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オズのケーキ

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第七幕その五

「茶道で出す和菓子のね」
「あの色々な配色がですか」
「難しくて」
「自信がないですか」
「三色団子は作れるの」
 自信を以てというのです。
「一色一色でお団子をそれぞれ作って」
「串に刺してですね」
「出来るから」
 だからだというのです。
「いいけれど」
「それが、ですか」
「そう、けれどね」
 それでもというのです。
「淡い赤や青や白で奇麗に配色してるでしょ」
「そうした和菓子は」
「小さい中にね、それがね」
「難しいですが」
「ケーキのそれは出来るけれど」
「他のお国のケーキですね」
「あっ、ロシアのケーキはね」
 ケーキはロシア人のナターシャの言葉に応えました。
「言われてみれば」
「そうなんです、スポンジの柔らかいものでなくて」
「焼き菓子よね」
「クッキーにも似てますね」
「そうしたもので」
 それでというのです。
「あのスポンジのケーキとはです」
「貴女は分けて考えているわね」
「そうしています」 
 こうケーキにお話するのでした。
「ロシアのケーキ、それ以外のお国のケーキだと」
「そうですね」
「考えています」
「そうなのね」
「はい、それで他のお国のケーキは」
「生クリームとフルーツでね」
 そうしたものでというのです。
「配色出来るでしょ、中華菓子もね」
「配色にですね」
「そこまで苦労しないけれど」
「奇麗にしても」
「和菓子のあの小さな中に淡い色で調和も考えて配色して」
「宝石みたいにすることが」
「本当に難しくて」
 それでというのです。
「苦労してるの」
「そうなんですね」
「自信がないわ」
「クッキーさんでも」
「日本といいますと」
 ここでフェアリーの若い人が行ってきました。
「果物だと柿や枇杷ですね」
「そうしたものも使って」
 ケーキはふェアリーの若い人にも応えました。
「お菓子を作っても」
「いいですよね」
「ええ、確かに」
「我が国でも最近作ってます」
「柿や枇杷も」
「そうしています、梨も」
 こちらの果物もというのです。
「洋梨でなくです」
「アジアの梨ですね」
「はい、日本にもある」
 そうした梨をというのです。
「作っていまして」
「食べられるのね」
「そしてお菓子を作る時も」
 その時にもというのです。
「使えます」
「そう、それじゃあ」
「よかったらお使い下さい」
「そうさせてもらうわね」
「どうぞ」 
 フェアリーの若い人はケーキに笑顔で応えました。 
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