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星河の覇皇

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第七十五部第三章 察した者その十六

「しかし人口は少なくです」
「十九世紀には飛躍的に発展しましたが」
「一次大戦後は違いましたね」
「確かにあの大戦での傷は大きかったですが」
「既に成長は止まっていましたね」
「欧州自体の土地も資源もひいては人口も限られていたので」
「そうなっていましたね」
「我々は違います」
 連合はというのだ。
「無限の開拓地があり各星そして宇宙空間自体や隕石等にもです」
「無限と言える資源がある」
「まさにですね」
「そしてその資源を使い」
「何処までも発展出来ますね」
「そうですね」
「そうです、それが出来ています」
 既にというのだ。
「百年後に人口は十二兆になると言われています」
「連合の人口は」
「それはですね」
「そこまでなっていますね」
「百年後には」
「そうです」
 まさにというのだ。
「それだけ巨大になっていますので」
「他国が簡単に追い越せるか」
「我々はこれからも技術を発展させていくでしょうし」
「それを考えるとですね」
「彼等に容易に追い越されない」
「そうですね」
「はい、今はエウロパとの国力差は百対一ですが」
 しかしというのだ。
「これ以上に広げることも出来る位なので」
「エウロパが相当に発展しても」
「それでもですね」
「憶することはない」
「それが現実ですか」
「脅威の力にはより大きな力で向かう」
 八条は一言で言った。
「それが可能なら、ですが」
「そうしていくべきですね」
「我々のこの圧倒的な力をさらに拡大して」
「そうしてそのうえで」
「エウロパが発展する以上の力を備える」
「そうしていくべきですね」
「そう考えています、私は」
 こう文官達に述べた。
「それは軍も同じで」
「さらにですね」
「大きく装備のいい軍にして」
「エウロパ軍を常に圧倒し」
「そうして対していくべきですね」
「大国には大国のやり方がある」
 これは奢りではない、連合が他の国と比してどういった状況にあるのかを理解し把握したうえでの言葉だ。
「その大国のやり方を徹底し」
「発展し続け力を備え」
「そうしてですね」
「他の国を圧倒し」
「そうしてですね」
「攻めることなぞ考えさせず」
「手出しをさせないことですね」
「エウロパは敵ですが」
 しかしというのだ。
「攻める理由は然程ありませんね」
「先のエウロパ戦役は違いましたが」
「それでもその通りです」
「我々は既に満ち足りています」
「多くの資源と領土がありです」
「開拓地も無限にあります」
「それではですね」
「他国を害して利益を得る必要はありません」 
 これも連合の考えだ、連合はこうした考えが非常に強くそれが為に他国に無関心でかつ平和主義でもあるのだ。 
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