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オズのケーキ

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第六幕その三

「生まれた時から今までしているから」
「随分長い間ですね」
「オズの国が出来てから」
「オズの国が出来てからかなり経ちますけれど」
「その間ずっと家事をされていて」
「それで、ですか」
「皆が言う様に出来ていると思うわ、私もオズの国が出来て暫くしてから生まれて」
 ケーキの生まれはその時からでした。
「物心ついた時から家事をしていて」
「今もですね」
「家事をされていますね」
「それも毎日」
「そうしたらですか」
「そこまで出来る様になりますか」
「そうなのよ、私は凄くないの」
 ケーキはこのことはきっぱりと断りました。
「全然ね」
「充分凄いと思うけれど」
 王女もこう言いました。
「本当に」
「そうですか?」
「ええ、確かに年季とか経験を感じるけれど」 
 それでもというのです。
「貴女には元々才能があったのよ」
「家事の才能が」
「何かとね。お掃除もお洗濯もお料理もお裁縫も」
 そうしたもの全てがというのです。
「才能があって」
「それで、ですか」
「それに加えてね」
 さらにというのです。
「毎日しているから」
「よくなっていますか」
「そうよ、私も家事はしているけれど」
「王女様も」
「だって私の国小さいから」
 王女はケーキに笑ってお話しました。
「国といっても小さな村でしょ」
「だからですか」
「そう、王室も侍女さんとか侍従さんとかいないから」
 そうした人達はというのです。
「家族皆で家事をしているのよ」
「王様も王妃様も」
「お姉様も私もね」
「だから王女様もですか」
「毎日家事をしているの」
「そうですか」
「けれどそれでもね」
 その王女もというのです。
「貴女には負けるわ」
「そうですか」
「貴女は生粋の人ね」
 そうした家事をする人だというのです。
「本当に」
「そうですか」
「だから」
 ケーキにさらに言うのでした。
「今回は貴女がここに来て」
「皆さんを助けていますか」
「大いにね、だから頑張っていきましょう」
「皆で、ですね」
「貴女を中心にね」
「では今からケーキ嬢を讃える歌を作って歌おうぞ」
 そしてとです、リンキティンク王も言いました。
「働いている皆の歌もな」
「そうしてくれますか」
「わしの今の仕事はこれじゃ」 
 歌を作って歌うことだというのです。
「そして踊りもな」
「踊られますか」
「そうしてじゃ」
 王子に応えてさらに言いました。
「皆を楽しませるぞ」
「では宜しくお願いします」
「ほっほっほ、歌って踊られて」
 さらにというのでした。 
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