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俺、リア充を守ります。

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第2話「Cの追憶/運命の始まりの夜(ビギンズナイト)」

 この世界のどこか 人間では認識することもできない場所

 エレメリアンと呼ばれる怪物たちにより構成される組織「アルティメギル」の要塞では、ざわめきが起きていた。

「……なんなんだ、あの戦士は!?」

「一体何者なのだ!?」

 会議室のモニターには竜を模した黒いプロテクターに身を包んだ戦士、「テイルドラゴン」の姿が映し出されていた。

 ツインテイルズの危機に颯爽と現れ、刹那ほどの早業でコブラギルディの牙をたたき折り、突如、豹変したコブラギルディを正気に戻した後、テイルレッドにトドメを譲って去っていった謎の戦士は、アルティメギルの戦士たちにも注目されていた。

「あのドラグギルディ将軍の部隊でナンバー2と恐れられていたコブラギルディと対等にやり合うとは……」
「かなりの実力があると見ていいだろう」

 確かに、ツインテイルズの新戦力がここまで強ければざわめきもするだろう。

しかも黒一転とあらば必要以上に騒ぐ者もいることに、現在の部隊長である老兵「スパロウギルディ」は頭を抱えていた。

 しかし、彼はそれ以上に気になっている疑問を口にする。

「だが、気になる点もある。これほどの実力を持ちながら、テイルドラゴンからはそれほど強いツインテール属性が検出されなかったということだ」

 これには会議室にいる全員が驚いた。精神生命体である彼らには、この世のあらゆる兵器が通用しない。そのため、彼らと戦うためには属性力を核にした特殊な装備が必要になる。
中でも最強と謳われるツインテール属性は、ツインテイルズが装着している「テイルギア」にも使われており、アルティメギルが結成された理由にもなっている程だ。

 アルティメギルは、これまでその事実を利用し、侵略先の世界で最も高いツインテール属性を持つ者にその技術を流出し、自分たちと戦わせ、世界中にツインテールを流行らせた後、一気に属性力を狩り尽くす作戦を行ってきた。

 しかし、嘗て侵略した世界から、ツインテールの戦士の一人であったトゥアールがこの世界に先回りしていた事。
テイル戦士が二人に増えたこと、彼女たちにドラグギルディが倒されてしまったことなど、予想外の展開もありその作戦は潰えてしまった。

 だが、テイルドラゴンからは、そのツインテール属性が、テイルレッドやテイルブルーほど強くは検出されなかったのだ。

 では、彼は何故ここまで強力な力を持っているのか、エレメリアン達の中にそんな疑問が渦巻いていた。

 やがて、そんな会議室に一体のアルティロイドが入室する。

「モケ!モケケッ、モケモッケー!!」
「おお、解析が終わったのか!」

 スパロウギルディは早速、解析班から送られてきたデータをモニターに表示する。一つはテイルドラゴンについて、もう一つはコブラギルディを凶暴化させた黒い霧の解析結果だった。

 黒い霧については、スパロウギルディも気になっていた。だが、今は目の前の疑問を片付けるのが先だ。

 そう考えたスパロウギルディは、テイルドラゴンについての解析結果を開いた。

「こ、これは……」

 □□□□

 喫茶店「アドレシェンツァ」にて

 店の前に到着すると同時に、俺はブレーキをかけ、バイクに搭載された光学迷彩装置(インビジブル・カーテン)を解除する。

「ふぃ~……疲れた……」
「ふぃ~……じゃないわよ!ヒロ兄……どんだけスピード出してたのよ……」
「本当に……、あっという間だったな……」
「時速600キロ前後は出せるスピード。ある程度の飛行能力。光学迷彩による透明化。あと、変形機能なんかもあるぞ」
「「なんだよ(なによ)その特撮好きのロマンの塊スペックは!!」」

 同時に全く同じツッコミ入れやがった。やっぱりベストマッチなんだよなぁ……。いっその事付き合いなって。

「じゃ、ちゃんと説明するから先に店で待っててくれ」
「ああ、母さんやトゥアールにも無事だって報告してくるよ……」

 互いに肩を貸しながら歩いていく二人を見送りながら、スイッチの1つを押す。するとバイクが一瞬で分解され、パーツがどんどん外れていき……バイクが留めてあった場所には、一台のマウンテンバイクが駐輪されていた。

「「って、えええええ!!」」

 あ、二人ともまだ店に入ってなかったのか。いきなりバイクのパーツが外れて中から自転車が出てきたら、そりゃ驚くだろうな(笑)

「ほら、驚いてないでさっさと入るぞ」

 怪我人の二人に気を使い、俺がアドレシェンツァのドアを開ける。

「おじゃましm……」
「総二様ーッ!!」
「メメタァ!」

 ドアを開けた俺は、いきなり中から出てきた銀髪の美少女に突き飛ばされ、壁に背中をぶつける羽目になった。

 いきなり何だよ……。と思って顔を上げると、その少女は総二と愛香に抱き着いていた……その蒼い瞳から大粒の涙をボロボロ零しながら……。

「……よかった、えぐっ……ご無事で……ひっく。愛香さんも……えふっ、本当に……お二人とも……帰って……きてぐえでぇぇぇぇぇ!!」
「トゥ、トゥアール……お前……」
「私達のこと……そんなに……」
「……心配しだに……ぎまっでいるじゃないでずがぁぁぁぁぁ……」

 なるほど、この子も仲間なのか。この白衣を見るからに、さしずめ二人に変身する力を与えた科学者……といったところか。

 相当心配していたんだろうな、顔が涙でぐしゃぐしゃだ。……さり気なく総二の腰に手を回し、ベルトに手をかけようとしている事に目を瞑れば。

 なるほど、痴女か。愛香もとんでもないライバルと巡り会ってしまったな……。

 とりあえず、ティッシュを持ってこなくては。
 周りを見回すと、未春さんがティッシュ箱を用意していた。

「千優くんなら、そうすると思ったわ」

 読まれていたか、流石未春さん。

「有難うございます」

 お礼を言ってティッシュ箱を受け取り、三人の所へ持っていく。

「ほら、バカやってないでまず顔拭けよ。泣いてばかりじゃ、総二たちも暗くなっちまうだろ?」
「誰だか知りませんがありがどうごじゃいまず……チーン!」

 涙を拭く前に思いっきり鼻をかむ……ねえ……。アニメのギャグシーンなんかでよくあるこの光景、リアルで見たの初めてだぞ。

 とまあ、こうしてトゥアールと呼ばれた少女が涙を拭いている間に、俺と未春さんは、総二と愛香の手当てに移った。

 □□□□

 

 数分後

 手当ては終わり、トゥアールも泣き止んだので、俺は自分の事を説明する事になった。あと案の定、未春さんもガッツリ関係者だった。
 その順応力の高さには、流石厨二病マスターと言わざるを得ない。

 だが、まさか厨房の冷蔵庫が、いつの間にか地下にある秘密基地へのエレベーターになっていたのには驚かされた。

「スゲェ、いつの間にかこんな物が出来ていたなんて!」
「でしょ~?千優くんにはいつか自慢したいなーって思ってたのよ~」
「やっぱり、ヒロ兄でもテンション上がるんだ……」
「そりゃ、特撮好きなら誰でも一度は憧れるって!」
「うん、予想通り過ぎて、何か逆に安心するよ」
「そういえば、そのコートとサングラス、何?」

 地下への近未来的エレベーターに興奮していると、不思議そうな顔で愛香が尋ねてくる。

「ああ、変装用だ」
「「そんなに目立つ変装があるか!!」」

 あー、やっぱり突っ込まれる?一応気に入ってるんだけど。

「良いわよねぇ、ロングコート。着てるだけでヒーローっぽいくなるもの!」
「顔はちゃんと隠れていますし、雰囲気もピッタリ。問題ないのでは?」

 流石未春さん、分かっていらっしゃる。あとトゥアールも似たような趣味らしい。ホント面白いメンバーで構成されてるなぁ、ツインテイルズは。
 その殆どが身内なんだけどね。

「そろそろ基地に出ますよ」

 エレベーターの表示を見ると、いよいよ到着だ。
 重たい鉄の扉が開いた先には……なんと、特撮やアニメ、SF作品なんかでしかお目にかかれないような地下秘密基地が広がっていた。

「うおお!なんか凄ぇ!カッコいい!!」
「でしょでしょ~!」

 未春さん自慢げだな。まあ、家の下に世界を守るヒーローの秘密基地がある家、なんて世界中探してもここしかないだろう。俺だって自慢したくなる。

「さて、まず自己紹介からだな」

 コンソールルームにある長机に集まり、それぞれ椅子に座って向かい合う。作戦会議の時とかはいつもこの光景が見られるんだろうな。

「それじゃ改めて……俺は仲足千優。陽月学園高等部の二年生で総二と愛香の幼馴染、そして、愛と正義の使者!テイルドラゴンだ!!」

 おー、と手を叩いてくれる美春さん。ありがとうございます。

「いつもその決め台詞言うの?」
「いいじゃん。セリフはキメッキメ、決めポーズもキレッキレでカッコいいし、ヒロ兄らしいし」

 総二、解ってくれるのか。さすが俺の弟分。

「総二様も愛香さんも「ヒロ兄」と呼んでいるので、どちらかのお兄さんだと思っていましたが、血は繋がっていないんですね」

「近所のお兄ちゃんっていうよりは、もう本当の兄貴みたいな感覚さえ抱いてるんだよなぁ」
「かれこれ10年近い付き合いだしね」
「総ちゃんにとっても、愛香ちゃんにとっても、もう本物のお兄ちゃんみたいなものよ」
「……血の繋がりだけが家族じゃない……ですか」

 総二も愛香も美春さんも、嬉しいこと言ってくれるなぁ。家族同士でも仲は悪くないが、今のは録音しておきたかったな。

「……千優お義兄様?」
「呼ばせねーよ」

 未春さんを「お母様」呼びしている辺り、さては未春さん楽しんでやがるな?
 やれやれ、外堀から埋めて来る恋敵と、愉快犯な母親って……愛香一人じゃ厳しいな、これは。

『水を指すようで悪いんけど、そろそろの事も紹介してくれねぇか?』
「「ッ!?」」
「だ、誰ですか!?」

 感動に浸っていたら、ポケットの中から声が聞こえてきた。
 あぁ、こいつも紹介しとかなきゃな。

「ホイっと」

 ポケットからスマホを取り出すと、そこにはスーパーロボット型のアバターの顔が表示された。

『よう!』
「うわぁ!スマホが喋った!?」
「なにこれどうなってるの!?」
「ベルトになる上にAIまで搭載されているんですかそのスマホ!?」
『だぁ~!もう、うるせぇぇぇ!!』

 □□□□

『改めて、自己紹介だ』

 そうだな、俺の相棒を皆にも紹介しなければ。

「こいつはヒーローC、俺の相棒だ」
「え、ヒロシ?」
『ヒーローCだ!!間伸ばせよデコ助野郎!!』
「落ち着けヒーローC……本当はヒーローフォンナビゲーションシステムって名前なんだけどな」
『長いから略してヒロシ。んで、それじゃあカッコ悪いから伸ばしてヒーローCだ』
「随分安直なネーミングなのにかっこよく聞こえますね」

 自覚はある。何故だか伸ばしただけでカッコいい名前になる、まさに不思議な事だろう。

『ヒーローギアの補助AIとして、千優をサポートするのが俺の役割だ。まあ、よろしく頼むぜ』
「これで俺達の自己紹介は終わりだ。それじゃあ、本題に入ろうか」

 その一言で、緊張した空気が場に立ち込め始める。
 総二や愛香が息を飲む中、俺はゆっくりと語り始めた。

「あれは今から36万……いや、1万4000年前の……」
「いや、長すぎるだろ!!」
「スマン、緊張した空気をブチ殺したくなったもんだからつい……」
「ヒロ兄、もっと真面目にやってくれよ」
「あはは、悪い悪い。ちゃんと説明するから……」

 椅子に座り直し、改めて説明する。

「あれは今から1週間くらい前の事だった……」

 □□□□

 1週間ほど前 午後10時半頃

「ふぁぁぁ……。そろそろ疲れたし、寝るか……」

 今日も一日、特に何事もなく過ぎた。いや、実際には、謎の変態怪人が街に出現しツインテイルズに倒される、なんて事件があったが、それも今では日常茶飯事だ。

 俺はベッドで横になり、布団をかぶると間もなく、夢の世界に直行した……。

 ……どれくらい寝ていただろうか?誰かに呼ばれている気がして、目を覚ます。

 するとそこは、何も無い真っ白な空間が拡がっていた。

「何だここ!……これは夢か?」
「千優……。仲足千優……」
「ん?誰だ?」

 声がした方向にはなんと、一人の青年が立っていた。

 背丈は俺より少し高く、白衣を羽織っている。年齢はおそらく、二十代前半だろうか?

「仲足千優で間違いないね?」
「ああ……。あなたは?」

 俺の問いに、彼はゆっくりと答えた。

「私の名前はDr.シャイン。君に頼みがあるんだ。君にしか頼めない事でね……」

 初対面で名前を知っているとは……怪しい。しかし、彼の表情には真剣さと、そして少しの憂いが見受けられた。

「頼みとは?俺に出来る事なら良いのですが……」

 何にせよ、名指しでの頼み事だ。話だけは聞いておこう。俺はそう思って、彼の話に耳を傾けた。

「君に出来ること、なんて事じゃない。君にしかできない事、なんだ」

「俺にしかできない事……?」

 どういう意味なのか、と質問するより先に、少年は懐から何かを取り出した。

「ッ!?それは俺のスマホ!どうして!?」

 Dr.シャインと名乗った青年が取り出したものは、俺が使っているAndroidだったのだ。

 やがて、彼の口から告げられた言葉は、俺を心底驚かせた。

「これを使って、世界を守るために戦ってほしい。できるかい?」
「……へ?」

 世界を守るために戦う?俺が?このスマホで?どうやって?何のために?

 頭の中が疑問詞だらけだ。何がどうしてそんな話になる?

「……理解できていない、か。まあ、無理もない。順を追って説明しなくちゃね」

 俺の疑問に答えるように、Dr.シャインは説明を始めた。

「君たちの世界に、危機が迫っているんだ。世界を滅ぼそうとする邪悪な存在が、この世界にやって来る」
「あのアルティメギルって連中の事ですか?アイツらなら、テイルレッドとテイルブルー、ツインテイルズの2人が居るじゃないですか」

 すると少年は首を横に振った。

「アルティメギルとは別の、もっと恐ろしい存在だ。あれを見てくれ」

 そう言ってDr.シャインが指を鳴らすと、白一色だった周囲の風景が一転した。
無限に広がる大宇宙を内包した、数多の気泡。マルチバースのど真ん中に、俺は立っていた。

「あれを見てくれ」
「こっ、これは!?」

 彼が指差した先には、宇宙の全てを飲み込まんばかりの、巨大などす黒い暗雲が立ち込めていた……。

「なんだよ……あの黒い雲……」
「あれは雲なんかじゃない。生命体だ」
「生命体……?あの黒い雲が?」
「そう、正確にはあの雲を構成する成分の一つ一つが、形を持たない精神生命体なんだ」

 一体、どういう事だ?そんなこと……特撮かアニメでもない限り……あるわけ……。

「特撮かアニメでもない限りあり得ない……そう思うだろう」
「ッ!?」
「君の考えていることは、こちらにも分かる。君の考えは尤もだろう」

 ……俺の名前を知っているだけでなく、考えまで読めるなんて……。この人は何者なんだ?

「しかし、君も知っているだろう。その特撮かアニメでしかありえなかった出来事が、この宇宙では実際に起きているんだ」

「ッ!アルティメギルとツインテイルズの戦い……」

「そう。アルティメギルも、別宇宙からやってきた精神生命体、という点では奴らと共通している。でも、あの黒い雲の生命体……「暗黒思念体ジェラシェード」は、アルティメギル以上の脅威。災害とさえ言えるだろう」

 ジェラシェード……あの黒い雲の生命体はそんな名前なのか……。

「ジェラシェードってことは、嫉妬(ジェラシー)と関係でもあるのか?」
「よく解ったね。そう、あいつらは嫉妬を始めとする、人間の負の感情から生まれたんだ」
「人間の……負の感情から!?」

 まるで、人間の心の弱さに漬け込み、そのマイナスエネルギーで何度も蘇る異次元人じゃないか!
そんな生命体がいるなんて、宇宙は広いものだと実感する。

「ちなみに、奴らを構成している負の感情の主成分は、その名の通り嫉妬。充実した人々の幸せを妬む心……平たく言ってしまえば、非リアが持つリア充への嫉妬心だ」

「……はぁ?」

 今、なんと?非リアの嫉妬がアレを生んだって聞こえた様な気がするんだけど……。

「……信じられないかもしれないが事実なんだ。奴らが行動する理由は、人間の負の感情を喰らう事で、自分たちの数を増やす以外にもう一つ。他人の幸福、主に幸せの絶頂にいる男女の幸せを、負の感情を使ってブチ壊す事。ささやかな幸福さえ、奴らは壊しがいのある玩具としてしか認識していない……」

 身勝手すぎる。人間の自己中を凝縮したような行動理念だ……。

 ふと、暗雲の遥か後ろを見ると、闇に飲み込まれ、光を失くした別の宇宙が見えた。

「気付いたかい?あれが、奴らに滅ぼされた世界の末路だ」
「どうなっているんだ……あの宇宙の光は……」
「喰い尽されたんだよ。奴らにね……」

「あいつらは……どんな奴らなんだ?」

 さっきからアルティメギルよりも恐ろしいと言っているが、一体どんな酷いことをしてきた奴らなんだ?

「ジェラシェードは、人間の感情を喰らう存在……。人間の負の感情を喰らい、鼠算式に増殖していくんだ……」
「人間の感情を……」

 人間の負の感情をエサにしているってことか……。まるでスペースビーストだ……。

「感情を喰われた人間は、どうなるんですか?無感情になる……とか?」
「そう、そんなこともある。でも、もっと厄介なのは奴らの性質だ」
「性質?」
「奴らは、自分たちのエサである負の感情を増やすため、それを妨げるもの見失わせてしまうんだ」
「ッ!理性や良心、正の感情を!?」
「そう、理解が早いくて助かるよ」

 伊達にヒーロー物ばっかり観ていないぜ。まさか、特撮やアニメを愛好していたおかげで、世界の危機が分かりやすいなんて……。

 正の感情が消される……つまり、人々の心から光が消えてしまったから、あの宇宙には光が無いんだ!!

「ってことは、あいつらは人間の嫉妬や恨みなんかを煽って、それで世界を覆いつくしてしまう……と?」
「そして世界に溢れた負の感情を喰らい尽す前に、人々は結果的に滅びの道を歩んでしまう。ここまで言えば、説明は要らないね?」

 その時、俺の脳裏に浮かんだのは弟分の総二と、鈍感な総二に想いを寄せる妹分の愛香の姿。10年近く、ずっと傍から見守っていたベストカップル……正確には親友以上恋人未満だが、俺にとっては世界で一番幸せになってほしい二人の姿だった。

 あの二人の幸せを……いや、この世全てのカップルから幸せを奪おうなど、絶対に許せない!!

 リア充、即ちカップルとは、見ていて微笑ましいものだ。見ているだけで心が癒され、向こうが幸せなら、その幸せはこちらにも流れ込んでくる。幸せいっぱいな人々とはそうやって、自分たちの幸せを他人にも分け与えることができるものなんだ。

 俺は俗にいうカプ厨というやつだが、カプ厨とは人一倍、カップルを祝福したがるもの。だからジェラシェードの蛮行は、推しカプから幸せを分けてもらっている俺を始めとしたカプ厨からをも、供給源ごと幸せを奪っていることに等しい。

 そんなことは絶対に許さない!絶対にだ!!

「話は大体わかった。俺はコレでどうすればいい?」

 受け取ったスマホを見ながら、Dr.シャインに問掛ける。

「使い方は彼が教えてくれる」
「彼?」
『俺だよ』
「ん?」

 スマホの画面をよく見ると……

『よっ!』
「うわあ!喋った!!」
『うるせえ!スマホが喋って悪いかよ!!」

 ロボ顔のアバターが画面いっぱいに表示されていた。

「彼の名は、ヒーローフォンナビゲーションシステム。新生した君のこのスマホ、ヒーローフォンの説明役であり、君の相棒だ」
「俺の……相棒?」
『そうだ。お前はこれを使って、変身して戦うんだ』
「俺が……変身して戦う?」
『そう』
「ジェラシェードと?」
『そうだ!』

 マジか……。そんな夢みたいなこと……。

 でも、それが本当だとしたら……。

「なあ、どうして俺なんだ?」
「それは……」

 その時、辺りが急に薄暗くなった。

「ッ!?」
「不味いな……奴ら、もうすぐやって来るぞ!!」
「何だって!?」
「すまない、後のことはナビゲーションシステムに聞いてくれ」
「ちょっと!質問はまだ……」
「本当にすまない!今の私には時間が無いんだ!後は頼んだぞ!」
『了解マスター!ほら、行くぞ!!』
「待って!せめてどうして俺が選ばれたのかくらいは聞かせ──」

 言い終わらないうちに、俺の意識は再び暗闇の中に落ちていった……。



 ────────目が覚めると、夜は明けていなかった。

 なのに枕元に置かれたスマホが、目覚ましのアラームを鳴らしている。アラームを止めて時間を確認すると、午前2時半。あれはやっぱり夢だったのだろうか?

『よう。目が覚めたか、相棒』
「って夢じゃねぇぇぇぇぇ!!」
『うるせえ!お前の家族が起きちまうだろ!』

 ああ、そうだった。でも、俺のスマホに表示されているのは間違いなく、夢の中に出てきたヒーローフォンナビゲーションシステムだ。

『今すぐ家を出る支度しろ。もうすぐ奴らがやって来る』
「奴ら……ってジェラシェードの事か!?」
『ああ。あと30分くらいで空間移動予測地点に現れるはずだ。説明は後だ、急げ!』

 何が何だか分からないが、こうしちゃいられない。俺はジャンパーを羽織ると、玄関まで忍び足で降りて行った。

 靴を履き、音をたてないようにドアを開け、こっそりと鍵をかける。

 マップを確認した後、俺の愛車ともいえるマウンテンバイク「シルバー4号」で走り出す。場所は郊外、解体予定の廃ビルだ。

「で、何で俺が選ばれたんだ?」

 移動中、一番の疑問を口にする。これを聞いておかなければ、意味も解らないまま戦うことになってしまうからだ。

 そんなのは嫌だ。何故、俺でなければダメなのだろうか。その問いに、ナビゲーションシステムは静かに答えた。

『お前が、この世界で最強の”ヒーロー属性“を持っているからさ』
「…………え?」

 今、ナビゲーションシステムは何と言った?

『だから、お前にはこの世界で最強のヒーロー属性、つまり世界最強のヒーロー好きって訳だ』
「……それとこれと、どんな関係があるんだ?」
『人間には、属性力(エレメーラ)と呼ばれる精神エネルギーがある。それは人間の心の輝き、その人の心の拠り所から来るエネルギーともいえるものだ。例えばツインテイルズはツインテール属性、つまりはツインテールを愛する心を力に変えて戦っている。同じように、すべての人間が人生を懸けてでも愛したい物、性癖や趣味なんかに傾けている想いの力。それが属性力(エレメーラ)だ』

 なるほど、ツインテイルズの力の源ってそんな俗っぽいところにあったのか。
 家族愛とか友愛じゃなく、少し偏執的な愛こそが世界を守る力になっている辺り、世界とは解らないものだなぁ……なんて思ってしまう。

「で、俺はこの世界で一番強いヒーロー愛の持ち主……ってことなのか?」
『そうだ。それが無けりゃ、ヒーローギアは装着できないからなこの世界に来た時、一番強烈にその属性を感知したのがお前だったってわけ』
「なるほど……。じゃあそろそろ、そのヒーローギアの使い方について教えt……」
『止まれ!自転車を隠せ!!早く!!』
「うおっ!」

 角を曲がった先が目的地の廃ビルだ。だが、角を曲がろうとした時、ヒーローフォンの探知機に反応があったのだ。

 マウンテンバイクを物陰に隠し、隠れながら角の先を確認する。

「何の反応だったんだ?」
『奴らじゃない。この反応はエレメリアンだ』
「エレメリアン?」
『アルティメギルに所属する怪人たちだ。ほら、この世界には毎日のように出現しているだろ』

 ああ、あいつらそんな名前なのか。覚えておこう。

『厄介だな、ジェラシェードと奴らが鉢合わせたら……』
「想像しただけで面倒だな……」

 初戦で複数の敵を相手にして、勝てる確率は少ないだろう。経験値0でステージボスに挑むようなものだ。

 なるべく気配を消しながら廃ビルの入り口に立つ。

 静まり返った廃ビル内を、天井に空いた穴から差し込む月明かりが照らす。中には誰もいないようだ。

『エレメリアン反応は、ビルの最深部から出ている。ちょうどジェラシェードの空間移動予測地点だ』
「急いで行って、片付けておくか?」
『仕方ない、敵が増える前に叩くぞ』

 こうして、俺たちはビルの最深部へと足を踏み入れていった……。

 □□□□

  廃ビル最深部 大ホールにて

 廃墟と化し、何もない状態の大ホールに4体のエレメリアンが集まっていた。

「……本当に気付かれていないんだな」

 アリジゴクのような大顎をもつエレメリアンが疑問を口にする。

「ええ、間違いありません。いつもならもう来ている頃ですから」

 タランチュラのような姿をしたエレメリアンが答える。

「さっすがタランチュラギルディ!まさか本当に奴らに気付かれずにこの世界にやって来れるなんてな!!」

 狼の姿をしたエレメリアンが称賛の声を上げる。

「属性力のエネルギー波を抑えるフィールドを発生させ、ツインテールの戦士の目を掻い潜る……。実験は成功のようですね」

 タランチュラギルディと呼ばれたエレメリアンが静かに呟いた。

「上から警戒レベルが引き上げられつつある世界までやってきたんだ。成果はしっかりと挙げていかなければな」

 リーダーらしき魚のような女性型エレメリアンがそう言った。

「リーダー、何か作戦でもあるのかよ?」
「いや、これまで通りに行けばいい。我々はあくまでも補給部隊。必要な分を、必要な量だけ仕入れて退散すればいい」

 数多の次元を侵略してきたアルティメギルだが、今までの、効率ばかりを求めた属性力の集め方に不満を持つ部隊もあった。

 この、ドクターフィッシュギルディ率いる「死角に潜む者達ラークスクエアーズ」は、今までの作戦ではいずれ、失敗した場合に対処できなくなる事を危惧し、周囲の反対を押し切って、自分たちの攻めやすい分野から属性力を流行らせ、それから狩るという独自の戦法を編み出していた。

 その結果、彼女たち死角に潜む者達ラークスクエアーズは、時間はかかるが、良質の属性力を集めてくることで知られるようになったのだ。

「だが、今回の世界は今までとは違う。ツインテイルズに見つかれば、そこで作戦失敗だ。この隠密作戦はバレた時点で意味を失くすからな」

 そのとき、聴力の高いドクターフィッシュギルディの耳に、物音が聞こえた。

「ムッ!そこにいる奴、姿を現せ!!」

「ッ!?誰か居やがったのか!?」

「まさか、もうツインテイルズに見つかったんじゃ……」

「いえ、そんな筈は……」

 誰かに気付かれる、それは彼らが最も恐れることだった。物音がした方向に、ドクターフィッシュギルディは少しづつ近づいていく。

「姿を見せなければこちらから行くぞ」

「………………」

 やがて、ホールのドアの裏から姿を現したのは……、

「バレちまったか……」

 仲足千優が、その姿を見せた……。

 

 □□□□

 

「に、人間!?」

「人間が何故こんな時間に!?」

 あ~、そりゃ正論だな。普通こんな時間に起きて廃墟なんてくるのは、肝試しか心霊映像を撮りに来る奴だけだろうしな。

「大方、肝試しか何かで迷い込んだんでしょう?」

 スーツ着た蜘蛛……いや、タランチュラみたいなエレメリアンが問いかける。確かに、普通の人間ならそう答えるだろう。

 だが、俺がここに来た理由は違う!!

「残念だが、それは違うぜ!」

 ……エレメリアンたちの表情が変わった……ように見える。特撮の怪人スーツみたいな顔しているから表情は変わらないように見えるが、あいつらの空気が変わったような気がするのは確かだ。

「俺がここに来たのは、お前たちを倒すためだ!!」

「何ッ!?お前、ツインテイルズの仲間か!?」

 別にそういう訳じゃないけどな。

「ならば帰す訳にはいかないな……。捕らえろ!!」

 魚型のエレメリアンの指示で、いつものモケモケ言う黒い戦闘員が俺を取り囲む。

「なるほど、まずは戦闘員からってことか!!」

『いや、まず変身しろy……』

「行くぞ!!」

「「「「「モケーッ!!」」」」」

 十何体かの戦闘員が一気に押し寄せてくる。

『こんな数のアルティロイド、生身で相手に出来るわけ……』

「こいつらアルティロイドっていうのか。覚えておくぜ!」

『いや、俺の話聞k……』

「オラァ!!」

 ナビゲーションシステムが話している間にすぐそこまで迫っていたアルティロイドを殴り飛ばす。……とアルティロイドはあっさりと吹き飛ばされた。

『って、えええええ!!』

 うわ、スゲェ飛んだ。今殴られた奴、壁に思いっきりぶつかったぞ……。

 続いて隣にいたアルティロイドにも、蹴りを入れ、さらに二段蹴り、回し蹴りを連続で繰り出す。

 アルティロイド達はどんどんやられていった。

『……お前、本当に生身の人間か?』

「水影流柔術ってすげえな、こんなに威力あるのか!」

『いや、そんな武術云々の問題じゃないぞ!!』

 喋っている間にあと一体だ。それじゃ、俺が気に入っているあの技で……、

「水影流柔術奥義!鯉之滝登理コイノタキノボリ!!」

 助走をつけ、アルティロイドの身体に飛び蹴りを入れる。

「モケェェェェェ!!」

 最後の一体も派手にぶっ飛び、そのまま消えていった。

「良しっ!!」

『……もう、突っ込むの諦めようかな……』

 さて、エレメリアン達の方を見ると連中はかなり驚いていた。

「まさか生身でアルティロイドを全滅させるとは……」

「なんて奴だ!!」

「この人間……一体……?」

 タランチュラ、狼、アリジゴク(?)の3体は驚きのあまり口が(もしくは顎が)あんぐりあいた状態だ。

「ほぉ……中々やるではないか。名前と作戦目的を聞こうか……」

 魚型エレメリアンだけが落ち着いて問いかけてくる。こいつがリーダーのようだ。

 ここで、カッコよく「正義」と「ヒーロー名」が名乗れたらいいんだが、生憎名乗る名前を考えていなかった。

 本名を答えて狙われるのも嫌なので、名乗る名前を考えていると、

「そうか、名乗ってもいないのに相手に名前を尋ねるのは、失礼だったな」

 と、勝手に解釈された。まあ、そのほうが名前を考える時間が出来る。

「私はドクターフィッシュギルディ。名前の通り命を守るために医療現場で戦う白衣の戦士、医者属性ドクターを持つ者だ」

 ああ、ドクターフィッシュだから医者属性か……って結構安直だな。

「……ホラ、お前たちも早く名乗れ!彼に失礼だろう!」

「「はっ、はい!!」」

 タランチュラ以外の二体が慌てて返事をする。

「これは失敬。私、紳士属性ジェントルのタランチュラギルディと申します。以後、お見知りおきを」

 そう言って丁寧に挨拶してきたのはスーツを着たタランチュラ型のエレメリアンだ。紳士的な態度が優雅さを醸し出している。

「俺は、学生服属性スクールユニフォーム、ウルフギルディだ。お前の強さ、しかと見届けたぜ」

 漢らしい学ランを羽織った狼型のエレメリアンが拳を突き出す。思わず拳を合わせたくなるが、あんまり近づくと何されるか分かったもんじゃないので、拳を突き出し返すに止めておく。

「そして俺はアントライオンギルディ、属性は監禁属性プリズンだ」

 うわ、最後の奴だけ危ない属性持ってるよ……。社会的にアウトだろ……。

「我ら四人、世界の影より獲物を狩る者!!」

 そして四体がそれぞれ並んで決めポーズをとり……、

「「「「死角に潜む者ラークスクエアーズ!!」」」」

 ……決め台詞をドッカーンと決めやがった……。

 思わず拍手しちまったじゃねえか!

「さて、私たちは名乗った……君の名を聞かせてはくれないか?」

 ……あ、今のインパクトで考えるの止めてたわ……。ヤベェ、本当に名乗る名前が……。

 その時、俺の頭の中にあるヒーローの名言ファイルが、一つの答えを導き出した!

「……名乗る名前など無い……」

「何ッ!?」

「侵略者などに誇り高き我が名を教える必要無しッ!!」

 そう、名乗る名前が無ければ、正直にそう言えばいいのだ。という訳で、名前を聞かれても名乗らなかったヒーロー二人の名言を使わせてもらった。

 あいつらにはちょっと失礼かもしれないが、名乗る名前を持ち合わせていないので仕方がない。

「そうか……ならば来い!誇り高き戦士よ!!」

「行くぜ!!……ってどうやって変身するんだっけ?」

 ズコーッ!!

 盛大に全員がズッコケた。勢いに任せて戦闘員全滅させたから、すっかり聞き忘れていた。

『今から説明するから、ちゃんと最後まで聞けよ……』

「スマン……。頼むわ……」

 敵の方を見ると、

「なあ、これ今のうちに捕らえたほうが早くないか?」

「ダメだ!生身でアルティロイドを全滅させたとはいえ、普通の人間だぞ!待ってやらねば失礼だ!!」

「あれで普通の人間と判断するのもおかしいと思いますが……、まあ、失礼に変わりありませんね」

「変身前に攻撃とか、そんな卑怯な真似出来るか!!」

「……スマン、俺が馬鹿だった」

 アントライオンギルディの一見まともな意見が、他三体に全否定されていた……。

 まあ、助かるな。わりと憎めない連中だな、エレメリアン……ローカルヒーローの悪役みたいな雰囲気があって倒すのが惜しまれるが、彼らは人間の心の輝きを奪う侵略者なんだ。倒さなきゃいけないんだ……。

 きっと、ローカルヒーロー達もこんな気持ちで戦っているのだろうか?

『まず、「変身アプリ」を起動させて、スマホを腹部にあてろ。Changeチェンジってアプリあるだろ』

「ああ、これか」

 アプリチェンジャーみたいだな。アプリを起動させると、

『Changeチェンジ』

 と起動音声が鳴った。カリスっぽくてカッコいい音声だな。

 そしてスマホを腹に当てると、自動でベルトが巻かれた。ナンバー入力するガラケー型じゃないがこれはこれで気に入ったぞ。

『次に、ベルトの左右にあるボタンがあるだろ』

「これだな……」

 ベルトの左右には、アギトのオルタリングみたいに丸いボタンがついている。これを押すのか。

『まずは右、次に左のボタンを押せばあとはスーツが装着され、変身が完了する』

 よし、使い方は解った、あとはボタンを押すだけか。

「行くぜ相棒!変身!!」

『startスタート-upアップ』

 瞬時に、身体が光に包まれる。俺には知覚する事も出来ないくらい早かったが、全身にプロテクターのような物が装着されたのが分かった。

 そして、ベルトになったヒーローフォン、もとい「ヒーロードライバー」から電子音声が聞こえてきた。

『H・E・R・O!!HEROヒーロー!!』

 変身音か、シンプルだが気に入った!ビーストっぽさを感じさせる音声は、俺の属性を、俺の憧れをリズムに合わせて読み上げた。

「おお、それがお前の戦闘形態か!」

「名乗る名前は無いが、俺には戦う理由がある!!」

 こうして、俺とエレメリアンの最初の戦いの火蓋は切って落とされた。

 そしてこの時、俺達はすっかり忘れていた……ジェラシェード到着の時間が、刻一刻と迫っていた事を…………。 
 

 
後書き
いや~長い。思っていたより長くなってしまい、前編と後編に別けなくてはいけなくなるとは思わなかった。
しっかし、ホント俺の趣味の塊みたいな機能や音声ばっかりだなw
総二「ヒロ兄、なんでアルティロイドと素手で戦えるんだ?」
千優「え?戦闘員なら素手でも戦えるのは、ヒーローの基本スペックなんじゃ…」
愛香「理由になるかーっ!!」
トゥアール「私も気になります!変身プロセスに出てきたギミックの数々に変身音、戦う前からロマンの詰め合わせですし、話の続きが楽しみで仕方ありません!」
総二&愛香「「そこかよ!!」」
総二「でも、続きは俺も早く知りたい!」
愛香「この後どうなっちゃうの?」
千優「それは次回のお楽しみだ」
トゥアール「それでは、そろそろタイトルコールです」
千優「よっし!それじゃあ次回、Cの追憶/決意の夜明けライジングサンに・・・」
一同「「「「テイルオン!!」」」」
千優「これで決まりだ!」 
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