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曇天に哭く修羅

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第四部
  それぞれの想い 3

 
前書き
_〆(。。) 

 
紫闇が自身の上位存在と戦い始めた日。

午前0:15分。

【龍帝学園】の生徒会室には五年生で生徒会長の《島崎向子(しまざきこうこ)》が居た。

テーブルを挟んだ向かい側にはギリシャで【魔神】となった《アンゲル・シン・シララギ》こと《白良々木天神/しららぎてんしん》が座っている。


「今年はどうなるかなぁ~」


向子が口を開く。


「新人だと龍帝(ここ)の《的場聖持(まとばせいじ)》と《エンド・プロヴィデンス》が()げられるが、恐らく今年は出て来ないんだろう? なら同じ【関東領域】に居るじゃないか」


彼等は【全領域戦争(略して全領戦)】がどうなるかについて話していた。


「天神くんの言ってる新人って栃木の【神明学園/しんめいがくえん】で1年生の《九条天武/くじょうてんぶ》くんだよね?」


あれは良い。とびきりだ。

的場聖持にも劣らぬ戦闘能力。


ともすれば(もしかしたら)、《白良々木眩(ウチのおとうと)》と張り合いかねんからな……。末恐ろしい奴だ」


魔神である天神の弟は、同じく魔神で世界四強の一人とされる魔術師《白良々木眩/しららぎくらむ》なので、比較対象にされる天武がどれだけ異常か解ろうというもの。


「はあー……。優秀な子が出てくれるのは良いことだし嬉しいんだけど、問題は彼のことについてなんだよねぇ……」


今の向子にとって重要なのは、『彼』が全領戦で何処まで成長してくれるか。


「ふっ。流石の島崎向子も《立華紫闇(たちばなしあん)》のことについては頭を悩ませるか」


向子も天神も【プラン】関係者であり、紫闇が【冬季龍帝祭】に向けて【聖域】で自分の上位存在と戦っているのは知っている。


「半月後までにアタシが望む水準に達してなかったら、クリスちゃん、江神君、翔くんの3人には勝てないだろうね」

「今回は《黒鋼 焔(くろがねほむら)》も冬季祭への出場に乗り気なのだろう? それでもその3人の誰かが優勝するかもしれないと?」


プランの関係者は【黒鋼流練氣術】と一族が受け継ぐ【写輪眼】を高く買っている。

鬼神(きしん)]と言われ、【邪神大戦】を終結に導いたともされる《黒鋼弥以覇(くろがねやいば)》の孫である焔も注目されていた。


「ほむほむは100年以上も生まれなかった写輪眼の発現者になった。その後で親御さんも、あの鬼神も目に覚醒したんだから凄いよね~」


焔が()る気になればクリス達に勝てるだろうが、彼女が公式で本気を出すことは無いだろうし、出すわけにもいかない。


「黒鋼焔が【大筒木】の力を存分に奮うには会場が狭すぎるからな……。俺や向子(オマエ)だってそうだろう? 何かしらの制限を付けないと真剣勝負は無理なんだよ……」


天神が感じている通り、地球上で全力を出すと国を越えて環境に影響が出てしまう。

それほど力が頭抜(ずぬ)けている。

佐々木青獅(ささきあおし)》と戦った【領域内戦争】からの僅かな期間で異様に強くなったと言えど、

《クリス・ネバーエンド》

《江神春斗/こうがみはると》

《橘花 翔/たちばなしょう》

では天神達に届かない。

日本以外の魔神なら勝てるだろうが。


「今の立華くんじゃあ厳しいよね~。仕方ないから向子さんが冬季に出ますか。何とかして彼とほむほむが当たってほしいし」


いちおう組み合わせは操作してあるが、今のままでは厳しいものが有る。


「裏方に徹しているだけで出来ることは限られているからな。それに俺も久し振りに島崎向子の戦いを見たい。試合になるかは別として」
 
 

 
後書き
(´ぅω・`) 
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