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俺、リア充を守ります。

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第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」

 ゴールデンウィーク前日の今日。

 三連休に心を躍らせる生徒達が、いつも以上に賑わいながら登校してくる。

 俺も連休は楽しみだが、この前の戦いでクラブギルディが言っていた通りこういう休日には、人が集まる場所を狙ったエレメリアンの出現率が上がるだろう。

 愛香は特に気にも留めた様子はないし、トゥアールもいつも通りなんだけど、やっぱりこうも頻繁に出現すると気を張らずにはいられなくなる。

 ……そして俺の隣には、さっきから賑やかな生徒達とは反対に、何かを考え込んでは溜め息をつくヒロ兄の姿があった。

「ヒロ兄?おーい、ヒロ兄~」

 呼びかけても目の前に手を翳しても反応しない。

 またいつもの癖だ。ヒロ兄は、何か一つの事に集中してしまうと、一点集中しすぎて他の事に気が回らなくなってしまう癖がある。

 肩でも揺すらないと反応してくれないだろう。

「ヒロ兄、聞いてるか?」

「……ん?あ、ああ。なに?」

 左肩を揺するとようやくこっちを向いてくれた。

 疑問形って事は、やっぱり何かに集中していたのだろう。

「なに?じゃなくてさ、どうしたんだよ?」

「いや……ちょっと考え事を……ね」

「考え事って?」

「まあ……その…………色々」

 やっぱり何かを考える事に集中していたのか。

 でも時折首を横に振ったり、溜め息までついて何を考えているんだろう?

「なあヒロ兄、さっきからどうしたんだ?」

「いや、別にそこまで大したことじゃ……」

 やっぱり様子がおかしい。何か抱え込んでるような気がする。

「俺でよければ、相談に……」

「そーじ!」

 突然愛香に呼ばれ、振り返ろうとしたら肩を引っ張られた。

「な、何すんだよ!?」

「そーじじゃ無理よ。ヒロ兄の相談に乗るのはね」

「なんで愛香にそんな事が言えるんだよ?」

「あ~、こればっかりは私も同意見ですね」

 トゥアールまで……。よく見たら口元がすっごいニヤニヤしている。

「そーじ、ヒロ兄の悩みがなんだか分かってないでしょ?」

「そうだけど…………そう言う愛香とトゥアールには分かるのか?」

「「当然よ(もちろんです)」」

 即答されてしまった。

「え?なんで分かるの!?」

「やっぱり分かんないわよね……」

 愛香の表情に少し影が差しているような……。

「仕方が無いので教えてあげます。千優さんを今、悩ませているのは……ズバリ、恋煩いです」

「こ、恋煩い…………って、ヒロ兄g」

 叫びかけて、愛香の手に口を塞がれた。

「声が大きいわよ!」

「ご、ごめん……。でもヒロ兄が誰かに恋してるって事か!?」

「そうゆう事よ」

「総二様は今朝からだと思っているようですが、千優さんは一昨日の午後からあんな感じでしたよ?」

 え?と思って思い返して見ると、確かに昨日、会長と別れてからあんな顔だったような……。ん?会長?

「……もしかして、ヒロ兄の恋煩いの相手って……」

「「もしかしなくても会長(慧理那さんです)ね」」

 2人が声を揃えて言う程分かりやすいのか。

「でも、あれはおそらく、まだ相手の好意に気づいてはいても自分の気持ちの整理が出来ていない状態ですね」

「気持ちが整理出来てないって?」

「そうよ。相手が好意を向けているのが本当に自分なのか、ハッキリとは分かっていない不安とか、自分は本当はどう思っているのか、とかね」

「う~ん……後者は時間がかかるとしても、前者ツインテールを見れば分かると思うんだけどなぁ……」

「それはあんただけでしょ!」

 ツッコミ代わりに、愛香の軽いチョップが脳天に炸裂する。

「ったく、このツインテール馬鹿……」

「まあ、ある程度整理がついたら、そのうち相談に来ますよ」

 まあ、ヒロ兄はヤバイ事でもない限りは抱え込まないし、俺たちに心配かけることはあまりしたくない筈だ。

 確かに俺じゃ相談には乗れない用件だけど、もし相談に来たら、話は聞こう。

 もし必要なら、ツインテールで相手の気持ちを読む方法、教えてあげようと思う。

「ところで~総二様~、私の相談にも乗ってもらえます?」

「ん?どうした?」

「実は最近、寝る時に人肌が恋しくて……よければ今夜から同じ部y……」

「「クロスボンバー!!」」

 ……トゥアールが用件を言い終わる前に愛香、そして考え事をしていた筈のヒロ兄の2人によるラリアットが、一瞬でトゥアールの首を挟み込んだ。

「えっと……」

「総二、気にするな。トゥアールの部屋には毛布と湯たんぽを送ってやれ」

「あ、うん……」

 ついさっきまで悩んでいた人とは思えないほど反応早かったけど……ヒロ兄大丈夫だよね?

 

 □□□□

 

 HR前 2-C教室

 教室の自分の席に座って両手をマスクの様な形にし、口元に当てて考える。これは俺が考え事をする時に楽な姿勢だ。

 一昨日の午後はゆったり出来ず、昨日も朝からもやもやして落ち着けなかった。

 そして今日に至る……か。

 皮肉なものだ。まさか自分が守ると決めた物に……見ていて好ましいと思っている「恋愛」に心を悩まされるとは……。

 いや、仮に慧理那が俺の事を好きだと仮定する。

 そりゃあ校内中の慧理那ファンを敵に回す事になるだろうよ。

 でも困る事なんてあるのか?……いや、前言以外で。

 いいや、無いだろう。

 むしろ、これは慧理那の気持ちに応えてあげるべきだろう。

 正直なところ、俺も嬉しさを感じていないと言えば嘘になるからな。

 だが、これがもし思い違いだった場合、俺は結構痛い目見るかもしれない。

 恥ずかしい思い出になるとか、そうゆう問題じゃなく、慧理那との仲を疑われて、慧理那に迷惑を被るのは嫌だし、俺も何されるか分かったもんじゃないんだよなぁ……。

 ……ふと視線を感じて顔を上げると俺と2つ分、机を隔てた席からこちらを見つめる悩みの相手と目が合ってしまった。

「「…………あ」」

 瞬間、思いっきり顔を背けて向こうを見ない様にする。

 ダメだ、直視できない……登校して来たから思ってたけど、やっぱりどんな顔して会えばいいんだよ!!

 どうしてもなんだか恥ずかしくなって顔見れねぇぇぇぇぇ!!

 いや、でも待てよ……あれ?

 そもそも俺は何を気にしてこんなに恥ずかしがってんだ?

 俺が答えてあげるべきだと感じたのは何故だ?

 ……もしかして……俺は慧理那の事が…………。

 

 □□□□

 

 あぁぁぁぁ!!///

 どうしましょう師匠の顔が見れませんわぁぁぁぁ!!

 今になって思えばあの時、どうして千優さんに触れたいなどと……。

 いえ、答えはもう分かっている筈です。

 あの時、帰り際に「また行こう」と言ってくれた瞬間……頭を撫でてもらった瞬間……それとも、ボロボロになりながらもわたくしを助ける為に駆けつけてくれたあの瞬間から?

 いいえ、もしかしたら本当はもっと前から……。

 千優さんにとっては何気ない事だったのかもしれないけれど……あれ以来千優さんが触れてくれる度に胸が音激打のように激しく高鳴り、燃えるマグマの用心棒の如く身体が熱くなる。

 全校朝会のあの日、わたくしの無意識のウインクと、千優さんのサムズアップが交わされたあの時も……。

 ここまではっきりと意識してしまっているのなら、これはもう、疑いようのない事実だと確信をもって言えます……。

「神堂会長?」

 わたくしは……千優さんの事が……。

「神堂会長?おーい」

「へ、あ、ひゃい!?」

 気が付きませんでしたが、隣に宮ノ下さんが立っていました。

「どうしたの?心ここにあらずって感じだったけど?」

「いえ、その、少しばかり考え事を……」

「そっか。何考えてたのかまでは聞かないけど、確か今日のランチミーティングで連れてくるんだよね?」

 生徒会には毎週月曜日のお昼休みにミーティングがあります。

 その時に行事やボランティア活動について等の話を行うのですが、確か来月までは特に行事はなかったはず……。

「……はっ!」

 すっかり忘れていました!!確か今日のミーティングは……。

「ん?どうかした?」

「いえ、なんでも!!わかっておりますわ、後で声をかけておきます!!」

「オッケー。念のため、私からも千優にも声かけとくから」

 そう言うと宮ノ下さんは千優さんの席へ。

 うっかり忘れてしまっておりましたが……今日のミーティングは、先日お流れになってしまった千優さんを新メンバーとして加えるためのもの。

 つまり、顔を合わせないわけにはいかないのです。

「……大丈夫……ですわよね……?」

 自分自身に言い聞かせるように、一言呟いた。

 

 □□□□

 

「千優~、寝ぼけてないだろうな~?」

「……」

「お~い、聞こえてるか~?」

「ん?あ、いたのか」

「いや、いたのか、じゃないでしょ」

 気が付けば、宮ノ下が目の前に立っていた。

 物思いに耽り過ぎたかな。

「今日のお昼、ランチミーティングだから、生徒会室に来ること。いい?」

「……そういや今日に延期だったな。分かった、弁当買ったら行くよ」

 そうだ、すっかり失念していた。

 先日のバッファローギルディ襲来で先延ばしにされてたんだっけ。

 慧理那と顔を合わせるのは必然だな……。

「……千優、会長と何かあった?」

「え?なんでそんな事を!?」

「いや、会長と同じ状態だったし。2人とも心ここにあらずって感じで、何か考え込んでるみたいだったから、何かあったのかな~って」

 ちょっとニヤニヤしながら聞いてくる辺り、大体読めてるんじゃないのか?

 いや、答えたくないけど。

「どう見ても両想いなんだし、告っちゃえばいいじゃん」

「ちょ、待っ、はぁ!?な、なんでそんな話に!?」

 いや、読めてるだろうとは思っていたけどここまでストレートに言われると、流石に恥ずかしさで狼狽えてしまう。

「しっ、声が大きい。まあ、この時間帯なら皆そうだけど」

 周りの生徒たちはお喋りに夢中だ。声の大きさも気にしていないから、幸い気づかれてはいないだろう。

「まあ、お似合いかどうかと言われると……正直、お似合いではないとは言い切れないからね」

「何その微妙、みたいな言い方……」

「だって、会長の人気に届くほど、お前目立ってるわけでもないもん。……あ、一部には大人気みたいけどね」

 その一部って、多分後輩たちや先輩方の事なんだろうなぁ。

「それに、身分が違うというか……お前が彼氏だって、認めてくれる人は少ないんじゃないかな?」

 まあ、確かに俺じゃ釣り合わないだろう。

 向こうはお嬢様だ。本当なら、俺より相応しい男がいるだろし、誰だって慧理那の隣に立ちたいだろう。

「……だが、それは最終的には慧理那が決めることだろう?」

 ……自分でも自然とこの言葉が、口をついて出たことに驚いていた。

「釣り合うとか釣り合わないとかじゃなくて、たとえ立場が釣り合わなくても、他人から見てお似合いでなくとも……ただ、お互いが相手を好きでいて、一緒にいたいって思っているのなら……それが理想のカップルってやつなんだと、俺は思う」

「……分かってるじゃん」

 俺が言い終わると同時に、宮ノ下は満足そうな表情で頷いた。

「なら、それをちゃんと会長本人に伝えてきなよ。もう認めてるんでしょ?」

「ああ……いつになるかはまだ分からないけど。絶対に伝えるよ」

「う~ん、本当なら放課後までにって言ってやりたいところだけど、一部が荒れることも考えると好機は見計らった方がいいか」

 バレたら校内中の男子が暴動を起こしかねないし、女子に陰で叩かれる可能性もあるからなぁ。

 でもきっと、必ずこれは果たさなくてはならない。

 今の俺にとっての大いなる使命グランドオーダーと言えるだろう。

「あ、そろそろ教室戻らなきゃ」

 気が付けば残り時間はあと5分でHRだ。

「じゃあ、私はこの辺で。それと生徒会への挨拶は……まあ頑張れ」

 宮ノ下はいそいそと教室を出て行った。

 

 □□□□

 

 昼休み

 四時限目の授業が終わり、昼休みになった。

 お嬢様もそろそろお昼、そしてランチミーティングだろう。

 授業中は私も教師の仕事で離れているが、昼休みにはまたお嬢様の隣へ戻らなくてはならない。

 それに、お嬢様にお弁当も渡しておかなくては。

 教室前を通りかかると、お嬢様はまだ席に座っていた。

「お嬢様、生徒会のミーティングだったのでは?」

「………………ッ!み、尊?」

 私が来たことに、たった今気づいたご様子……何か考え込んでいたように思えるのですが……。

「お嬢様、なにかお悩みでも?」

「……尊になら……話していいかも知れませんわね」

 どうやら、他人には言えない悩みらしい。

「では、人に聞かれない場所まで……幸いまだ少し、時間はありますので」

「……はい」

 この時間帯、人が寄り付かない場所といえばあそこだろう。

 お嬢様を連れて、部室棟へと歩いて行く。

 そう、観束たちの部室前なら、幽霊の噂もあるから生徒たちは寄り付かない。

「それで、何をそんなにお悩みなのですか?」

「じ、実は……」

 

 □□□□

 

 昼休み

 購買部には買い弁派の生徒たちが列を作っている。

 俺も一応その一人だ。

「お、よっしゃラッキー!これください」

「まいどあり!」

 数ある弁当の中から丼状の容器に入ったものを購入する。

 あったあった。この弁当は一日5個限定の弁当だ。

 丼いっぱいのご飯の上にキャベツ、玉ねぎ、豚肉の炒め物が玉子でとじられている。

 しかも鶏の唐揚げが添えられていてとてもボリュームがある。

 俺命名「限定弁当」だ。

 いや~、買えてラッキーだな~。と喜びながら生徒会室へと向かおうとした時、

「わっ!?」

「うおっ!?」

 丁度曲がってきた慧理那とぶつかりそうになった。

 幸い今回はお互いに前を見ていたのでぶつかることはなかったが。

「ち、千優さん……」

「慧理那!?なんでこっちに?」

 確か、慧理那は持ち弁派なので、普段は購買部を利用していないはずだ。

 ついでに言うと、弁当作ってるのは尊さんなので、毎日弁当を持ってきている。

「その……ランチミーティングなので……呼びに来たのですが……」

 なるほど。わざわざ出向いてくれたのか。

「ありがとう。それじゃあ、行こうか」

「はい……」

 小声で答えると、俺から顔を背けるように後ろを向き、生徒会室の方へ歩いていく。

 尊さんも隣に続き、俺もその後を追う。

 だが、しばらく歩いていると気付いた。

 慧理那は俺から距離を置くかのように、俺から1メートルくらい離れた距離を保って歩いているのだ。

 あと、たまに距離を確認するためかチラチラとこちらを振り返る。

 いやバレバレだって。

「……ミーティングって、なにするの?」

「あ、はい、その……挨拶して、コミュニケーションの一環に昼食を共にし、後は自由解散です」

 なるほど。仕事が無い間は特に気を張る必要は無さそうだ。

「仲足……一つ聞いてもいいか?」

 尊さんが俺の隣に立ち、小声で囁く。

「はい?」

「お嬢様に聞こえないように答えてくれ」

「分かりました……それで、ご用件は?」

「単刀直入に聞く。お前はお嬢様の事が好きなのか?」

「ぶっ!?」

 率直すぎて吹き出してしまった。

 いきなりなんでそんな事を貴女が聞いてくるのですか尊さん!?

「……お嬢様の様子がおかしい事は、お前も気づいているだろう?」

「そりゃあ、さっきからおかしいなとは……」

「いや、実は先日から時折、何処か心ここに在らずといった雰囲気で物思いに耽っておられるのだ……。そう、あの土曜日の午後からな」

 この前の土曜日からって……。

「時折顔を赤らめては首を横に振る動作も……特に、今朝からはそれが特に目立っているのだが……」

 全然気づかなかったんですがそれは……って、顔を合わせないようにしていたんだから当然か。

「そのことと今さっきの質問に、何の関係が……」

「察しのいいお前なら、とっくに理解していると思うのだが?」

 含みのある表情でクスッと笑う尊さん。

 ……まったく。悔しいけどお見通しらしい。

 繋がった。脳細胞がトップギアだ。

「今、お嬢様は緊張しておられる。原因はお前だが、逆にお前ならそれを解決できるのでは、とも思っているのだが?」

「いや、そう言われても……」

 流石に俺でも緊張を解くことまでは……しかも下手すりゃ余計に緊張させてしまうぞ!?

「言っておくが、これはお前を試すものでもあるんだぞ?」

「俺を試す?」

「二人とも何を話しているです?生徒会室……そろそろ目の前ですわよ?」

 おっと、もうそんなところまで……。

「では、自己紹介の後は適当に、空いている席へ座ってください」

 いそいそと、生徒会室へと入って行ってしまう慧理那。

 おそらく、他の生徒会役員たちはもう集合しているのだろう。

「仲足、後はお前次第だぞ」

 それだけ言うと、尊さんも続いて生徒会室へ。

 俺次第、か。

 そういや生徒会は慧理那ファンの巣窟だったっけ。

 少し気が重い、がまあ、何とかなるだろう。

 

 

 

「遅い。もう集合時間だぞ?」

 入った瞬間、生徒会室の真ん中に置かれたのテーブル奥。ホワイトボードの手前の席に座る男子生徒が放った一言がそれだった。

 えっと……誰?

「野村副会長、仲足さんは今日来たばかりです。大目に見てあげてください」

「しかし、時間は厳守するべきだと……」

「それなら、わたくしも同じ事です。仲足さんと同じ時間に来たのですから」

 なるほど、生徒会副会長らしい。

 時間とか規律に厳しいタイプと見た。

「そうだよ副会長。会長だけ依怙贔屓するのもどうかと思うよ」

「それに時間ジャストだし、遅刻には含まれないだろ?」

 とっくに着席していた夏海と拓斗が反論する。

「し、仕方ない……今回は許す。次からは遅刻しないように」

「ど、どうも……」

 こりゃあ、初回から印象悪くなったかな……。

 これは仕事の途中にエレメリアン出た時に抜けるのが大変かもな……後で慧理那に相談だな。

 そんな事を考えながら、買った弁当をテーブルに置き、ホワイトボードの前に立つ。

「で、では自己紹介を……」

 俺が視界に入らないようにか、顔を不自然にならない程度ギリギリまで逸らしている慧理那。

 あー、どうすりゃいいのやら……。

「2年C組、仲足千優。今日からよろしくお願いします」

 クラスと名前を、大きな声でハッキリと発音し、頭を下げる。

「よろしくー」

「おう、よろしくー」

「よろしくお願いします」

 といった挨拶返しと共に拍手が響く。

「では、新入りの挨拶も終わったし、飯にするか!」

 終わるの早っ!

 生徒会顧問の先生の一声で役員たちは各々、自分の昼食を取り出して食べ始める。なんだろう、結構拍子抜けしたな……。

「隣空いてるぞ」

 入口周辺の席から拓人が、自分の隣の席を指しながらジャンボメロンパンを食っている。

「おう、邪魔するぜ」

 拓人の隣の席に座り、弁当箱の蓋を開ける。

 割り箸を割って手を合わせて一言。

「いただきます!」

 限定弁当を食いながら、他の役員達を観察する。

 夏海は同じクラスの女子や仲のいい先輩と談笑しつつ、買ってきた弁当を食べている。

 拓人は至って普通に……と思ったのだが、片手に図書室から借りてきたラノベが。

 読書しながら飯食ってんじゃねーよ、と注意して止めさせた。

 この2人は先日の事件には居なかった。

 俺が一番気にしているのは、あの事件に関わっていた役員たち、生徒会役員12人中9人だ。

 その中で夏海と喋っている2人を除く7人全員が……慧理那をガン見してるじゃねえか。

 いや、よく見ると副会長の野村はさり気なくチラ見している程度……多分注意して見なければ気付かなかっただろう。

 こりゃ巣窟化してるって話は誇張じゃ無さそうだ。

 そしてその慧理那は……おいおい、あんまり箸が進んでいないじゃないか。

 1日3食はちゃんと充分に食べなきゃダメだろう!って視線を送ってみたところ丁度目が合った。

 今度は逸らすまい!と視線を送り続ける……多分向こうは逸らすだろうと見越して。

 その予想通り、目が合っているのに気付くや否や素早く弁当箱で顔を隠し、誤魔化すようにがっつき始めるのであった。計画通り!

 ……そして慧理那の表情の変化に気付き、視線の先にいた俺を睨み付けてくるやつが何人かいたので、そいつらと目が合う前に顔を逸らす。

 目と目が合ったらバトルって、こうゆう時怖いねぇ……ポケモントレーナーならまだしも、リアルファイトはホント勘弁な!!

 ここで丁度食い終わった。ご馳走様。

「千優、副会長は厳しいから、気をつけろよ?」

「お、おう……具体的に言うとどのくらい厳しいんだ?」

「そもそもあの人自身が、成績優秀で規則正しい生活送ってるから、まさに生徒の模範とも言えるんだよなぁ。遅刻、病欠一切無し。こういっちゃなんだけど、粗探ししてでも欠点見つけたくなるようなプロフィールしてるんだよなぁ……」

「腹黒いなお前……」

 ビックリするほどパーフェクトで俺も驚いてるけどさ。

 そりゃあ理由のない遅刻とか怒られるだろう。

 気をつけなくては……。

「そういや仲足って、会長の師匠だって聞いたけど?」

「……え?」

 夏海と駄弁っていた女子の一言で、生徒会役員全員の目線が慧理那から俺に集まった。

 待ってこのタイミングで!?

「ぶっ!?」

「お嬢様水です!」

 慧理那がむせたっぽい。

 俺も弁当食い終わってなければ危うくむせるところだっただろう。

「そういやそんな話聞いたような……」

「仲足、そこん所詳しく聞かせろ!」

「そうだそうだ!本当のところどうなんだ!」

「お前ら落ち着け!!」

 先生が止めようとするも半ば暴徒になりかけている生徒達は止まらない。

「静粛に!ここでの勝手は私が許さんぞ!」

 その一言だけで、立ち上がり、今にも俺に詰め寄りかねなかった生徒達が鎮まった。

「お前達が慧理那会長の心配をしているのは分かる。が、場を弁えろ。これ以上は我ら生徒会の面子に泥を塗る行為と知れ!」

 声の主は野村副会長だった。

「すみません副会長……」

「ランチミーティング中に失礼しました……」

 生徒達が次々と謝罪の言葉と共に座り直していく……凄いな。

「すまない仲足くん。会長の事となるとつい頭に血が上ってしまうメンバーが多くてね」

「は、はぁ……」

 さ、流石副会長だ。そんな面々を一言で鎮静化できるとは。

「だが何を教えているのかは私としても気になるところだ。良ければ聞かせてくれないかな?」

 もちろん、と言いたいところなのだが……。

 さっきむせ返っていた慧理那がどう反応するか……。

 チラッと確認してみると、どうやらようやく完食したところらしい。

 ……そうだ!

 慧理那の緊張を解く方法なら一つ、とっておきのがあるじゃないか。

「では、お見せしよう!」

 ホワイトボードの前に再び立つと、両脚を開き構える。

「何かヒーローの名前を挙げてくれる?その変身ポーズで返すからさ」
 ……生徒会室が一瞬で沈黙する。

 だよな……いきなりそう言われても返せないだろう。

 第一、これが俺の教えていることだとは想像にもつかず、何言ってんだこいつ、とでも思っているのかもしれない。

「じゃあ……ウィザード」

 沈黙を破ったのは拓人だった。

 流石オタク仲間、分かってるじゃん。

「オッケー!!」

 腰にドライバーを思い描き、ヒーローフォンのデータファイルから変身音ファイルを開き、腹部に右手を当てながら再生する。

 ドライバーの起動音が流れるとともにバックル脇のレバーを動かすと、バックルの手形が左右反転し、すぐにあの特徴的なノリノリ待機音が流れ出す。

 あとは右手の中指に変身用のリングを嵌めてバイザーをおろし……。

「変身!」

 左手をバックルの手形に当てた後、水平に伸ばす。

『ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!!』

 変身音が鳴り終わり、変身完了だ。

 仕上げにちょっとかっこつけた感じにリングを見せながら。

「さあ、ショータイムだ」

「……一瞬ベルトと指輪見えた気がした」

 一拍遅れた一同からの拍手と共に拓人からの一言だった。

「す、凄い……じゃあ恐竜の、踊って変身するやつ!!」

「キョウリュウジャーか!得意だぜ!」

 驚きの表情をしていた生徒の一人からのリクエストを受け、変身銃の音声を再生する。

 銃口を展開し、獣電池を構える。

「ブレイブイン!」

 次にその獣電池を装填。頭の隣まで持ち上げて……。

「キョウリュウチェンジ!!」

 リボルバーを回せば、後はサンバのリズムに合わせて踊り一回転!

 頭上でトリガーを引けば……

「ファイヤー!!」

 これで変身完了!

「「「「「おお~!!」」」」」

 また歓声が上がる。

「じゃあロケットのやつ!あれの俳優さん好きなんだけど……」

「フォーゼだな」

 女子からのリクエスト。案の定俳優さんの方で覚えられているけど、まあ是非もないよネ。

 ドライバーを巻き、四つのスイッチを右側から順に押していく。

 そしてカウントダウン!

『3!2!1!』

「変身!!」

 レバーを押し右腕は頭上へ真っ直ぐに伸ばし、左腕は水平に広げる。

 変身音がなり終わればみんなで、

「「「宇宙~キタ──ー!!」」」

「タイマン張らせてもらうぜ!!」

 またしても歓声が上がる。

 生徒会内にも特撮ファンは何人かいるようだ。

 ……だが、特撮ファンでもない生徒らの顔は引き攣っている。

 こんなものが修行だと?とか、うわこんな幼稚なことしてるのかよ、などといった奇異と侮蔑の視線が俺を刺す。が、そんなものどうとゆう事は無い。

 純粋な会長にこんなものを……なんて考えている奴もいるかもな。

 だけど、これが俺の全て。ヒーロー達への憧れを糧に、日々の鍛錬に励んだ成果がこれだ。

 そしてさっきから慧理那がうずうずしているのが見えている……。

 さて、そろそろだろうか?

 

「慧理那!」

「ッ!は、はい!!」

 突然名前を呼ばれ、一瞬ビクッと飛び跳ねてしまう。

 今日の朝、千優さんに会うと自覚してからずっと緊張しっぱなしで、ろくに顔も合わせられず……。

 これではいけないと分かっていながらも、いつものように接する事が出来なかった。

 いえ、緊張だけではないのです。

 もしこの気持ちを千優さんに……今まで友人であり、師匠として親しく接してくれた方に気づかれてしまうのが、どうしようもない不安もありました。

 尊にその事を打ち明けると──ー

「仲足はそんな男ではありませんよ。それはお嬢様がよく知っている筈です」

「それに仲足はお嬢様の師匠で、私も一目置いています。ですから私の信じた男を……お嬢様の師匠である仲足千優を信じるべきです」

 ──ーと言われましたから……。

 尊の一言で不安は消えましたが、それでもまだ気持ちの整理がぁぁぁ///

 で、ですが呼びかけには応じなくては……。

 大丈夫です、さっきから千優さんの変身ポーズを見ていたら心の中の彼らが応援してくれているような気がして、だいぶ楽になった気がします!

 ……本当はいつもの修行の様に、わたくしも隣で変身したくて仕方がないのですが、今は師匠のステージ。

 邪魔をする訳には行きませんからね。

「な、なんでしょうか?」

「修行の成果、見せる時だと思うんだけど?」

「修行の成果……え?今此処で、ですか?」

「その通りだけど?」

 ……まさかの提案でした。

「えっと……何がどうしてこんな事に?」

 そういえば、何故師匠が変身ポーズを始めているのか、失念していましたね。

「千優が会長に何を教えているから師匠って呼ばれてるのか聞いたから、実際に見せてくれてるってわけ」

 宮ノ下さん、ご説明ありがとうございます。

 なるほど、わたくしが色々悩んでいる間にそんな事が……。

「弟子とはいえ、(千優のキレのよさ異常だし)流石に会長じゃここまでキレのある動きは無理じゃないのか?」

 ……上郷さん、言ってくれましたね。

「なら、見せてあげましょう」

 さっきまでの悩みも緊張も、今はとりあえず置いておきます。

 わたくしにだって、師匠に比べればまだまだですが、誰にも負けない変身が出来るよう、修行してきたのですから。

 ここからは……わたくしのターンですわ!!

「じゃあ、クウガから」

「はい!見ててください、わたくしの変身!」

 腹部に両手を当て、超古代のベルトを出現させる。

 左拳を腰のボタンに当て、右腕を前に突き出して左から右へと動かし、最後は左拳の上に右手を添えて離すと変身完了。

 師匠が再生してくれた音声と共に、変身完了です。

「次はゴーカイジャー!」

「ゴーカイチェンジ!」

 スーパー戦隊の形をした人形を鍵に変形させ、前に突き出し、モバイル型の変身アイテム中央の鍵穴にセット!

 そしてモバイルを前に構えれば変身完了!

「…………会長が……」

「き、キレッキレに…………」

「なん……だと……」

 生徒会室が一瞬静まり返ります。

 あれ?もしかして、わたくし失敗してしまったのですか!?

 おそるおそる師匠の顔を確認すると……。

「完璧だ。修行の成果、出てるじゃないか」

 笑顔でサムズアップする師匠。

 そして、その直後生徒会室中から拍手が贈られました。

「神堂さんカッコイイ!!」

「意外……まさか会長に可愛さ以外の面があるなんて!」

「仲足も会長も、一瞬本当に変身したように見えたぞ!!」

「神堂、仲足、お前達学園祭で舞台に立ったらどうだ?」

 生徒たちも、そして先生までもが拍手と賞賛を贈る。

 そこには達成感と、自分の鍛錬の成果が出ている事への確かな喜びがありました。

「い……いえ、それほどでも」

「いいや、よくやった慧理那!この調子で次は同時変身だな」

「は、はい!次はどのヒーローですか?」

「そうだな……。よし、次は……」

 こうして、生徒会内に私と師匠のヒーロー好き及び師弟関係が一気に広まったのでした。

 

 □□□□

 

 次元の狭間

「データハドウナッテイル?」

「ハッ、エレメリアン達ノ身体構造ガ我々トヨク似テイル為、ヨク集マッテオリマス」

「ヨシ」

 赤黒い空間の中、霧を人の形にしたような、影のような暗黒思念体、ジェラシェード達は蠢いている。

 彼らは実体を持たない生命体だ。

 更に、人間達の住む「表の世界」では実体を持たない彼らは長く存在する事が出来ない。

 故に、これまで千優たちの世界へ現れる時は弱ったエレメリアンや、人間の身体を乗っ取る形で行動してきた。

 だが、彼らの計画は次の段階へと進んでいたのである。

「シカシ、1ツ問題ガ。表ノ世界デノ実体化ニハ一気ニ大量ノ負ノ感情ヲ得ル必要ガアリ、態々憑依シテ増幅ヲ待ツノハ手間トナルノデス」

「フム……一々手当リ次第ニ人間ヲ襲ッテモ、即座ニテイルドラゴン達ガ邪魔シニ来ル……」

 特徴はなく、陽炎のように揺らめく彼ら。

 だが、突如空間が揺らめいたかと思うと、やがて他のどの個体とも違う、巨大なな・に・か・がそこに現れた。

「簡単な話ではないか」

「ッ!?ソノオ声ハ……」

そ・れ・は口を開くと、そう言った。

「人間の協力者を作ればいいのだ」

「人間ノ……協力者?」

「人間をよく理解しているのは人間だからなぁ。手伝わせれば計画も捗るだろうさ」

 上位個体……いや、そんな小さなレベルのものではない。

 他のジェラシェードとは全く異なるサイズ、そして溢れ出す気迫は、明らかに彼らの頂点に立つものだ。

「シ、シカシ、人間ヲドウヤッテ我々ニ引キ入レレバ?」

「なに、簡単な事だ。目星はもう付いている……誰か迎えに行ってやるといい」

「デハ、僭越ナガラコノ私ガ」

 1体のジェラシェードが時空を開き、虚空へ消える。

 ジェラシェードの新たな計画が、幕を開こうとしていた。

 

 □□□□

 

 放課後 生徒会室

「失礼します」

 ランチミーティングの解散時、俺は野村副会長に呼び止められていた。

 なんでも放課後、ちょっと話があるんだとか。

 初日から呼び出しくらうとかかなり不安なんだけど……まあ、行くだけ行ってみるかと生徒会室へと足を運んだわけだ。

 役員たちは下校してしまったらしく、生徒会室には自分の椅子に座る副会長と俺だけしか来ていなかった。

「それで、話って?」

「呼び出された理由が分からないのかい?」

「いや、昼間の遅刻くらいしか思い当たる節が……」

 神経質な性格みたいだし、他の皆が許しても、生徒会副会長のプライドが許さないんだろうか?

 なら、今後遅刻しないように、五分前には入室する事を心がけるべきだろう。

「いや、それはもう水に流そうと思う。会長や他の皆の言い分はもっともだからね」

 よかった。融通は効く方らしい。

 しかし、それなら何故俺を?

「ちょっと、君に折りいって頼みがあってね」

「俺に頼み?」

 なんだろう?

「私も、弟子入りさせてくれないだろうかい?」

「……え?」

 うん、予想外。副会長から弟子入りを志願されるとは思ってもみなかった。

「君と会長の楽しそうな様子を見ていると、なんだか私も加わりたくなってね……だから、私も学んでみようかと思ったのさ」

「……なるほど。でも副会長、日頃から日曜朝は何時に起きる?」

「平日と土曜日は朝六時起き、日曜日はゆっくりしたいから八時を少し過ぎる頃に起きる生活習慣だけど、それがなにか?」

 ……この答えは……。

「じゃあダメだね」

「……え?」

「今の答えはいつ頃からの生活習慣?」

「む、昔からだけど?」

 よし、確定したな。

「つまり、ニチアサを一度も見たことが無いんですね」

「ニチアサ?」

「日曜朝7時半から8時半までの1時間。俗に言うスーパーヒーロータイム。特撮好きならこの時間を知らない者はいない」

「なっ……」

「俺が弟子に取るのは、本当に、心の底からヒーローを愛している者だけ。だから知ったかぶりやにわか者を見定める為に、質問をすることにしているんだけど……」

「……なるほど。私は試験で落ちた、と言う事か」

「副会長の場合、知ったかぶりとかにわかとの選別、って言うよりは、やる気の確認みたいなものかな?生半可な覚悟ではついて来られないからね」

 野村副会長は生徒会の中でも真面目な人間の模範と言える、と聞いている。特撮好きではないと仮定した場合、起きていてもニチアサは見ていないタイプの人間だろう。

 変身ポーズを真似る、そしてそれを極めようとするということは、ヒーローへの憧れがある事が前提だ。そうでもない人がやっても続きはしないし、恥ずかしいだけだろう。

「そうか……」

 残念そうな顔で俯く副会長。

 まあ、こういっちゃ悪いから言わないけど、慧理那のファンである生徒達を見ていて思うのが、「可愛くて優等生なアイドル的生徒会長」という偶像として慧理那を崇拝している、というかそういった面しか見てなくて、誰も慧理那の本質を見ていない様な感じがするんだよな……って、何を考えてるんだよ俺は。

 確かに親友で弟子で、今や気になる異性だけどさ、そこまで深く慧理那を理解出来ている訳でもないだろ、俺。

 とにかく、慧理那を愛でるためだけに弟子入りされても困るし、そんな事をしては弟子達に合わせる顔がない。

 副会長は自重しているタイプらしいけど、ここで認めて他のファンに形だけの弟子入り志願されても俺は嬉しくないので、敢えて断るとしよう。

「まあ、1度見てみればいいんだよ。そして少しでも彼らヒーローたちに憧れを抱いたら、また声かけてくれるかな?」

「…………ああ。そうだね……」

 それでも、副会長も特撮愛に目覚めてくれれば、きっといい友達になれるかもしれない。

 気長に待ってあげようじゃないか。

 と、ここでヒーローフォンからエレメリアン出現のアラームが鳴り響く。

「おっと、そろそろ用事だからこの辺で失礼するよ」

「ああ、また休み明けにね」

 急いで置いていた鞄を持つと、全力で部室へと走る。

 さあ、部活の時間だ!!

 

 □□□□

 

「まったく…………なにが彼らに少しでも憧れを抱いたら、だよ。笑いすら浮かばないね……」

 生徒会室から走り出ていく千優を影から見ながら1人、誰にも聞こえないように呟く。

 僕の本性を悟られれば警戒されるだろうからね。

 しかし、それでも僕の気に触る事に変わりはないし。

 これから先、どうやって彼を貶めるか考え、身を震わせる。

 先日は見ているだけだったが、今日、実際に接してみて確信した。仲足千優、あいつが僕の敵……会長を誘惑する悪魔の正体……。

 神堂慧理那という姫君を捕らえし竜ならば、僕はそれを倒し、彼女を解放する勇者にならなくてはならない。

 そろそろ雇った不良役の連中も準備を終える頃だろう。

 あいつの住所も抑えた。逃がしはしない。

「覚悟しておくがいいさ、仲足クン」

 指先で眼鏡の位置を直し、つい先程目の前を去っていった敵役かたきやくに向けて言葉を送る。

 これが彼の……高杉慎仁たかすぎしんじの静かな宣戦布告であった。

 

 □□□□

 

 都内 とある小学校の運動場

「だぼだぼのぉぉぉ!!袖が余る服の似合う幼女はいるかぁぁぁ!!」

「「「うるっせえぇぇぇ(さぁぁぁい)!!」」」

 今日のエレメリアンは、とにかく派手な色で、しかもとにかく叫ぶタイプの鳥型エレメリアンだった。

 名前はパロットギルディ。属性は袖スリーヴ、所謂萌え袖だとか。

 確かに余った袖の形状は鳥の翼に見えなくもない。

「特にダボダボな袖を大鷲のようにブンブン振り回す幼女は天よりの使者に相違ない!そのツインテールが袖を降ると共に揺れる様もまた美しい!!」

「な、なるほど……確かに、何かの動作に合わせて揺れるツインテールの良さは共感できるな……」

「同意しちゃダメよ!アンタもレッドに変な影響与えないでくれる!!」

 相変わらずの総二のツインテール思考が平常運行!……いや、レッドとブルー見てると揺れるツインテールのよさは、何故か分からなくもないのがなぁ……。

『分かりますよ、分かるとも!幼女+サイズの合わない服はまさに黄金比ですよね!!』

 よし、この通信機越しに世迷言を吐いてくるロリコンは後でシバこう。

「さあ!テイルレッドよ!私が用意したこの特注パーカーを来て見るがよい!テイルブルー、仲間の何人かからの反対を押し切って、お前の分もついでに作ってある。2人で余った袖をブンブン振って羽ばたいてみるがいい!!」

 そう言ってサイズは違うが、色違いでそっくりなデザインのパーカーを取り出すパロットギルディ。見事に袖は丁度いいくらいに余っている。

「お断りだぁぁぁ!!」

「誰がアンタなんかの為に着るものかぁぁぁ!!」

 まあ、確かにそうだろうなぁ。

 正直なところ、ちょっと見てみたい気もするが。

 だってあのパーカー、おそろいだぞ?

 総二と愛香のおそろい衣装……兄としては見てみたいと思ってしまって何が悪い……。

 まあ、流石に今回は2人が嫌がってるからその気持ちは抑えるけどな!

「残念ながら、2人からはお断りの様だな!」

「ならば無理にでも着せるまで!往くぞぉぉぉ!!」

 両腕の翼を羽ばたかせ、地面から両脚を浮かせるパロットギルディ。

 そのまま突っ込んでくるか、と思ったが。

 待てよ……あいつの属性はさっきも言っていた通り萌え袖で……そのイメージは翼を羽ばたかせる鳥……。

「……レッド!ブルー!脚・を・踏・ん・張・れ・、・飛・ば・さ・れ・る・ぞ・!!」

「何ッ!?」

「え?」

 次の瞬間、パロットギルディはバッサバッサと大きな音をたてながらその両翼で、風を起こし始めた。

「うおっ!!」

 本来ならブレイクレリーズ時のスライディングを止めるための脚のストッパーを起動させ、吹き飛ばされないように耐えるレッド。

 既に風圧は直撃した台風並みになっていた。

 俺も、踵の少し上辺りに装備されているレッグクロー━━ライダーで言うと月の王子のレッグトリガー的な━━を展開させ、なんとか地面に脚を踏ん張らせる。

「この程度……まだまだぁ!!」

 ブルーはその機動力の元になっている背後のバーニアの出力を上げて、逞しく大気の流れに抗っていた。

「まだまだいけるぞぉぉぉ!!これならどうだぁぁぁ!!」

 更に風圧が強くなる。

 飛ばされそうになり、それぞれの足が地面を削る音から、押され気味なのが分かる。

「ブレイザーブレイd……あぁっ!」

 ブレイザーブレイドを取り出そうとするレッドだったが、ブレイドはなんと掴む直前にこの大旋風に飛ばされてしまい、なんとブルーの方へ。

「ちょ!?うわあぁぁっ!!」

 ブレイドがぶつかった瞬間、踏ん張りが切れてしまい、ブルーの足が宙に浮く。

「ブルー!!」

 飛ばされそうになったブルーの手を掴むレッド。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

「レッド!!」

 自身も飛ばされそうになりながら、それでも小さな足を地面から離すまいと踏ん張るレッドだが、その体制は長くは持たない。

 遂に風圧に耐えきれず、地面から片足がが離れ、そのまま……。

「掴まれレッド!!」

「ドラ兄!!」

 もう片方の足が離れる前に手を掴むと、スラスターの出力を全開にして耐える。

 レッドもバーニアの出力を上げ、なんとか体制を立て直す。

「ドラ兄、このままじゃどのみち3人とも飛ばされちゃうわよ!!」

 この中で1番飛ばされそうになっている状態のブルーが叫ぶ。

「任せろ、策ならある!」

「策?」

「ヒーローC、いけるか?」

『まあ、加減次第だが、いけるはずだ!』

 んじゃこれでどうだ!

「属性変換エレメリーション!」

『体操服属性ブルマ』

 重力波を発生させると、風が止んだ。

 いや、風自体は止まってないし、パロットギルディは今も羽ばたき続けている。

「ドラ兄、なにしたの?」

 ようやく地面に足を付いたブルーが聞いてくる。

「俺達3人を対象にある程度の重力をかけた。これで飛ばされることは無い!」

「スゲェ!!よし、今の内に決めるぞ!」

 3人で片腕をパロットギルディに向ける。

「「「オーラピラー!!」」」

「な、うおぉぉぉぉぉぉ!?」

 まさか風圧を気にせずに行動してくるとは思ってもみなかったらしく、不意を突かれるパロットギルディ。

 噴き上がる炎柱、湧き上がる水柱、柱の如く真っ直ぐに翔け昇る竜の三つの光がパロットギルディの動きを封じる。

 翼が動かなくなった事でようやく風が止み、即座に体操服属性ブルマを解除し、学生服属性スクールユニフォームを装填する。

「これで決める!」

「「「完全解放ブレイクレリーズ!!」」」

 もう一本のブレイドを呼び出して飛翔するレッド、ウェイブランスを投合する構えを取るブルー、そして握った右拳に属性力エレメーラを集中させる俺。

 三者三様、同時にそれぞれの必殺技名を叫び、解き放つ!

「グランドブレイザー!!」

 テイルレッドの炎剣がパロットギルディの右翼を縦一文字に斬り裂き、

「エグゼキュートウェイブ!!」

 テイルブルーの激流槍が左翼の中心を貫き、

「狼牙咆哮拳ハウリング・フィスト!!」

 地を駆ける狼の如く素早い鉄拳が残った身体を打ち砕く。

「テ……テイルドラゴン……賛同こそなかったが、反論しなかった所を見ると……お前も余った袖に……萌えるタイプ……なのであろう?」

「……それは俺の属性ってわけじゃないけど、まあ、嫌いじゃないぞ?」

「そう……か……嬉しい……ものだ……敵ながら理解者……が……いるというのは……」

「袖振り合うも多生の縁ってな。……袖属性スリーヴだけに」

「上手い!……これは一本取られたな……」

 紫電の迸る身体でそこまで言うと、パロットギルディは爆発し、残ったのは袖属性スリーヴの属性玉だけだった。

 ……そういやこいつ、何気にブルーの分も用意してたり、これまでたまに出てきた妹願望持ちでもなかったな……いや、無駄に声デカかったけど。

 なんというか、死角に潜む者ラークスクエアーズと同じ、接しやすいというか、倒すのが惜しいやつだったな……。

「テイルドラゴン~」

「ん?」

 よく見れば、小学生たちが校舎から出てきていた。

 テイルレッドの方には既に何人もの小学生が集まり、囲まれてしまっている。

 ブルーも、レッドに比べて少数ながら、子供たちから「かっこよかったよ」等と賛美の言葉を贈られ、少し嬉しそうだ。

「ドラゴン、今日は笛使わなかったね?」

「あれはジェラシェードと戦う時専用だからね」

「えぇ~、あたし聴きたい~」

「おれも~」

 なんか、子供たちに演奏をせがまれるとは思わなかったぞ……。

『設計上、音がジェラシェードの苦手な波長ってだけで、普通の笛として使っても問題ないんだし、普段から変身前に吹いてるだろ?』

 期待に応えてやれ、と言わんばかりのヒーローC。

 まあ、俺も子供を喜ばせるのは好きだし、一曲くらい別にいいか。

 ヒーリングフルートを呼び出すと、取り敢えず思いついた曲を演奏し始める。

 これでもピアノ弾けるし、楽譜も読める。

 音楽は得意科目のひとつだ。

 吹き始めた曲は現在放送中のライダーの主題歌。

 聴いていると心がそっとエキサイトしてきて、最終的には身体を動かしたくなる、テンションのいい曲だ。

 ラスサビでは高学年の何人かが歌い始めていたし、合いの手打ってくれたのも嬉しかった。

 まあ結局、曲が終わる頃を見計らったように撮影班とか演奏に聴き入っていた大人ファンとかが押しかけてきたので、集まってくれた少年少女に手を振るとマシンサラマンダー飛行モードに飛び乗り離脱したのであった。

 

 □□□□

 

 次元の狭間 アルティメギル基地

 合流した分隊の母艦との連結も完了し、基地規模も、統一部隊数もかなりのものとなったこちらの世界のアルティメギル。

 今、その大会議室では各部隊の要人を集結させた大会議が行われているのだが……会議は難航を極めていた。

 巨乳属性ラージバストと貧乳属性スモールバスト。

 対極の属性故に主張は平行線を辿り、今やこの大部隊は、対立で真っ二つに割れてしまっていた。

「お前達もいい加減呆れ果てていよう!この世界の巨乳属性ラージバストの少なさに!大事な己の身体に刃を入れ、手軽に大きくしようという浅ましさが蔓延しておる!その付け焼き刃の乳がある故に、巨乳属性ラージバストが生まれぬのだ!!」
「だが貧乳属性スモールバストは違うぞ!小さいからこそ誇りが生まれる!小さいからこそ愛が芽生えるのだ!!」

「馬鹿な、贋物がはびこるからこそ、荒地に咲いた一輪の花のように、純然たる巨乳属性ラージバストが可憐に映えるのではないか!!」

「希少だからこそ巨乳属性ラージバストは美しいのだ!限られた一瞬に絶美を咲かせる儚くも強き様!それはまさに燃え尽きる瞬間にこそ最高の輝きを見せる流星のごとく!」

「そうよ、貧乳で永劫の時を生きたとて、それは彫刻となんら変わらぬ!」

 かつてないほどに、中学生男子のような会話が繰り広げられていた。

 強面の怪物たちが熱気を漲らせながら論じ合うのだから、一般人が見たら1ヶ月は夢に魘されそうな地獄絵図だった。

 あまりに主張の強い巨乳派に、一部の……テイルブルー派のエレメリアンはあぁ、これをテイルブルーに聞かせたら一瞬で基地を特定され、破壊し尽くすんだろうなぁ、等と溜め息をついているのだが、リヴァイアギルディ部隊のエレメリアン達には聞こえもしていないのであった。

 そして最終的にはスクリーンを使ってプレゼンし始め、そして両派閥の二体が取っ組み合いを始めてしまう。

 それらを皮切りに、巨乳だ貧乳だと、もはやただの口喧嘩となり、会議は荒れた。

 ネット風に言うと、炎上した。

「静まらんか!」

 硬質のテーブルにヒビが入るほど、劇場を拳に乗せ叩きつけるクラーケギルディ。

 途端、会議室は水を打ったように静まり返る。

「埒が明かぬ。一体何日こうして終わりのない言い争いを続けるか。昨日にいたってはゲームのキャラを持ち出しての喧喧囂囂の罵り合い。あまつさえ、巨乳貧乳どころか男の娘キャラだったのに気付かぬ未熟!!もはや乳の問題ですらないではないか!!」

 厳粛な騎士性を重んじる彼までもが感情を露わにするほど、事態は深刻だった。

「……やむをえん。部隊の統一は一度白紙に戻し、個々で制圧を開始するほかあるまい……まあ、何体か血気盛んな若僧共が、もう勝手にそうし始めているようだが、な」

 部隊の統制が不安定になっている事を実感するリヴァイアギルディの提案は捨て鉢というよりも、そこしか落としどころを見いだせない、将としての苦渋の決断だった。

「リヴァイアギルディ様……お言葉ですが、総力を結集しなければ、ツインテイルズには勝てませぬ!!たとえ時間がかかろうとも話し合っ……」

 クラーケギルディが部下の発言を遮って語る。

「このまま座していても事態は変わらぬのもまた、事実。私も賛成だ」

 将軍たちが言葉を揃えては、部下達は反論などできるはずもない。

「それに、尖兵とはいえ、既にクラブギルディが敗れ去っている……。戦闘力はそれほど秀でていなかったとはいえ、私でさえ見切れなかったあのスピードを攻略するとは……」

「俺の腹心たるバッファローギルディもああも容易く敗れ去ったのだ。ツインテイルズの実力はとうに承知しておる。…………もっとも、あ奴があそこまで腑抜けだったことに、失望もしているがな!!まったく、よく分からん霧の生命体なんぞに身体まで乗っ取られおって!!」

 辛辣な死者への冒涜も、リヴァイアギルディの性分をよく知る部下達は黙して聞くだけで心中でさえ責めようとはしなかった。

 あの、悲しみに打ち震える股間の触手を見て、誰がそれを本心だと思おう。

 クラーケギルディの部下たちでさえ、それを察して目を伏せている。

 

「大変です!!」

 その時、会議場に一体のエレメリアンが血相を変えて駆け込んできた。

「なにごとか?」

「ダークグラスパー様が、この部隊を視察に来られるとの事です!!」

 真っ先に立ち上がるリヴァイアギルディ。

「なんと!」

「まだ確かな情報ではありませんが……」

 確定情報ではない、と言い淀んだのにも関わらず、集まった戦士達は皆、右に左にと慌てふためき、動揺した。

「ご到着はいつになるか?」

 冷静に問いただすクラーケギルディ。兵は、わかりません、と返すだけだった。

「遥か先の話か、それとも明日にでも姿をお見せになるか。はたまた━━━」

 クラーケギルディは嫌な予感を否定するように頭を振り、リヴァイアギルディは苦渋の表情を浮かべる。

 スパロウギルディも、喋る間もないほど痛む頭を抱えている……いや、それは会議が口喧嘩に発展したあたりからだったが。

「……ぬう、やはり見咎められたか……。噂には聞いたことがある。部隊を持たず首領様の勅命を受け単身世界を渡る戦士。その使命は、組織の反逆者の処罰だという」

「いつしかその謎の戦士は闇の処刑人、ダークグラスパーと呼ばれ、恐れられている……」

 そう呟いたクラーケギルディだったが、彼はダークグラスパーの存在をこう捉えている━━━本当に処刑人などという物騒な存在がいるとは考えにくい。おそらく、ともすれば馴れ合い、緩みがちな面々の気を引き締める監視役としての存在なのだろうと。実際に存在するかどうかは定かではない。むしろ、噂が尾鰭を引いてくれた方がいいというわけだ。

 いずれにせよ、今のこの状況が首領に好ましく思われていないのは確かだ。のんびりと構えてはいられないだろう。

「そ、それともう一つ……」

 恐る恐る口を開く兵。

「なんだ?言ってみろ」

「そ、それが……星の円卓イクリプティック・サークルも、こちらへ向かっているそうです!!」

 瞬間、辺りは更にざわめきだす。

「なんと!まさかあの方々までもがやって来ると言うのか!?」

 アルティメギルにはいくつもの部隊が存在するが、その中に四頂軍という首領直属の部隊が四つ存在し、それぞれが所謂エリート集団になっている。

 だが、その四頂軍とは別に、固有の名前を持つ部隊が幾つか存在する。

 首領直属ではないが、他の小部隊とは一線を画す部隊……死角に潜む者ラークスクエアーズのような、分隊とも更に違う別働部隊。

 その一つ、それぞれが騎士の名を持つ、クラーケギルディにとって、その名前自体が尊敬に値する部隊。

 名を星の円卓イクリプティック・サークル。

 騎士の憧れたる円卓の騎士ナイツ・オブ・ラウンズを思わせる十三体の精鋭エレメリアンで構成された部隊がやって来るらしいのである。

 それは、クラーケギルディに少なからず英気を与えた様であった。

「……どうだリヴァイアギルディよ。私達のみで出向き、直接手の内を見てみるのも」

「フン、小手調べという訳か。異論は無い」

 遺恨は残るが、部下達の手前、ダークグラスパーの降臨と星の円卓イクリプティック・サークルの到着を前にいがみ合うのは得策ではない。

 将二体は、自ら出撃することで、落とし前を付けようと決意するのであった。 
 

 
後書き
個人的に、この作品オリジナルの部隊は、「首領直属ではない特殊部隊」みたいな感じです。
ネーミングはトランプが元になっている四頂軍に倣って、死角に潜む者ラークスクエアーズ→四角、星の円卓イクリプティック・サークル→円、という感じになっております。
では、次回・・・
トゥアール「慧理那さんとの変身ポーズラッシュに、子供たちに囲まれて演奏会。千優さんが子供に人気出るのもわかる気がしますね」
千優「多分、心の根っこが少年のままなんだろうな」
愛香「って、ちょっとちょっと!?次回アレと戦うことになるなんて聞いてないんですけど!?(青ざめながら)」
トゥアール「おやおや?愛香さんの弱点発見ですか?これは記録しておかなくては。そして今後のアンチアイカシステムの参考に・・・(企み顔)」
千優「・・・ほう?(手首鳴らし)」
トゥアール「ひぇっ・・・か、勘弁してください!千優さんのは愛香さんのと加減が違いすぎて痛いんですからね!!」
愛香「じゃあ私のは痛くないってことね」
トゥアール「こ、今度は私をどうするつもりですかひぃぃぃ!!」
総二「トゥアールは何度この流れを続ければ気が済むんだろうな・・・(苦笑)」
トゥアール「そ、それではタイトルコール。次回、明かされるcolorsに・・・」
一同「「「「テイルオン!!」」」」
千優「トゥアール博士、お許しください!(ポチッ)」
トゥアール「うおぉぉぉぉぉ!!(落とし穴へ)」
ヒーローC『この茶番も恒例化してきたな』
 
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