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銀河帝国革命

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銀河帝国共産党創設

 
前書き
ようやく本筋に戻れました…… 

 
帝国暦486年/宇宙暦795年5月14日、ラザール・ロボス元帥率いる同盟軍が帝国領内へ侵攻、それを阻止せんとするグレゴール・フォン・ミュッケンベルガー元帥率いる帝国軍とアムリッツァ星域で激突する。戦いは双方ともに譲らず激戦となったものの、多大な損害を出し、消耗戦を嫌った同盟軍はやがて撤退を開始、帝国軍も追撃を行わなかった為、戦闘は終了した。
結果を見れば同盟軍を撃退した帝国軍の勝利と言えるが、艦艇約2万隻以上の損害と200万人以上の死者行方不明者等、同盟軍以上の損害を被っており、手放しで喜べるものではなかった。
しかし、第5次イゼルローン攻防戦、第6次イゼルローン攻防戦と敗北を続けていた帝国軍にとって、久しぶりの大規模会戦での勝利であり、会戦を指揮したミュッケンベルガー元帥の国内での名声は高まり、その権勢は三長官トップである軍務尚書のエーレンベルク元帥や、帝国首相であるリヒテンラーデ侯爵に迫るほどであった。
このミュッケンベルガー元帥率いる宇宙艦隊司令部の増長が、やがてゴールデンバウム朝銀河帝国の歪みに、決定的な亀裂をいれることになるのである。





コノー・オーヴァカーモン村長による邪悪な犯罪を阻止し、マサラ村を解放したカール・ハンソンは、村の住民達から敬意を集めることに成功した。
ハンソンは村に潜伏し住民達に教育を施す傍ら、マオ兄弟を中心に同志となった若者達をドイナカン各地へ派遣、ムノー男爵家の不満を扇動するのと同時に、反男爵家運動の地下ネットワークの形成を実施、元々男爵家の苛烈な搾取に怯えながらも不満を持っていた住民は一定数いたため、ネットワーク形成は着実に進んでいった。
銀河帝国で最も遅れた惑星であり「忘れられた惑星」と呼ばれた惑星ドイナカンは、ハンソンによってこれまでにない急激な変化が訪れようとしていたのである。





帝国暦487年/宇宙暦796年1月15日、マサラ村の集会所では、ハンソンやマオ兄弟以下、13名の革命家達が集まっていた。

「先ずは銀河帝国史上初の社会主義革命政党、銀河帝国共産党の結党に当たり、高い志と勇気をもって集まってくれた同志諸君に、心から敬意を表したい。

今日は歴史的な日だと言えよう。この国の将来と人民の未来が、我々の手にかかっている。その覚悟を持って銀河帝国共産党をスタートさせようではないか!

現在、帝国は時代の大きな分岐点にある。ここで、絶対に道を誤ってはならない。その危機感を、我々は共有しなければならない。政府のもと、人民はあらゆる権利を蔑ろにされている。格差は拡大し、明日の生活の展望すら描けないでいる状態だ。

我々銀河帝国共産党は、ゴールデンバウム朝銀河帝国を打倒しなければならない。困難を乗り越え、全ての人民が安心して生活できる共産主義社会、それを強い決意を持って実現しなくてはならない!

私が革命活動に取り組んでから、それ以前と大きく認識を変えたことが一つある。それは様々な星で生活する人民の素晴らしさだ。私は多くの人民と出会い、対話してきた。帝国産業の担い手として第一線で働く労働者たち、人民の生活に欠かせない第一次産業に従事する農民たち、国家の守護者として戦い続ける兵士たち、これらの素晴らしい人民があるかぎり、来るべき共産主義社会の未来は明るいと私は確信している。

人民が持つこういう素晴らしさを引き出し、責任を持って牽引する。それこそが人民の前衛党である我々銀河帝国共産党の役割である。人民の先頭に立ち、人民と共に戦う。これが銀河帝国共産党である。

ゴールデンバウム朝銀河帝国という強大な敵に対し、社会主義革命に情熱を燃やす多くの同志と共に戦い抜き、人民の期待に応えよう。私が党を代表してすべての責任を負い、必ず結果を出す!帝国政府や貴族共が我々を叩き潰そうとするなら、受けて立とうではないか!

帝国の未来を人民の手に取り戻すために、全党一丸となって戦い抜こう。必ずや社会主義革命を成就させよう。今日をスタートに、人民と共に素晴らしい社会主義国家を作っていこうではないか!

社会主義革命万歳!!共産主義社会万歳!!人民に栄光あれ!!」

「「「社会主義革命万歳!!共産主義社会万歳!!人民に栄光あれ!!」」」

こうして帝国史上初の共産主義政党『銀河帝国共産党』が創設された。
『共産主義社会の実現』を党の最終目標として掲げられ、党の基本任務・民主集中制等の組織原則と規律等を規定した銀河帝国共産党綱領が定められた。また、役員選挙により、以下のようになった。

党委員長:カール・ハンソン
副委員長:マオ・ツォートン
組織部長:マオ・ツェーミン
広報部長:チョウ・エンライ

また、帝国第一革命やロンドリーナ・コミューン革命の失敗の反省から、徹底した秘密主義が採られ、反ムノー男爵家運動の地下ネットワークを駆使し、惑星ドイナカン屈指の大勢力を、瞬く間に築いていったのである。





惑星ドイナカンでの革命の準備は着実に進んでいた。しかし、歴史はまたもやハンソンの予測を大きく裏切ることになるのであった。


 
 

 
後書き
続きもなんとか早めに投稿したいと思っています。 
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