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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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沢田綱吉・ヴェルジネルート
  第4話A 爆裂進化グレイモン! 大空と愛の戦乙女達の邂逅

 
前書き
前話の第3話からですが、暫くは下記の3つのルートに分岐して話を進め、何処かのタイミングで合流させます。

A:沢田綱吉・ヴェルジネルート → ツナ・フェルト・アインス・マリア・フェイト・アニュー・アンジュ・クリス

B:古里炎真・コズモルート → 炎真・なのは・奏・はやて・翼・ギンガ・調・切歌

C:立花響・デスティーノルート → 響・セレナ・勇真

最初はAのツナルートから進めて行きます^_^ 

 
正体不明のプレートを拾ったことがきっかけで、全てがデータで構成された世界ーーデジタルワールドに飛ばされたツナは、パートナーデジモンであるブイモンとの運命の邂逅を果たすと同時に凶暴なデジモンーーダークティラノモンの襲撃を受けるが、勇気のデジメンタルと友情のデジメンタルでブイモンをフレイドラモンとライドラモンにアーマー進化させて撃破するのだった。

それからツナとブイモンは安全な場所に腰を落ち着かせ、ツナはブイモンからこの世界やデジモンのことについて色々話を聞いていた。


ツナ「なるほど……さっきダークティラノモンが消滅した時に現れた卵は『デジタマ』って言って、デジモンはデジタマから生まれて、死を迎えるとデジタマに転生して……それを繰り返して生きてるってことなんだね?」

ブイモン「うん、そうだよ。ダークティラノモンも今頃は何処かで転生して新しい生を受けていると思う」

ツナ「そっか……けど、正当防衛とは言えダークティラノモンの命を……1つの命を奪ったことに変わりないんだよね……」


そう言うツナは何処か悲しげであった。

敵とは言え、ツナは相手の命を奪うことを肯定できないのだ。

リボーンを始めとした数人からは甘いと言われるが、そんな心優しいツナだからこそ彼に惹かれる人間がいるのだ。

そんなツナに、ブイモンは……


ブイモン「ツナ……そんなに思い詰めないで」

ツナ「ブイモン?」

ブイモン「死が辛いことなのは俺にもわかるよ……だけど、俺達デジモンにとって一番辛いのはもう一度生きるチャンスを貰えずに、データの残骸としてただ『消滅』していくことなんだ。だからツナがダークティラノモンにしてあげられることは命を奪ったことに対する後悔をするんじゃなくて、ダークティラノモンが良い奴に生まれ変わって、今度は幸せに生きられるように祈ってあげることだよ」


ツナを励ますと同時に、そう諭すのだった。


ツナ「そっか……うん、そうだね。ありがとう、ブイモン」


ブイモンのその言葉に、ツナは優しげな笑みを浮かべながら礼を言うのだった。


ブイモン「どういたしまして。なんたって俺はツナのパートナーデジモンだからね♪」

ツナ「あはは♪ あ、そうだブイモン。この機械について何か知らない?」


ツナはポケットからデジメンタルを収納している謎の機械を取り出し、ブイモンに見せながらそう聞く。


ブイモン「あ、それ『デジヴァイス』だよ♪」

ツナ「デジヴァイス?」


ツナはブイモンの口から『デジヴァイス』と言う単語に疑問符を浮かべる。


ブイモン「ええ〜と、俺も詳しいことはわからないけど……簡単に言うと俺とツナのパートナーとしての証であるし、俺やツナをサポートしてくれるアイテムみたいなもんだよ♪」

ツナ「そっか……あ、そう言えば、ブイモンがフレイドラモンやライドラモンから戻った時にデジメンタルがこのデジヴァイスの中に入っちゃったけど、大丈夫かな?」

ブイモン「たぶん大丈夫だと思うよ。ツナがさっきみたいにデジメンタルアップって言ってくれれば、俺はアーマー進化できると思う」

ツナ「わかった、後で試してみよう。さてと……気になることは大体わかったし、そろそろ炎真を探しに行かなきゃ。俺はブイモンがいてくれたおかげで助かったけど、未知の状況で色々混乱してると思うから……」

ブイモン「俺も手伝うよ、ツナ。ツナの友達ならツナのパートナーデジモンとして放っておく訳にはいかないしな♪」

ツナ「ありがとう、ブイモン。それじゃあ行こう♪」

ブイモン「うん!♪」


ツナとブイモンは炎真を探すべく行動を開始しようとした……その時、遠くから大きい音が聞こえて来た。


ツナ・ブイモン『っ!?』


ツナとブイモンはその轟音に思わずびっくりするのだった。


ツナ「い、今の音は一体……!?」

ブイモン「わかんないけど、近くの海の方から聞こえたよ!」

ツナ「まさか、誰かがダークティラノモンみたいな凶暴なデジモンに襲われてるんじゃ……!」

ブイモン「たぶん、そうだと思う。ダークティラノモン以外にも凶暴な奴はいるし、自分の縄張りに入って来た奴に容赦ない奴もいるから」

ツナ「放って置けない……助けに行こう!」

ブイモン「うん!」


ツナは超死ぬ気モードになり、ブイモンを背に乗せると音が聞こえた方……海がある方に向かって飛翔するのだった。

そして、向かった先にて運命の出会いを果たすことをまだ知らない……
















それは遡ること数分前のことであった……


「マリア〜」

マリア「ん……んん……? ここは……?」


海の近くで気を失って倒れていたマリアは、耳に聞こえて来た声に反応して目を覚ました。

そんな彼女に……


?「あ、起きた。おはよう、マリア♪」

マリア「え?」


マリアは声が聞こえた方に視線を向けると……そこには小型の恐竜の様な姿をした黄色のデジモンがいた。

そのデジモンを見たマリアは……


マリア「…………きゃあああああああああああっ!?」


思わず悲鳴をあげると同時に、後ろへと大きく飛び退いた。


マリア「あ、貴方、何者!? しかも、喋ってる!?」

?→アグモン「僕はナニモンじゃなくて、アグモンだよ♪」


黄色の体をした爬虫類型デジモンーー『アグモン』は満面の笑みで、マリアに自己紹介した。


マリア「あ、アグモン……? あ、貴方は一体何者なの? それに、どうして私の名前を知ってるの?」

アグモン「そんなの、僕がマリアのパートナーデジモンなんだから知ってて当然だよ♪」

マリア「え? パートナーデジモン?」


アグモンの言葉に、マリアが頭の上で疑問符を浮かべていると……


アンジュ「んん……喧しいわねえ……」

クリス「ふわぁ〜……ったく……人が気持ち良く寝てたのに、近くで大声出すなよなぁ……」

マリア「! アンジュ、クリス!」


マリアの近くで倒れていたアンジュとクリスの2人が起き……


フェイト「んん……あれ? ここは?」

フェルト「ふわぁ〜……海、みたいですけど……」

アニュー「ん〜……合宿地の近くにあった海とは、風景が違いますね」

アインス「ふわぁ〜……確かにそうだね」

マリア「フェイト! フェルト! アニュー! アインスも!」


遅れてフェイト・フェルト・アニュー・アインスの4人が目を覚ました。

どうやら、この場にいるのはフェルト・アインス・マリア・フェイト・アニュー・アンジュ・クリスの7人だけのようである。
 
そしてマリアの傍にアグモンがいたように、フェルト達6人の傍にも……


?「フェルト〜♪」

?「おはよう、アインス♪」

?「フェイト♪」

?「アニュー♪」

?「アンジュ〜♪」

?「クリス、おはよ〜♪」

フェルト・アインス・フェイト・アニュー・アンジュ・クリス『え?』


6体の成長期デジモン達がおり、それぞれ声をかけるのだった。

その成長期デジモン達を見たフェルト達6人は……


フェルト・フェイト・アニュー・アンジュ『きゃあああああっ!?』

クリス「うわあああああっ!?」

アインス「な、何だ、君達は!?」


マリア同様驚きの声をあげるのだった。


?→ワームモン「僕はワームモン。よろしく、アインス♪」

アインス「あ、ああ。私は八神リインフォース・アインスだ、よろしく頼む」


最初にアインスが緑色の芋虫のような昆虫型デジモンーー『ワームモン』と互いに自己紹介する。

それに釣られてか……


フェルト「ええと……フェルト・G・ハラオウンです。貴女は?」

?→プロットモン「私はプロットモンよ。よろしくね、フェルト♪」


フェルトは垂れ耳と首にある金色のリングが特徴的な哺乳類型デジモンーー『プロットモン』と……


フェイト「フェイト・T・ハラオウンだよ♪ 貴方は?」

?→ドルモン「僕はドルモン! よろしく、フェイト!♪」


フェイトは額の赤いインターフェースとリスを思わせる大きな尻尾が特徴の獣型デジモンーー『ドルモン』と……


?→ララモン「私はララモンよ、アニュー♪」

アニュー「アニュー・ランスターよ。よろしくね、ララモン♪」


アニューは頭部の黄色の葉っぱとピンク色のつぼみの様な姿が特徴的な植物型デジモンーー『ララモン』と……


アンジュ(XDS)「風鳴アンジュよ♪ あんたは?」

?→パタモン「僕、パタモン! アンジュ、抱っこして〜♪」
 
アンジュ(XDS)「はいはい、甘えん坊さんね♪」

パタモン「えへへ♪」


アンジュは羽のような大きな耳が特徴的な可愛いらしい哺乳類型デジモンーー『パタモン』と……


?→テリアモン「僕はテリアモンだよ〜、よろしくね〜♪」

クリス「お、おう。あ、あたしは雪音クリスだ、よろしくな(か、可愛い! 可愛さが爆発し過ぎて、抱きしめたい!)///」


クリスは先端が手のように器用に動く大きな耳が特徴の獣型デジモンーー『テリアモン』と、それぞれ自己紹介するのだった。

因みにクリスはテリアモンのぬいぐるみのように愛らしい姿に内心メロメロであった(笑)

そして……


マリア「くすっ……そう言えば、貴方にはちゃんと自己紹介して無かったわね。改めまして、私はマリア・カデンツァヴナ・イヴよ。よろしくね、アグモン♪」

アグモン「うん、よろしく♪」

マリア「ええ♪」


マリアがアグモンに自己紹介し、固い握手を交わすのだった。

その後、マリア達はコロモン達からデジモン……デジタルモンスターのこと、そしてこの世界ーーデジタルワールドのことを聞いていた。


アグモン「さっきも言ったかもしれないけど、僕はマリアの……」

ワームモン「僕はアインスの……」

プロットモン「私はフェルトの……」

ドルモン「僕はフェイトの……」

ララモン「私はアニューの……」

パタモン「僕はアンジュの……」

テリアモン「僕はクリスの〜♪」

アグモン・ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモン『パートナーデジモン(だよ/よ)♪』

アグモン「そして、僕達はマリア達が来るのをずっと待ってたんだ♪」

マリア「私達のことを、ずっと……」

クリス「なんか、ずっと待たせて悪かった感じがするな……」

フェイト「そうだね……」

アニュー「ええ……」

フェルト「でも、これからはずっと一緒だよ」

アンジュ「そうね、私達は今こうやって会えたんだもの」

アインス「そうだね。だから、もう君達に寂しい思いはさせないよ」

アグモン・ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモン『うん、ありがとう♪』


マリア達とパートナーデジモン達が微笑ましい雰囲気になった後、マリア達は一旦状況を整理をすることにしたが……


アインス「さてと、ひとまずここがデジタルワールドと言う異世界で、私達が元いた世界では無いことは理解できたが……」

アンジュ「どうやって地球に戻るかね……連絡取ろうにも、スマホの電源が入らないし……」

フェルト「次元漂流の影響で壊れたのか、またはこのデジタルワールドにいる間は使用できないのかもしれないわ」

アニュー「それに念話もダメだわ、誰かと繋がる感じが全く無い」

フェイト「私達が地球からこのデジタルワールドへ次元漂流したきっかけは、あの不可解なオーロラと同時に現れた津波に飲まれたからだと思うけど……」

マリア「一緒に津波に飲まれた筈の調や切歌、翼、なのは、はやて、ギンガ、響達の姿が見えないわ。私達だけこの世界に飛ばされたのか、それとも……」

クリス「あたしらとは別の場所に飛ばされたってことか? そうだとするとかなり厄介な状況だぞ、くそっ!」


デジタルワールドから地球に帰る方法、スマホや念話が使えず連絡できない状況、そして謎のオーロラによる津波で一緒に飲まれた筈の響・なのは・はやて・翼・ギンガ・調・切歌の行方がわからないこと等、現在抱えている問題を解決する方法がわからず、頭を抱えるしか無かった。

そんな中……


テリアモン「クリス、モーマンタイ♪」

クリス「は? モーマンタイって何だ?」

テリアモン「『気にするな、気楽に行こう』って意味だよ。きっと何とかなるよ♪」

アグモン「そうだね、何とかなるよ♪」

ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン『うんうん♪』

クリス「お前達なぁ……まあ、焦っても仕方ないか……」

アインス「確かにね♪」

マリア「ふふふ、そうね♪ ここで悩んでも状況が変わる訳じゃないし、取り敢えず情報収集しましょうか」

フェイト「そうだね♪」

アンジュ「ええ♪」

フェルト・アニュー『はい♪』


マイペースなパートナーデジモン達に若干呆れはしたものの、不思議と何とかなるような気がして来たマリア達は情報収集に動き出そうとしたその時……


アグモン・ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモン『っ!』


アグモン達が突如険しい表情になり、まるで何かを警戒しているかのように戦闘態勢に入っていた。


マリア「アグモン、皆、どうしたの?」

アグモン「何かいる……!」

ドルモン「うん、敵意を感じる……!」

フェイト「えっ!?」


フェイトがドルモンのその言葉に驚くと同時に……何処からか大きな鉄砲水が飛んで来た。


フェルト「きゃあっ!?」

アインス「くっ!」


一同は何とかそれを回避するが、飛んで来た鉄砲水は近くにあった岩壁を大きく削った。


クリス「あ、危ねえ……」

アンジュ「何なのよ、今のは!?」

アニュー「っ! あれは!」


アニューが何かを見つけたらしく、他の面々もその方へ視線を向けると……


?「グオオオオッ!!」


頭からイソギンチャクを生やしたピンク色の巨大なデジモンがマリア達に向かって来ていた。


ララモン「シェルモンだわ!」

アニュー「シェルモン!?」

アインス「あれもワームモン達と同じデジモンなのか!?」

ワームモン「うん! たぶんここはシェルモンの縄張りで、縄張りに入った僕達を敵として見てるんだよ!」

フェイト「そんな!」

ドルモン「兎に角戦うしかない!」

アグモン「行くぞ、皆!」

ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモン『おう/うん/ええ!』

マリア「アグモン、皆! ダメよ、戻って来て!」


迫り来る成熟期の軟体型デジモンーー『シェルモン』からマリア達を守るべく、アグモン達パートナーデジモンは果敢にシェルモンへ向かって行く。


プロットモン「パピーハウリング!!」

シェルモン「グオオッ!?」


プロットモンが高音の鳴き声でシェルモンを金縛りにして動きを止め……


ララモン「シング・ア・ソング!!……〜♪」

シェルモン「グ、オオオ……」


さらにララモンの敵を心地良い歌で眠らせる技によりシェルモンは激しい睡魔に襲われ、動きが鈍って行くと……


アグモン「ベビーフレイム!!」

ワームモン「シルクスレッド!!」

ドルモン「メタルキャノン!!」

パタモン「エアショット!!」

テリアモン「プチツイスター!!」

シェルモン「グオオオ……ッ!!」


アグモン・ドルモン・パタモンはそれぞれ口から火炎弾・鉄球・空気弾を放ち、ワームモンは尻の先端から絹糸のように細いが先端が尖った針の様に硬質な糸を吐出し、テリアモンは両耳をプロペラのように回転させて小型竜巻を発生させ、金縛りで身動きが取れないシェルモンに少しずつだがダメージを与えて行く。


フェルト「凄い!」

クリス「やるじゃねえか、あいつら!♪」

アインス「だが、シェルモン相手に決定打を与えていない様だ」

アンジュ「それなら私達もパタモン達に加勢するわよ!」

アニュー「ええ!」

フェイト「うん!」

マリア「行くわよ!」


アインス以外はそれぞれシンフォギアとデバイスを取り出すと……


マリア「Seilien coffin airget-lamh tron(望み掴んだ力と誇り咲く笑顔)〜♪」

アンジュ「Freewill excalibur tron(煌めく刃は自由なる意志と共に)〜♪」

クリス「Killter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)〜♪」

フェイト「バルディッシュ!!」

フェルト「フォトンアーチャー!!」

アニュー「フォトンリターナー!!」

フェイト・フェルト・アニュー『セーーットアップ!!』


マリア・アンジュ・クリスはシンフォギアを起動させる為の聖詠を口ずさみ、フェイト・フェルト・アニューは愛機であるデバイス達を起動させるセットアップを叫ぶが……


シーン……

アインス以外『………あれ?』

マリアやフェイト達が持つシンフォギアやデバイスは起動せず、静寂な空気が流れるばかりであった。


マリア「ど、どうして!? まさか、訓練用のLiNKERの効力が切れてしまったの!?」

クリス「いや、それならLiNKER無しで起動できるあたしやアンジュが起動できないのは可笑しいだろ!?」

アンジュ「ま、まさか……!」

フェルト「スマホと同じ様に、デバイスやシンフォギアもデジタルワールドで使用できないんじゃ……!?」

アニュー「そ、そんな!」

フェイト「そう言えば、体内から魔力が一切感じられない……っ! まさか、魔法も!?」

アインス「くっ、どうやらその様だ。私も騎士服を纏えないどころか、まったく魔導の力を使えない……!」


マリアやアインス達はシンフォギアやデバイスを起動できないどころか、魔法さえも使えない状態であった。


クリス「くそったれ! ギア無しであんな怪物相手に戦うのは無理があるぞ!」

アインス「確かに……こうなってしまった以上、ワームモン達に任せるしか……」


そんな時であった。


シェルモン「グオオオオッ!!」

ワームモン・ドルモン・パタモン・テリアモン『うわああああっ!!!』

アインス「っ! ワームモン!!」

フェイト「ドルモン!!」

アンジュ「パタモン!!」

クリス「テリアモン!!」


金縛りと睡魔から回復したシェルモンが口から液体を高圧で発射する『ハイドロプレッシャー』でワームモン・ドルモン・パタモン・テリアモンを吹き飛ばす。


ララモン「よくも! シング・ア……!!」

プロットモン「パピーハウリ……!!」


プロットモンとララモンが再びシェルモンの動きを封じる為に技を放とうするが……


シェルモン「グオオオオッ!!」

プロットモン・ララモン『きゃああああああっ!!!』

フェルト「プロットモン!!」

アニュー「ララモン!!」


それよりも早くシェルモンがハイドロプレッシャーを放ち、プロットモンとララモンを吹き飛ばした。

アインス・フェルト・フェイト・アニュー・アンジュ・クリスはシェルモンのハイドロプレッシャーを受けて気絶したワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモンの元へそれぞれ駆け寄り、抱き抱える。

唯一残ったアグモンは……


アグモン「許さないぞ! ベビーフレイム!!」


アグモンはシェルモンのハイドロプレッシャーの的にならない様に動き回りながらベビーフレイムを連続で放つも、シェルモン相手に大きなダメージを与えていなかった。


シェルモン「グオオオオッ!!」

アグモン「うわあああっ!!」

マリア「アグモン!!」


アグモンの動きを捉えたシェルモンが腕を振り下ろし、アグモンはシェルモンの腕によって押さえつけられた。


アグモン「うああああ……っ!!」

マリア「アグモン!! この……!」


マリアはアグモンを助けるべく、近くに落ちていた木の枝を拾うと同時にシェルモンに向かって駆け出すと……


マリア「アグモンを放せえええっ!!」


シェルモンの眼球に向けて、木の枝の鋭い先端を思いっきりぶっ刺した。


シェルモン「グギャアアアアアッ!!?」


シェルモンは刺された眼球の痛みから悲鳴をあげながら体勢を崩し、アグモンはシェルモンの腕から解放された。


マリア「アグモン! 大丈夫!?」

アグモン「ま、マリア……助けてくれて、ありがとう……」

マリア「貴方のことを助けるのは当たり前でしょ? 私達はパートナーなんだから♪」

アグモン「マリア……」


優しげな笑みを浮かべながらそう言うマリアの言葉に、アグモンは嬉しそうにしていた。

そんな時……


ドクン……!

マリア「え?(何、今の……? 何かが鼓動しているような……)」


マリアは一瞬何かが鼓動するような感覚を感じるのだった。

だが、そんな彼女の隙をつくかのように……


アグモン「っ! マリア、危ない!」

マリア「え?」

シェルモン「グオオオオッ!!!」

マリア「っ! きゃああっ!?」


眼球を刺されて怒り狂うシェルモンが頭部のイソギンチャクを触手のように伸ばし、怒りの矛先であるマリアを拘束して締め付けるのだった。


マリア「ああああああっ!!!」

アンジュ「マリア!!」

アインス「待っていろ!」

フェイト「今助けに……!」


アンジュやアインス、フェイトが武器になりそうな物を拾って、シェルモンに締め付けられているマリアを助けに向かおうとするが……


シェルモン「グオオオオッ!!!」

アンジュ「きゃあっ!?」

アインス「くっ!」

フェイト「ち、近づけない!」


シェルモンは近づくアンジュとアインス、フェイトを牽制するかの様に、ハイドロプレッシャーを連続で放つ。

3人は何とか回避して直撃を避けるが、シェルモンの猛攻の前に接近できずにいた。


マリア「ああああああああっ!!!」


シェルモンのマリアを締め付ける力はさらに強くなり、マリアの苦しそうな悲鳴が響く。


フェルト「マリアさん!!」

アニュー「このままじゃ、マリアさんが!!」

クリス「くそったれ! どうしたら良いんだ!?」


フェルト達はパートナーデジモン達が倒され、尚且つシンフォギアやデバイス、魔法が使えない状況の中、打開策が見つからずにいた。

そんな中……


アグモン「マリアを……僕のパートナーを、放せえええっ!!!」


アグモンが突如体から微かな光を放ち、パートナー……マリアを救う為、勇猛果敢にシェルモンへ向かって行く。

そんなアグモンの勇気に応えるかの様に……マリアのスカートのポケットから白色と白銀色の機械……マリアのデジヴァイスが現れ、中央の液晶から眩い光が放たれる。


シェルモン「グオオッ!?」

マリア「っ!」

アグモン「うおおおおっ!!」


デジヴァイスの輝きに呼応して、アグモンの体はさらに輝きを増す。

そして……


《挿入歌:brave heart / Be The Winners》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。

アグモン→グレイモン「アグモン、進化ーーーー!! グレイモン!!」


アグモンは骸骨を被ったような角の生えた頭部に、オレンジベースの体色と青い縞柄が特徴的な成熟期の恐竜型デジモンーー『グレイモン』へと進化した。


アニュー「アグモンの姿が……!」

フェルト「変わった!」

フェイト「あれって、ドルモン達が言ってた……!」

アインス「デジモンの進化か!」

クリス「す、凄え……」

アンジュ「え、ええ……」


アインス達は初めて見たデジモンの進化に驚きを露わにしていた。


グレイモン「グレートアントラー!!」

シェルモン「グオオッ!?」


グレイモンは頭部の角による攻撃をシェルモンに食らわせ、その体をよろけさせるが、シェルモンは一向にマリアを放す気配が無かった。


シェルモン「グオオオオッ!!」

グレイモン「くっ!(あの攻撃でもマリアを締め付ける力を緩めないか! 必殺技を食らわせたいけど、マリアを巻き添えにしてしまう! どうしたら……!)」


グレイモンはシェルモンの腕による攻撃を受け止めながら、未だにシェルモンに締め付けられているマリアを助ける手段を考えていた……その時だった。


ライドラモン「ライトニングブレード!!」

シェルモン「グオオオオッ!?」

グレイモン「っ!」


突如何処からか現れた黒い鎧を纏う獣型デジモンーーライドラモンが電撃の刃を放ち、シェルモンの頭部のイソギンチャクを斬り裂く。


マリア「きゃあああっ!?」


シェルモンのイソギンチャクから解放されたマリアは空中に放り出され、地面へ落ちそうになるが……


マリア「…………え?」


何かに抱き留められた感覚がすると同時に、落ちていた体がその場に止まったのを感じるのだった。

マリアは恐る恐る目を開くと……


超ツナ「大丈夫か?」


額に橙色の炎を灯し、額の炎と同じ色をした綺麗な瞳を持つ茶髪の少年……超死ぬ気モードのツナがマリアを抱き抱えながら、空に浮かんでいるのだった。


マリア「え、ええ、大丈夫よ。ありがとう……///」

超ツナ「気にするな、何とか間に合って良かった」


ツナは笑みを浮かべながらマリアにそう言い、ゆっくり地面へと下ろすのだった。

一方、シェルモンと戦闘中のライドラモンとグレイモンは……


ライドラモン「一旦シェルモンから離れろ!」

グレイモン「っ! わかった!」


グレイモンはライドラモンの意図が分かり、シェルモンを後ろへ押し飛ばす形で距離を取った。

そこへ……


ライドラモン「ブルーサンダー!!」

シェルモン「グオオオオッ!!?」


ライドラモンがすかさず蒼の電撃を放ち、シェルモンを感電させる。

シェルモンは水辺のデジモンだけに電撃は効果抜群で、感電により動きが緩慢であった。


ライドラモン「今だ!」

グレイモン「ありがとう、助かった!」


グレイモンは援護してくれたライドラモンに礼を言うのと同時に……


グレイモン「くらえ! メガフレイム!!」


口から巨大な超高熱の火炎をシェルモンに向けて放つ。


シェルモン「ギャオオオオオオッ!!!」


グレイモンのメガフレイムの直撃を受けたシェルモンは綺麗に放物線を描いて吹き飛び、海の中へ沈むのだった。

シェルモンを撃破したグレイモンはアグモンに、ライドラモンはブイモンにそれぞれ退化し、ツナとマリアの元に向かう。


アグモン「マリア! 大丈夫?」

マリア「アグモン……ええ、大丈夫よ。この通りピンシャンしてるわ♪」

アグモン「良かった〜……君達のおかげでマリアを助けることができたよ、ありがとう♪」

ブイモン「へへっ、気にすんなって♪」

超ツナ→ツナ「運良く近くにいたからね。助けが間に合って良かったよ♪」

マリア(あれ? この子、さっきと雰囲気が違うような……でも、これはこれで可愛くて良いわね♪///)


アグモンは加勢に来てくれたツナとブイモンに礼を言い、ツナとブイモンは気にしない様に言うのだった。

因みにマリアはこの時超死ぬ気モードから戻ったツナの変わり様に疑問符を浮かべつつも、ツナを可愛いと心の中で感想を述べていたとか(笑)


クリス「おーい!」

アインス・フェイト・アンジュ『マリア!』

フェルト・アニュー『マリアさん!』

マリア「皆!」


アインスやアンジュ達、そしてシェルモンの攻撃を受けて気絶していたワームモン達も目を覚まし、マリア達の近くにやって来た。


フェルト「マリアさん、大丈夫ですか!?」

マリア「ええ、アグモンやこの子達のおかげで急死に一生を得たわ♪」

アインス「良かった……仲間を助けてくれて、ありがとう♪」

マリア「ええ、本当に感謝してるわ。ありがとう♪」

ツナ「い、いえ、気にしないでください! 偶然近くにいただけなので!///」


歳上で綺麗な女性であるアインスとマリアに感謝されて、ツナは頬を赤く染めながらそう返すが……


アンジュ「ところで、貴方達は一体何者なの? そっちの青い子はパタモン達と同じデジモンみたいだけど、貴方は人間よね? さっきマリアを助けた時と全然感じが違うけど、二重人格か何かなの?」

クリス「って言うか、お前さっき額が燃えてた上に、手からも炎を出して空飛んでなかったか? あの炎は一体何なんだ?」

フェイト「貴方はこの世界に住んでるのかな? それとも私達と同じように地球からこの世界へ飛ばされたのかな?」

ツナ「え、ええと……///」


アインスとマリアと同じくツナより歳上で綺麗な女性達……アンジュ・クリス・フェイトが詰め寄り、次々に質問されて行くのに対し、ツナはたじろいでいた。

そんなツナを見兼ねたのか……


フェルト「ね、義姉さん、皆! そんなに矢継ぎ早に質問したらダメですって!」

アニュー「その子、困ってますから!」


フェルトとアニューがフェイト・アンジュ・クリスの3人にそう注意したのだった。


フェイト・アンジュ・クリス『あ……ごめんなさい/悪りぃ……』

ツナ「お、俺は大丈夫ですから、気にしないでください///」


フェルトとアニューに言われてツナが困っていることに気付いたフェイト達はすぐに謝罪し、ツナは3人に気にしない様に言うのだった。


マリア「まったく……取り敢えず、場所を変えましょう。ここはシェルモンの縄張りみたいだし、また襲われたら堪ったものじゃないわ」

アインス「そうだね。あれだけのダメージを受けた後ではすぐには襲って来ないとは思うけど、1匹だけとは限らないし、念の為だね」

フェイト「うん、賛成だよ」

アンジュ「私もよ」

クリス「だな。ひとまず落ち着きたいしな」

アニュー「決まりね。あ、もし良かったら、貴方も……ええと……」

ツナ「あ、俺は沢田綱吉って言います。皆からはツナって呼ばれることが多いですから、そう呼んでください♪ そして、この子が俺のパートナーデジモンの……」

ブイモン「ブイモンだよ、よろしくな!♪」

フェルト「よろしく、ツナ君にブイモン♪」

アグモン・ワームモン・プロットモン・ドルモン・ララモン・パタモン・テリアモン『よろしく〜♪』

マリア「ふふふ、後で私達も自己紹介しないとね♪」

アインス「そうだね♪」


シェルモンを撃破したツナ達一向は安全な場所にて休息を取る為、シェルモンの縄張りである海岸付近を後にした。

こうしてフェルト・アインス・マリア・フェイト・アニュー・アンジュ・クリス……誰よりも深い『愛』の心を持つ7人の戦乙女達はパートナーデジモン達、そしてツナと運命の邂逅を果たし、新たな冒険と戦いに足を踏み入れたのだった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
フェルトやマリア達がデジタルワールドでデバイスや魔法、シンフォギアを使えなくなった理由は壊れているからでは無く、デジタルワールドの環境に適応できてないからで、ある条件を満たせば、デジタルワールドでもデバイスや魔法、シンフォギアが使えるようになる予定です。 
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