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オズのケーキ

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第五幕その八

「私は。あとワインは」
「どうなのじゃ?」
「お菓子作りが好きでよく食べるので」 
 それでとです、ケーキはリンキティンク王に答えました。
「お酒もお菓子に合うもので」
「ワインもじゃな」
「そうなんです」
「お菓子に合うものか」
「そうです、紅茶やコーヒーも同じですし」
「成程のう、わしは甘いものに甘いものでな」
 お菓子もお酒もというのです。
「甘いもの尽くしが好きじゃが」
「私は合うものを」
「それもよいのう、では飲んで」
「デザートもですね」
「楽しもうぞ」
 こうしたこともお話してでした、そのうえで。
 皆で楽しく飲んで食べました、そうしてからまた冒険の旅を再開して暫く歩いていると前からでした。
 一人のゴブリンが来ました、緑色のお肌で人間の子供位の大きさでお洒落な感じのつなぎの作業服を着ています。
 そのゴブリンがケーキ達の前に来て言いました。
「あれっ、ケーキさん達かな」
「ええ、そうよ」
 ケーキはゴブリンににこりと笑って答えました。
「今からフェアリーの国に行くの」
「あの森にだね」
「貴方もあの森のことを知っているのね」
「僕の国もあの国とお付き合いがあるからね」
「ゴブリンの国も?」
「あっ、僕達の国はゴブリンだけじゃないんだ」
 ゴブリンは陽気に笑ってケーキに答えました。
「狼も鬼もオークもリザードマンも魔族もいるんだ」
「色々な種族が一緒に住んでいるのね」
「そうなんだ、仲良くね」
「そうしたお国なのね」
「スライムが大統領でね」
「スライムがなの」
「そうした国でね」
 ゴブリンはケーキににこりとしてお話しました。
「よかったら今度来てね」
「そうしていいのね」
「僕達の国も千客万来だから」
 それでというのです。
「だからだよ」
「お邪魔していいのね」
「うん、何時でも誰でもね」
「それじゃあ機会があったら」
「着てね」
「そうさせてもらうわね」
「何か」
 ここでカルロスが言いました。
「オズの国には色々な人がいるね」
「そうそう、エルフやドワーフにゴブリンに」
 ジョージも言います。
「本当に色々な人がいるね」
「人間だけじゃなくて」
 神宝も言うことでした。
「本当に色々な人がいる国だね」
「狐人もいるしお花から生まれた人もいて」
 恵梨香はこうした人達を思い出します。
「それにファンタジ―で出て来る人達もね」
「だってお伽の国よ」
 ケーキが子供達にお話します。
「だから色々な人達が一緒にいるのよ」
「人間だけじゃなくて」
「色々な人がいるんですね」
「そして仲良く暮らしていて」
「こうして普通にお会い出来る」
「そうした国なんですね」
「そうよ、オズマ姫だって人間じゃないでしょ」
 オズの国の可愛らしく聡明な国家元首であるこの人もというのです。
「妖精でしょ」
「あっ、そうですね」
「オズマ姫もそうですね」
「そしてかかしさんや樵さんも人間じゃないですね」
「ムシノスケ教授も」
「チクタクもジャックもつぎはぎ娘も」
「姿形が人間じゃなくてもね」
 それでもというのです。 
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