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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十話 テストの中もその十三

「自殺だけはね」
「したら駄目ね」
「いじめとか会社のこととか」
 そうしたことでだ。
「色々その人の事情があっても」
「それでもよね」
「何とかその場は耐えて」
 そしてだ。
「生きないと駄目だよ」
「本当にそうよね」
「だからね」
 その為にだ。
「僕は思うよ」
「人は生きれるだけ生きるべきね」
「芥川や太宰もそうしてくれたらね」
 芥川なんかは遺書で自分の息子さん達にいざという時は汝達の父つまり自分の様に自殺せよと書いている。
「よかったけれど」
「そうよね」
「そうする人達じゃなかったけれどね」
「それでもなのね」
「思うよ、あとね」
 僕はこうも言った。
「また太宰の話だけれど」
「その自殺した」
「終戦した後に面白いタイトルの作品書いているんだ」
「どんな名前の作品なの?」
「メリー=クリスマスだよ」
 実際に太宰はこの名前の作品を書いている。
「まさにね」
「今に相応しいタイトルね」
「うん、十二月にね」
 詩織さんに笑顔で話した、そしてだった。
 僕達は食堂に向かった、そのうえで二人で食堂に向かった。カレーを食べる為に。


第二百八十話   完


                 2020・4・15 
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