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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十九話 香織さんの告白その十一

「許されないわ」
「そうなんだ」
「された人が何したの?」
「何か告白したらしいけれど」
「その先輩に?」
「いや、その人のお友達がね」
 このことも聞く限りだ、どうもそうらしい。
「告白してね」
「それでその人が断って」
「何か変な断り方だったらしくてこじれてね」
「告白した人にそういうことしたの」
「何かその時悶着があって」
「暴力振るわれたの?」
「なかったらしいよ」
 相手の人もそんなことはしなかったらしい。
「何でもね」
「それじゃあね」
「そこまでしたら」
「そう、やり過ぎよ」
 幾ら何でもというのだ。
「流石にね」
「だからなの」
「そう、だからね」
「反省してもなんだ」
「許されないわよ」 
 ここまでのことはというのだ。
「人間として最悪よ」
「それじゃあ」
「人間として許されないから」
 だからだというのだ。
「私だったら一生トラウマになるわ」
「そう言われたら僕も」
 正直耐えられる自信はない、次の日から学校に行かなくなる。
「それはね」
「人格変わるわよ」
 そこまでのものだというのだ。
「本当に。しかも自分がされたことじゃないでしょ」
「そうだよ」
「それでそこまでするって」
 眉を顰めさせての言葉だった。
「かなり酷いわよ、残酷過ぎない?」
「残酷と言われたら」
 人を傷付けることをそこまで出来る人はだ。
「確かにね」
「残酷でしょ」
「うん、これはね」
 まさにだ。
「僕も否定出来ないよ」
「人間心に受ける傷は簡単には治らないのよ」
 このことは事実だ、身体の傷もそうだけれど心の傷は下手すると身体のそれよりも遥かに治りにくい。
「それがわかっていなくても」
「やったら駄目で」
「そんな残酷な人もうね」
「一生反省してなんだ」
「後悔して後ろ向きで」
 それでというのだ。
「黙っていればいいのよ」
「香織さんそうした人嫌いなんだ」
「大嫌いになる自信があるわ」
 間違いなくという自信だった。
「絶対にお話したくない位に」
「そうなのね」
「そう、何と言っても」
 それこそというのだ。
「あちらの人が声をかけても」
「そこまで嫌いなんだ」
「そうなれるわ」
「それじゃあ」
「そう、そして」
 それでというのだ。
「お友達にもならないから」
「お話しない位だから」
「そう、けれど義和は違うのね」
「確かに許されないことだけれど犯罪じゃないから」
 だからだ。 
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