、レジーニアさんのその口ぶりですとレジーニアさんは自分が元いた場所に帰るような考えは抱いていないんでしょうか?それに恐らくですがレジーニアさんのお知り合いの方々もレジーニアさんが突然いなくなったことを心配していると思われるのですが……」

一方リィンは話を逸らすために遠慮気味にレジーニアにある質問をした。

「あたしがこの世界に転位するまでに研究していた物を調べられなくなったことは心残りではあるが、そんなものは今のあたしにとっての魅力的過ぎる状況と比べれば”些細な事だ”。それにあたしは周囲から異端だと疎まれていた。あたしが突然いなくなったことを知ったとしても誰もあたしの事を心配しないし、助けに向かうような労力を割く事はしないさ。――――――まあ、あたしと違ってルシエルならばディル=リフィーナ(むこう)の天使達は心配するだろうし、助けの為の労力を割くことも躊躇わないとは思うが。」

「つまりレジーニアお姉さんは”ボッチ”で”引きこもり”な天使さんなのね♪」

「レン……幾ら何でもその言い方はレジーニアさんに対して失礼よ。」

レジーニアの答えを聞いたリィンが冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中からかいの表情を浮かべたレンにプリネは呆れた表情で指摘した。



「うふふ、要するに貴女はご主人様に興味があって、しかも自分がいた世界に帰る意思もないと。だったら私に貴女にとっていい提案があるわよ♪」

「ちょっ、ベルフェゴール!?」

するとその時ベルフェゴールがリィンの身体から現れて口元に笑みを浮かべてレジーニアに声をかけ、ベルフェゴールの様子を見たリィンは驚き

「君は先程の睡魔の魔神か。”あたしにとっていい提案”と言ったが、その”提案”とはどういうものなんだ?」

対するレジーニアは不思議そうな表情で訊ねた。

「ちょっと、貴女の耳を拝借するわね♪ごにょごにょ………」

「……む………確かにそれはあたしにとっても魅力的な提案ではあるが、”天使”のあたしが魔族の甘言に乗る訳には………」

(い、一体何の話をしているのか気になる……ベルフェゴールの事だから、絶対ろくでもない事をレジーニアさんに吹き込んでいると思うし……)

ベルフェゴールはレジーニアに近づいてレジーニアに耳打ちをし、ベルフェゴールに耳打ちをされたレジーニアは迷いの表情を浮かべ、その様子を見て直感で嫌な予感がしたリィンは冷や汗をかいた。



(うふふ、確かに貴女からすれば私は”魔族”だけど私はご主人様の”使い魔”よ?私は”人間族のご主人様の使い魔”として、ご主人様にとってもメリットがあるから貴女にさっきの提案をしただけよ?それに貴女もその目にしたようにご主人様には既にユリーシャ――――――”守護天使”がいる上”女神”もいるんだから、少なくてもご主人様は魔族に組している人間でないし、当然魔族によって洗脳されていない事は貴女も理解できるでしょう?)

(それは………というか、睡魔でもある君が彼の”使い魔”という事はまさかとは思うが、彼は性魔術で君を屈服させたのかな?)

ベルフェゴールの小声の指摘に対して反論できないレジーニアは答えを濁した後興味ありげな表情を浮かべて質問した。

(ええ♪最初はちょっとした”つまみ食い”のつもりで、ご主人様の精をご主人様が気絶するまで搾り取るつもりで襲ったのだけど、ご主人様の予想外の絶倫さとテクニックによって私は性魔術の最中に屈服させられて、ご主人様の使い魔になったのよ♪)

(へえ……それもまた興味深い話じゃないか。人間が性魔術が十八番の睡魔―――それも魔神相手に性魔術で打ち勝って、魔神を屈服させるなんて。)

(も、猛烈に嫌な予感がしてきた……)

ベルフェゴールの話を聞いたレジーニアは意味ありげな笑みを浮かべて興味津々な様子でリィンを見つめ、レジーニアの表情を見て嫌な予感がしたリィンは冷や汗をかいた後疲れた表情を浮かべた。



((この様子だと後もう一押しね♪)――――――それじゃあこういうのはどうかしら?”天使”として”魔神”である私が本当にご主人様に危害を加えないかを見張る為にもご主人様と”守護天使契約”を結ぶっていうのは。それだったら、”天使として間違っていない”でしょう?実際、既に貴女より階級が上である”能天使”のユリーシャがご主人様と守護天使契約を結んでいるし。)

「むむっ………………………………プリネ皇女にレン皇女だったかな?君達に聞きたい事があるのだが。」

ベルフェゴールの更なる意見を聞いて唸り声を上げて真剣な表情で考え込んでいたレジーニアはプリネとレンに視線を向けた。

「何でしょうか?」

「先程お互いに自己紹介をした時にリィンはこの船にいる軍を率いる立場であると言っていたが、もしかして彼は君達の国―――――”メンフィル”という国で結構な権力を持っているのかな?」

「へ…………な、何でレジーニアさんはそんなことが気になっているんですか……?」

レジーニアの質問内容を聞いたリィンは呆け

「”今はあくまでメンフィル軍内ではそこそこの立場”だけど、将来は広大な領土を管理する領主――――――要するに大貴族になる事は内定しているわよ♪」

「なるほど……………………―――決めた。リィン――――――いや、”主”と呼ぶべきかな?あたしも君の”守護天使”になる事を決めたから、改めてよろしく頼む。」

そしてレンの答えを聞いて少しの間考え込んだ後ある結論を出したレジーニアはリィンを見つめて驚愕の言葉を口にし、それを聞いたリィン達は石化したかのように固まった!



「………………え”。」

「え、えっと……何故レジーニアさんは会ってまだ間もないリィンさんの”守護天使”になる事を突然決められたのでしょうか……?」

我に返ったリィンは表情を引き攣らせて呆けた声を出し、プリネは困惑の表情でレジーニアに訊ねた。

「さっきも言ったようにあたしはリィンに興味を抱いて調べることを決めた。何せ”守護天使”どころか、”魔神”と”古神”と同時契約している人間なんて世界広しと言えどリィンくらいだろう。リィンもそうだがリィンの”守護天使”に魔神、そして”古神”……しかもそちらの魔神の話によるとリィンは守護天使達以外他にも高位の竜族とも契約を交わしているそうだな?そんなリィン達をいつでも調べる為やあたしの研究に快く協力してもらうためにリィンの”守護天使”になればいいのじゃないかと、そちらの魔神からの提案があったのだよ。」

「ベルフェゴール!?何でそんなとんでもない提案をレジーニアさんにしたんだよ!?」

「うふふ、私はご主人様にとっても”メリット”があるから彼女にご主人様と守護天使契約を結んだ際の”メリット”を教えただけよ♪」

「貴女は”守護天使契約”を何だと思っているのですか!?―――――それ以前にベルフェゴールの甘言に乗ったとはいえ、自らの知識欲の為だけに我が主との”守護天使契約”を結ぶ等、それが”天使として正しい事”だと思っているのですか!?」

レジーニアの答えを聞いたリィンは疲れた表情でベルフェゴールに指摘し、ベルフェゴールの答えにリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中自分から出てきたユリーシャはベルフェゴールを睨んだ後レジーニアを睨んで指摘した。



「何を言う。これこそがあたしの”天使としての正義”だ。知りたい、調べたい、満たされたい。あたしは今リィンや君達の事で頭がいっぱいだ。」

「クスクス、相変わらずモテモテね~、リィンお兄さんは♪」

「彼女の場合、”そういう意味”でリィンさんに興味を抱いている訳ではないと思うのだけど……」

ユリーシャの指摘に対して堂々と答えたレジーニアのとんでもない答えにリィンが再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中からかいの表情を浮かべているレンの言葉を聞いたプリネは困った表情を浮かべて指摘した。

「仮に貴女のその”正義”が正しいとしても、貴女が満足するまで我が主やこの身達を調べ終えた後は”守護天使契約”を解約して我が主の元から去るつもりなのですか!?」

「幾らあたしが周りからは”異端”と言われても、あたしにだって”天使の誇り”がある。そのような”天使の誇りを汚す事”をするつもりはないよ。それにそちらの二人の話だとリィンは将来相当な権力者になる事が決まっているのだろう?この”ゼムリア大陸という世界”を調べたいあたしにとって、こちらの世界の権力者の協力があった方が色々と助かるだろうからね。ああ、勿論君達”メンフィル帝国”という国にも興味を抱いているよ?あたし達”天使”と魔族を含めた様々な種族が”共存”している国なんて興味深い国だからね。」

ユリーシャの更なる指摘に対してとんでもない答えを口にしたレジーニアの答えにリィン達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「クスクス、話は纏まったようだし、”部外者”のレン達はこの場からいなくなった方がいいわよね、お姉様♪」

「そ、そうね……後は当事者達同士による話し合いでしょうし……」

「ちょっ!?レン皇女殿下!?プリネ皇女殿下!?」

我に返ったレンは小悪魔な笑みを浮かべてプリネに退出を促し、レンの言葉に苦笑しながら同意したプリネはレンと共に部屋から出ていき、それを見たリィンは声を上げた。そして二人が部屋から出ると瞬時に結界が展開された。

「け、”結界”って事はまさか…………」

「うふふ、その”まさか”よ♪という訳で”ごゆっくり”。ほら、ユリーシャも行くわよ♪”守護天使契約”は”天使にとって大切な儀式”なんだから、二人っきりにしてあげた方がレジーニアの為でしょう?」

「うぐぐ……っ!」

これから起こる展開を察して表情を引き攣らせているリィンにからかいの表情で答えたベルフェゴールは悔しそうに唸るユリーシャと共にリィンの身体に戻った。



「ほう、これ程の結界を瞬時に展開できるなんてさすがは”魔神”といった所か。まあ、それはともかく。先程の皇女たちもそうだが魔神達も”空気を読んで今の状況”に持っていってくれたようだから、あたし達はその期待に応えて早速始めようじゃないか。」

「え、えっと………か、考え直した方がいいと思いますけど……ユリーシャの様子からすると”守護天使契約”は”天使にとって非常に重要な儀式”のようですから、目先の事に囚われてそんな衝動的に決めない方がいいと思いますし……」

感心した様子で周囲を見回した後意味ありげな笑みを浮かべて自分に近づいてきたレジーニアを見たリィンは表情を引き攣らせて後ずさりをしながらレジーニアに思い留まるように説得しようとしていた。

「あたしは一度決めた事は曲げない主義なんだ。さあ………いい加減無駄な抵抗はせず、あたしに”守護天使契約”で性行為による快楽や痛みを経験させてくれ、主………ん……」

「ちょっ―――」

しかしレジーニアは聞く耳を持たず、リィンを壁際まで追い詰めるとリィンに口づけをして”性行為による守護天使契約”を始めた。



「フフ………まさかこのような形でずっと望んでいた位階を超えられるなんて、人生わからないものだね。いや、あたしは”天使”だから”人生”と言うのは少しおかしいか……?」

守護天使契約を終えて脱いだ服を着なおしたレジーニアは満足げな様子で口元に笑みを浮かべた後考え込み

「ううっ、エリゼ達に何て言い訳をすればいいんだ……?」

リィンはレジーニアと契約をした事を知った時のエリゼ達の反応を思い浮かべた後疲れた表情で溜息を吐いた。

「フム、何故主は言動と行動が一致しないのだい?先程”契約”を終えた後も何度もあたしの身体を犯して何度も中に出した上、最後はあたしの口の中に押し込んで主のソレを綺麗にさせたじゃないか。」

「う”っ!そ、それは……男の性というか……一度始めると止まらないというべきか……」

しかし意味ありげな笑みを浮かべてある部分に視線を向けたレジーニアの指摘に唸り声を上げたリィンは答えを濁していた。



「まあ、主が快楽を求めてあたしの身体を求めればその求めに応じるのも”守護天使であるあたしの役目”でもあるから、あたしはそんなに気にしていないさ。――――そんな事よりも、”契約”を終えた瞬間に大きくなったあたしのこの胸……これもまた興味深い出来事だ。主は心当たり等はないのかい?」

一方レジーニアはリィンへの指摘を軽く流した後興味ありげな表情を浮かべて守護天使契約を終えた瞬間に急激に大きくなったことで小柄な身体にしてはかなり大きい部類に入る自分の豊満な胸に視線を向けた後リィンに訊ねた。

「いや、そんなこと言われても。”契約”で肉体まで成長したのはレジーニアが初めてだから俺に聞かれてもわからないんだが……」

「うふふ、それに関しては私に心当たりがあるわよ♪」

レジーニアの質問に対してリィンが疲れた表情で答えるとベルフェゴールが出てきてからかいの表情でリィン達を見つめた。



「ほう。ならば早速聞かせてもらおうじゃないか、君の仮説を。」

ベルフェゴールの言葉を聞いたレジーニアは興味ありげな表情を浮かべてベルフェゴールに続きを促した。

「レジーニアも体感したように”守護天使契約”とはいっても、結局は”性魔術”に変わりはないでしょう?で、”性魔術”には”契約”もそうだけど、魔力や体力の増強―――要するに”成長”の効果もあるわ。だから貴女のその胸も”守護天使契約”で貴女が”権天使から能天使に成長した”ように、契約時に”成長”したって事よ♪」

「なるほど……………………それならば、確かに一応筋は通っているな……しかし成長するならば、胸じゃなくて身長や手足の方が成長して欲しかったのだが……」

ベルフェゴールの推測を聞いたリィンが冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中レジーニアは納得した様子で呟いた後若干不満げな表情を浮かべた。



「そのあたりは貴女の”主”であるご主人様の”希望”も関係しているのじゃないかしら♪ご主人様は大きな胸が大好きだから、貴女も”ご主人様の守護天使としてご主人様の希望を叶える為に貴女の魔力がご主人様の魔力と同調した際にご主人様の心の奥底で思っている希望を知った貴女の身体が既に私達の魔力も纏っているご主人様の魔力を利用して貴女の胸を大きくした”のじゃないかしら♪」

「ちょっ、ベルフェゴール!?根も葉もないことを言わないでくれ!」

「むむっ………多少無茶苦茶な部分があるとはいえ、その理論も一応納得できるな………という事は主が何度もあたしの身長や手足がもっと伸びるように望んでくれながらあたしと性魔術をすれば、あたしの身長や手足もこの胸のように成長する可能性も考えられるという訳か………―――フフ、つくづく主はあたしにとって興味深い人物だね。という訳で早速今夜から検証させてくれないかい?」

ベルフェゴールの推論を聞いたリィンが慌てた様子で指摘している中真剣な表情で考え込んでいたレジーニアは意味ありげな笑みを浮かべてリィンを見つめ、レジーニアに笑みを向けられたリィンが冷や汗をかいて表情を引き攣らせたその時

「……今夜は”私の番”という事になっていますから、”抜け駆け”しないでもらえますか?」

エリスが部屋に入ってきてジト目でレジーニアを見つめて指摘した。



「エ、エリス………そ、その……」

エリスの登場に気づいたリィンは大量の冷や汗をかきながらエリスを見つめ

「フフ………レジーニアさんの件については”後で姉様達と共にじっくりと聞かせて頂きます。”――――――そんな事よりも、黒の工房のノルド拠点で私達が保護した天使の方――――――ルシエル様が目を覚まされましたので、それを兄様にお伝えする為にこちらに参りました。」

リィンに見つめられたエリスは膨大な威圧を纏って微笑んだ後気を取り直してリィン達にルシエルの目覚めを伝えた。その後リィンはルシエルの事情を知る為にルシエルの下に向かった――――――

 
 

 
後書き
という訳で予想通りレジーニアが使い魔キャラと化しました!なお、この物語のレジーニアは原作と違いロリ巨乳キャラ化しています(え)それと第三幕での18禁展開はレジーニアを除いても後2~3話発生する事は確定していて、男性側は全て当然の如くリィンです(怒)それとシルフェニアの18禁版も久々に更新しています。勿論話の内容はリィン×レジーニアですww

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧